登山における靴下の役割とは
夏山登山における靴下の役割について解説します。登山用靴下は、実際には夏用冬用など、はっきりとわかれているわけではありません。
山の上では夏でも真冬のような気候になることがあります。山の標高や環境、歩く距離など、そのときの状況にあわせて使い分けるようにしましょう。
足もとを安定させる
靴下は足と登山靴とのすきまを埋めてフィットさせる役割があります。登山靴をより安定したかたちで履けるようになるため、登山時の転倒や滑落といった事故防止にもつながります。
足の疲労やケガの予防
登山用靴下の多くは、足の裏にあたる部分を分厚くして衝撃を吸収する構造になっています。重い荷物を背負って歩く山道では、膝や足首にかかる衝撃をやわらげ保護してくれます。
靴の中の蒸れ防止
登山靴の中が蒸れると、靴ずれなどの原因になります。また、蒸れることは登山自体の快適性をも大きく損ねることになりがち。臭いの要因にもなるので、登山における靴下の役割は大変重要です。
足の保温
高い山では夏山といえども真冬と同じくらいの気温になることがあります。とくに足元の冷えは身体全体の体温をうばってしまうため、低体温症などの要因になることがあります。
登山用の靴下を履くことで、より快適で安全な登山をおこなうことができます。
登山用靴下の種類
登山用靴下は大きく分けて下記の2種類があります。それぞれの用途に応じて使い分けるようにしましょう。
種類 | 特徴 | 素材 |
登山靴用 | 登山靴用の靴下は、厚みがあり、ふくらはぎをすっぽり覆う長めの丈が中心です。ふくらはぎから下の足の部分をサポートすることで、捻挫などのケガを防ぎ、疲れにくくする特徴があります。 | これまでウールが主流でしたが、最近は保温や吸湿速乾性にすぐれたメリノウール素材に代わりつつあります。 |
トレッキングシューズ用 | トレッキングシューズ用の靴下は、シューズにあわせてくるぶしか足首丈のものが主流です。 | 登山用の靴下と同じウールやポリウレタンなどが多く、登山用と違って薄手のものでも大丈夫です。 |
登山に適した靴下選びのポイント
形状
登山靴に適した丈で重い荷重による衝撃を吸収する厚みのある靴下がおすすめです。筆者いちおしの靴下に5本指タイプがあります。
それぞれの指が独立して動くため、しっかり地面をグリップして登山することができます。バランスがとりやすいので転倒予防にも役立ちます。
サポート力
足のふくらはぎから下の部分を適度に締めつけることで、疲労をおさえてケガなどの予防につながります。また、サポート力のある靴下は脱げにくいので、登山の長距離移動にも適しています。
素材
登山用の靴下は濡れても保温性を失わないウールやポリエステル、化繊、メリノウールといった素材がおすすめです。
逆におすすめできないのは木綿(コットン)素材です。木綿素材は汗などをよく吸収しますが、乾きにくいため、登山にはむいていません。
夏山用の靴下おすすめ8選
キャラバン ソックス 0131008 RLメリノ・レトロトレッキング
キャラバンは、日本山岳会隊のマナスル登頂のアプローチシューズとして有名な国内ブランド。日本人の足型にあわせて製造されているため、なじみやすい形状をしています。
メリノウールのソフトな肌触りを活かし、締め付け感のない柔らかな履き心地に仕立てました。
足首から履き口まではざっくりしたリブ編みにし、ふんわりと包み込むように優しくフィット。濃淡のある杢調の編み地は、ちょっとレトロな雰囲気を醸し出しています。
smartwool ハイククラシック ゼロクッション ライナークルー SW70114
ハイククラシックシリーズは登山やハイキングなどに適したスタンダードなメリノウールソックスです。
モンベル トレッキング 5トゥソックス
5本指タイプのソックス。高機能ウイックロンという速乾性と吸汗性、耐久性をそなえた素材が採用されています。トレッキングや登山におすすめ。
ザノースフェイス 靴下 プルーフテックアンクル NN82212
キャンプやウォーターサイドシーンでの使いやすさを追求した、機能的なアンクルソックスです。はっ水加工を施したオーガニックコットン・プルーフプラス素材をメインに、ポリエステルとナイロンの混紡糸で構成。浸水を軽減するフラットなハイゲージ編立て仕上げです。
アイスブレーカー ソックス ハイク+ ミディアム クルー
天然で高い機能性が備わっている優れた素材メリノウール。夏の登山のための靴下にあったら嬉しい機能を備えています。
メリノウールの魅力といえば、その防臭性の高さ。メリノウールの素材は臭いの原因となる細菌の繁殖を防げます。
長時間着用していることが多く、汗ムレで臭いやすい靴下にメリノウール素材を選ぶことで、特に夏場に発生しやすい嫌な臭いを防ぐことが可能です。
メリノウールは、天然の調湿作用があるといわれ、通気性が抜群。汗や熱を逃がし、靴の中の蒸れを防ぐ効果もあるのです。
メリノウールというと冬の防寒に使われることが多い素材ですが、夏場の蒸れ対策にも適しています。
アイスブレーカーはメリノウールを代表するブランドのひとつです。ウールはチクチクするイメージがある方もいますが、アイスブレーカーのメリノウールは肌触りがよく、柔らかいので履き心地も抜群。数日間の縦走などで洗濯しないで着用しても、防菌、防臭効果がある優れた商品です。
シダス トレイル・プロテクト
数時間の登山やハイキングでおすすめのトレランソックス。軽くて涼しい、身軽な靴下のため、トレイルランニングだけでなく、夏場の軽い登山にも向いています。トレランシューズで登山やハイキングにお出かけの人も増えていますが、もちろんトレランシューズとの相性もばっちりです。
トレランソックスは走ることを目的としているため、途中で履き替える必要なく雨の中走ることも想定して、吸水速乾性のある素材でつくられていることが多いものです。汗で濡れてもすぐに乾きやすく、快適な足元を実現します。
トレランソックスは装備を軽くしてスピードをあげるためにも、軽くて薄くつくられています。その代わり、クッション性はあまりないので長時間ハイクには向きませんが、夏場の短時間の軽いハイキングにはその軽さと薄さが適しています。
インソールで人気のシダスのトレランソックスは、快適性を重視したタイプ。くるぶしやかかと、つま先部分のプロテクションを強化しています。
臭い対策のポリジン加工がされ、湿気をコントロールして快適に保ちます。アーチサポートやシリコングリップバンドなど、山でのランのための機能を備えており、登山ユースにもぴったりです。
INJINJI(インジンジ) アウトドアミッドウェイトクルー
五本指やタビ型の靴下は、足の指が使いやすくなりバランスを取りやすくなるため、足場の悪い登山に適しています。蒸れにくく、マメが出来るのを防ぐ効果も期待できるため、登山のパフォーマンスを高めるのに適した靴下です。
指と指の間に布が入り、指が離れているため、ドライな状態に保ちやすくなり、指の間の汗ムレも防ぐことが可能です。歩いている間に指どうしが擦れないため、マメができにくくなるのもメリットです。
指が離れているため、足指を自由に使いやすいのが魅力です。指が離れていることで、指一本一本に力を入れやすく、足場の悪い場所でもしっかりと地面を捉えることが出来ます。
一方で、指の間に生地がある分、足幅が広がることに注意しましょう。靴のサイズにも影響が出ることがあります。
ランニングシーンでも使用可能なインジンジの靴下。インジンジ独自のメリノウール素材を採用しているため、靴下内の温度調節もでき、快適な足元を実現します。
かかととつま先には補強がほどこされているため、耐久性も高いのが特徴です。足のバランスが取りやすく、疲れにくい構造を採用しているので、登山での使用に向いています。
ファイントラック メリノスピンソックス
登山靴下の主流でもある中厚手タイプの靴下は、ハードな登山にも対応できるクッション性と夏場でも快適に過ごせる吸湿性に優れているのが特徴です。幅広い状況の登山に対応できるため、迷ったら中厚手の登山靴下を選ぶのもおすすめです。
登山用の靴下は、厚いほうがクッション性があり足への負担を軽減させてくれるため、疲れにくくなります。とくに、ロングコースや縦走による長時間の歩行や荷物が重いときなどは、クッション性のある中厚手の靴下が向いています。
ただし、厚さばかりを重視して選ぶと、登山靴が窮屈になったり、夏はとくに蒸れてしまったりすることも。その点、中厚手は使い勝手がちょうどよい厚さです。
薄い靴下だと吸湿しきれない水分が不快になることもあるかもしれませんが、中厚手の靴下は厚みがある分、吸湿性が優れています。かといってクッション性同様、より厚みのある靴下を夏場に使用すると、今度は暑くて蒸れやすくなり、快適に登山が出来なくなります。中厚手くらいが夏の登山にはおすすめです。
柔らかくて肌触りがよい、ファイントラックの登山用靴下です。メリノウールとポリエステルを混ぜた生地を採用し、温度調整と吸汗速乾の両方の機能を兼ね備えています。
厚さやクッション性がちょうどよい履き心地で、フィット感が高く快適な足元を実現。夏はもちろん、幅広い季節で活躍します。
吸湿性がある靴下を登山で使う2つのメリット
吸湿性に優れている登山用の靴下をはくことで、快適に登山ができるでしょう。吸湿性がある靴下のメリットを把握して、積極的に取りいれてください。
①蒸れを軽減する
吸湿性に優れた靴下は、湿気を吸収しやすいので、不快な蒸れを軽減できます。汗をかきやすい暑い時期の登山で使えば、ドライな足元を保ちながら歩けるでしょう。
また、靴下のなかが蒸れると皮膚がやわらかくなり、靴ずれの原因になる場合があります。吸湿性がある登山用の靴下をはくことで、靴ずれを減らせるでしょう。
②ニオイをおさえる
吸湿性が高い靴下は、湿気を吸収して雑菌の増殖をおさえ、気になるニオイを軽減できるでしょう。長時間の登山をする人にとっては、非常にうれしいメリットといえます。
靴下の吸湿性が悪い場合、雑菌が増殖しやすくなるでしょう。角質・皮脂・垢などを雑菌が分解する際に、不快なニオイを発します。
吸湿性がある登山用の靴下の選び方
吸湿性がある登山用の靴下を選ぶ際は、メインの素材や機能性に注目することが大切です。吸湿性と機能性のバランスを考えて、自分にあった靴下を選びましょう。
メインの素材がメリノウールの靴下を選ぶ
吸湿性を重視して靴下を購入する際は、メリノウールの使用割合が高い商品を選びましょう。メリノウールとは、オーストラリアやニュージーランドなどで飼育されている「メリノ種」という羊の毛。メリノウールは、吸湿性にとくに優れているのが特徴です。
市販されている登山用の靴下は、天然素材と化学繊維の混紡品が主流といえます。メリノウールの割合が高いものを選べば、蒸れを感じにくく快適に過ごせるでしょう。また、吸湿性だけでなく、保温性にも優れているため、寒い時期の登山に向いています。
一方で、メリノウールの割合が高いほど、価格が高くなる傾向があります。また、虫食いや毛玉ができやすいため、洗濯や保管は適切な方法で行いましょう。
機能性から選ぶ
靴下を選ぶ際は、機能性に注目するのがポイントです。パイル編みの靴下は、裏地がタオルのようにフワフワとしており、汗を吸い取りやすいのが利点。また、保温性が高い点もメリットです。
さらに、防臭・抗菌機能がされた靴下なら、蒸れによるニオイを防ぎやすいでしょう。5本指ソックスを選べば、足の指ごとに効率よく吸湿できるといえます。
ほかにも、メーカー独自の機能や編み方が開発されています。商品の説明をよく読んで、自分にあったものを選んでください。
吸湿性がある登山用のおすすめ靴下5選
吸湿性が高い登山用の靴下は、快適な登山に欠かせない存在です。ここでは、おすすめの靴下を5つピックアップして紹介するので、お気に入りをぜひ見つけてください。
①快適でやわらかなはき心地!/【キャラバン】メリノウール・パイルソックス
吸湿性が高いメリノウールをメイン素材とし、パイル編みをすることで汗蒸れを軽減した靴下です。メリノウールを使った、やわらかい肌触りが特徴といえます。
耐久性に優れており、長時間の使用でも風合いをそこないにくくなっています。厚手の生地とパイル編みによってクッション性が高いため、長時間の登山をする機会があり、疲れをできるだけ軽減したい人におすすめです。
②抗菌防臭加工でニオイをおさえやすい!/【THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)】トレッキング ミッドウェイト クルー
ニオイのもととなるバクテリアの増殖をおさえるポリジン加工により、高い抗菌・防臭機能を有する靴下です。4種類の合成繊維と、ウールを混紡した厚手の生地をパイル編みしているため、高いクッション性で疲労感を軽減できるでしょう。
また、アキレス腱を保護するプロテクター機能や、アーチサポート機能などによって、長時間の登山をサポートします。テント泊をともなう登山や、縦走などで活躍するでしょう。
③通気性のあるメッシュ素材を採用!/【DANISH ENDURANCE(ダニッシュエンデュランス)】登山用靴下
解剖学にもとづいて設計されており、足にぴったりとフィットしやすい靴下です。
高いクッション性により、つま先とかかとの水ぶくれを防止できます。また、通気性のあるメッシュがサイドに使用されているため、蒸れを気にせず快適に登山ができるでしょう。
メッシュ素材で通気性に優れているので、暑い時期に頻繁に登山をする人向けの靴下です。
④足元の汗を素早く放出!/【Rohner (ローナー)】Fibre High Tech (ファイバーハイテック)
速乾性が高いCoolMax繊維を使用している靴下です。CoolMax繊維によって蒸れにくく、快適な状態が続きます。また、高品質のメリノウールが、優れた吸湿性を発揮するでしょう。
パイル編みによってクッション性が高く、足にフィットしやすいといえます。また、土踏まずの部分にゴム素材を採用しているため、歩行をしっかりとサポートするでしょう。フィット感がよいので、はき心地にこだわる人にはうれしい靴下といえます。
⑤通気性とフィット感が抜群!/【Smartwool(スマートウール)】マウンテニア マックスクッション トールクルー
ストレッチ性がある、フィット感に優れた靴下です。甲の部分にメッシュゾーンをもうけることで、高い通気性を実現しています。
さらに、ズレをおさえる×印のエラスチックバンドによって、登山中も快適に歩けるでしょう。内部全体にわたって起毛しており、クッション性が高い点が魅力。登山中の足元への衝撃を軽減できるといえます。厚手の靴下なので、保温性を求める人にぴったりです。
秋〜冬向けの登山用靴下を選ぶときはここをチェックしよう!
トレッキングソックスには、夏向けや秋冬向けなどがあります。ここでは、秋〜冬に最適なタイプのトレッキングソックスの選び方をご紹介します。
靴のタイプに合わせて丈の長さを選ぶ
トレッキングソックスの長さには、くるぶしまでの短いものと、スネまで長さがあるクルー丈があります。
秋は、暑さが残っている場合はくるぶしまでのタイプでもよいですが、基本は靴のタイプに合わせて選ぶのがおすすめです。
ローカットタイプなら短め、ハイカットタイプなら長めのソックスがよいでしょう。
ウール素材を選ぶ
トレッキングソックスの素材として多いのは、ウール、化学繊維、混紡などです。なかでもウール素材は、吸汗性や防臭効果が高いのでおすすめ。
また、化学繊維は吸汗速乾性と耐久性も高いので、混紡素材を選ぶ場合でも、とくにウールの割合が高いものにするとよいでしょう。
厚さは中厚手や厚手を選ぶ
トレッキングソックスには、薄手、中厚手、厚手、極厚手などの種類があります。
秋から冬にかけてなら、中厚手や厚手がよいでしょう。季節や登山スタイル、登山靴によって、ソックスの厚さは変えたほうがよいですが、中厚手や厚手は、1年中つかえるので、まず用意しておきたいタイプです。
秋〜冬向けの登山用靴下おすすめ10選
サロモン アウトラインアンクル(ローカット靴向け:くるぶし丈タイプ)
フィット感がバツグンで、1日はいていても快適です。スポーツからデイリーユースにもつかいやすいソックスです。
ダニッシュ・エンデュランス メリノウールソックス(ローカット靴向け:くるぶし丈タイプ)
デンマークの人気スポーツ&アウトドアブランドのソックスは、速乾性とクッション性に優れています。温度コントロール機能つきなので、夏は涼しく冬は暖かいです。
ダーン・タフ 1/4メンズソックス(ローカット靴向け:くるぶし丈タイプ)
独自のループ編み技術によって、クッション性と衝撃吸収性があるソックス。伸縮性のあるアーチサポートによって、長時間のハイクも快適に、そして耐久性もバツグン。
キャラバン RL-HGアンダーカーフ(ハイカット靴向け:クルー丈タイプ)
吸放湿性のあるHGナイロンをつかった中厚ソックス。つま先とかかとのクッション性はそのままで、ほかはスリム化してフィット感をアップ、洗濯でもへたりにくいです。
ザノースフェイス トレッキングミッドウェイト(ハイカット靴向け:クルー丈タイプ)
高い抗菌防臭機能がついたトレッキング用パイルソックス。アキレス腱を守るプロテクター機能もついて、長時間快適に歩けるようサポートしてくれます。
ミズノ アウトドア ブレスサーモウール 中厚ソックス(ハイカット靴向け:クルー丈タイプ)
ミズノ独自の発熱素材ブレスサーモをウールに混ぜた中厚のソックス。足にしっかりとフィットし、吸湿発熱して温かさが持続するから、少し寒くなってくる季節に最適です。
VAXPOT(バックスポット) アウトドア ソックス(ハイカット靴向け:クルー丈タイプ)
高品質なメリノウールを使用したソックス。保温性と吸湿性にすぐれ、厚手のパイル編みが膝への衝撃感を軽減してくれます。
Yuedge アウトドアソックス(ハイカット靴向け:クルー丈タイプ)
抗菌防臭効果が高い合成繊維を使用、3D立体防震構造デザインのソックス。つま先、かかと、履き口部分は加圧補強され、甲にはメッシュ編みをつかっているので圧迫を軽減しながら保護してくれます。
オカモト クロスプロ(ハイカット靴向け:クルー丈タイプ)
丈夫で耐久性の高いコンバットウールを使用したソックス。土踏まずのアーチを押し上げたり、足首のテーピング構造によって、足首を固定することで、足の負担やケガのリスクを軽減してくれます。
ゴールドウィン C3 fit トレッキングソックス(ハイカット靴向け:クルー丈タイプ)
C3fit独自のサポート構造を取り入れた厚手トレッキングソックス。保温力があり、ムレも軽減、長時間歩行に備えて快適性とサポート力にこだわった作りです。
ウール素材の登山用靴下の特徴
ウール素材のソックスの特徴をあげてみましょう。
吸汗性が高く肌触りがサラサラ
ウールは天然素材で、汗や蒸れによる水分などを繊維のなかに吸収して、蒸発させる特徴があります。そのため、ソックスの内部に水分がこもらないので、肌触りがサラサラです。
防臭性や消臭性が高い
防臭性や消臭性が高いのも特徴。ウールは水分が蒸発しやすくムレにくいので、ニオイのもとともいえる菌が繁殖しにくく、足の匂いが気になる人にもおすすめです。
冬は暖かく夏は涼しい
ウールは熱伝導率が低く、冬の寒さや夏の暑さが足に伝わりにくいため、冬は暖かく夏は涼しく履けます。
ウール素材の登山用靴下を選ぶポイント
登山用のウールソックスを選ぶときに、注意したいポイントをご紹介します。
季節によって厚さを選ぶ
ウールのソックスは、薄手、中厚手、厚手、極厚手といろいろな厚さがあります。たとえば、春や夏は薄手や中厚手のタイプ、秋から冬は厚手や極厚手などがよいでしょう。
中厚手と厚手は厚すぎず薄すぎず、1年を通して使いやすいので、1足は用意したいものです。
距離によってクッション性も考える
ウールソックスは糸の太さや編み方によって、クッション性がよいものも多いです。クッション性が高いものほど、足への衝撃を減らしてくれるので、よく靴ずれする人はクッション性が高めのタイプを選びましょう。
ウール素材の登山用靴下おすすめ10選
登山向けのウールソックスを、薄手、中厚手タイプと、厚手、極厚手タイプの2つに分けて、おすすめをご紹介します。
ザノースフェイス トレッキングソックス デュラブル ウール【薄手・中厚手タイプ】
アウトドアブランド「ザノースフェイス」の、4シーズン用テクニカルウールソックス。軽量で引き裂き強度があるコーデュラ繊維をブレンド、つま先とかかとには補強糸をミックス。銀イオンによって、ニオイのもととなるバクテリアの繁殖を防いでくれます。
ファイントラック メリノスピンソックス【薄手・中厚手タイプ】
国内アウトドアブランドであるファイントラックのウールソックス。調湿機能の高い未防縮ウールと吸湿性のあるナイロンを合わせたメリノスピン糸を使っているので、季節を問わず快適です。
モンベル メリノウールエクスペディション【薄手・中厚手タイプ】
最高水準の保温性と耐久性、そしてクッション性を備えたソックス。保温性と防臭効果に富んだメリノウールをメイン素材にしていています。防縮加工つきで、洗濯時の縮みも少ない仕様です。
Danish Endurance メリノウール3足セット【薄手・中厚手タイプ】
デンマークのスポーツブランド「ダニッシュ エンデュランス」のハイキングウールソックス。薄手なのにクッション性のあるパッドがあるので、水ぶくれや痛みなどのリスクを軽減。口ゴムがあり、ズレも少ないデザインです。
ダーンタフ ノマドブーツソックス【薄手・中厚手タイプ】
「ダーンタフ」は3世代にわたり、靴下を作っているメーカー。ノマドは、ブーツ丈のソックスで、足によくフィットするので滑りにくく、水ぶくれもできにくいです。自社技術のファインゲージニットを使い、締め付けが少ないところも魅力。
Caudblor メンズ ウールソックス3足セット【厚手・極厚手タイプ】
ウール80%の厚手のソックス。柔らかい肌さわりで通気性と耐久性が高く、あたたかいです。指先は補強されているので、登山での岩や木の根などが指先にあたっても衝撃を緩和してくれます。登山だけでなく、ウォーキングやキャンプなどにも最適。
Tesla CQR厚手ソックス【厚手・極厚手タイプ】
クッション性に優れたソックスで、痛みの軽減はもとより履き着心地もバツグン。抗菌防臭タイプで、10パターンのデザインがあるので、靴や服に合わせてコーディネートも楽しめます。
キャラバン メリノウール2Pソックス【厚手・極厚手タイプ】
太めのメリノウール糸をパイル編みにして、クッション性に富んだソックス。擦り切れやすいつま先や、踵部分は補強し、表面にナイロン糸が多くなるようにすることで、耐久性もバツグン、履き着心地のよさもポイントです。
アイスブレーカー ハイク+ヘビー クルー【厚手・極厚手タイプ】
パイル地を使い、履き口にゆとりをもたせて履き心地をよくした厚手ソックス。メリノウールだけでなく、ナイロンとライクラを混紡して、強度と伸縮性を高めた生地を使用。
ボトムには裏パイルを採用して衝撃吸収力を高めています。冬山にも対応できる厚みの1足です。
L.L.Bean(エルエルビーン)メリノウールラグソックス【厚手・極厚手タイプ】
アメリカのアウトドアブランド「L.L.Bean(エルエルビーン)」のかゆみをおこしにくいオーストラリア産のメリノウールをつかったソックス。洗濯機でたくさん洗っても崩れない丈夫さと、締め付けが少なく快適な履き心地です。
登山用5本指ソックスはこんな人におすすめ
裸足で過ごすことがめったにない現代人。足の指をあまり使わなくなってから、足のトラブルは増え続けているといわれています。
その代表が、外反母趾や偏平足、巻き爪などのトラブル。これらの症状に悩んでいる人は、5本指ソックスがおすすめです。
外反母趾の人
足が変形してしまう外反母趾は、痛みをともない歩行が苦痛になってしまうことも。
まず、足に合った靴を選ぶことが大切ですが、じつは足の形に沿った5本指ソックスを履くことでも、予防や改善効果が期待できます。
扁平足の人
足裏のアーチが崩れることでおこる偏平足は、5本指ソックスで足指を動かしてあげることで、足の筋肉が鍛えられるため改善につながります。
足裏のアーチは心臓へ血液を戻すポンプの役目もしているので、アーチが鍛えられると血流がよくなり、むくみや冷えの改善効果も。
巻き爪の人
ハイヒールを履く女性に多い巻き爪ですが、じつはヒール靴と無縁な男性にも意外と多いもの。かかとに重心が乗り、足指がしっかりと接地しない「浮き指」が原因のひとつとされています。
5本指ソックスで圧力を足指の裏にしっかりとかけてあげることで、爪が正常に伸びるようになります。
スポーツや登山、お年寄りにも最適
足の指がそれぞれ自由に動き、地面をつかむ動きが得意な5本指ソックスは、身体のバランスを取りやすく踏ん張りがききます。
素早い切りかえしが連続するスポーツや、不安定な場所を歩く登山にも向いていますし、両方をあわせたようなトレイルランナーにも、5本指ソックスの愛用者が多いです。
また、バランスの取りやすい5本指ソックスは、お年寄りが安全に歩く手助けもしてくれます。足裏に痛みを感じたり、疲れやすいという人も、じつは足裏のアーチが原因かもしれません。
全体重を支えているアーチを健全な状態にたもつことが、足の健康にはとても重要なのです。
5本指ソックスは衛生的
1本1本の指が独立した5本指ソックスは健康的なだけでなく、衛生的で、機能的ともいえます。
足の裏はとても汗をかきやすい場所ですが、地面に接しているうえ、靴や靴下に覆われていて、汗が蒸散されにくい場所でもあります。
5本指ソックスは、足指の間の布が汗を吸収してくれるため清潔にたもちやすく、衛生的です。速乾性のある素材でできた5本指ソックスならその効果はなおさら。
水虫の原因となる「白癬菌」は、高温多湿の環境を好むので、足指の間をドライにたもち、指と指が密着しない5本指ソックスが水虫対策によいというのも納得ですね。
また、気になる足のにおいも軽減されます。
5本指ソックスで足裏から健康に!
足は第2の心臓ともいわれる部分。足まで送られてきた血液を心臓へ戻すポンプのはたらきを支えるのが足の筋肉です。
この足のポンプ機能を支える足裏のアーチですが、現代人はこのアーチが崩れがちだといいます。
そもそも歩く量が昔の人と比べて少なくなっているうえ、裸足で活動することもなく、足の指をしっかり使う機会が少なくなっているからです。
5本指ソックスは足指を自由に動かすことができ、人間本来の足の動きを助けてくれるから、足裏のアーチを発達させることができてとても健康的です。
また、本来の人間の足は、ただじっと直立しているときでも地面をつかむような動きをします。ところが実際に調べてみると、きちんと足の指が接地できている人は案外少ないといいます。
5本指ソックスは裸足のように自由に足指を動かすことで、全ての足の指を接地してバランスよく使うための助けになってくれる機能的なソックスなのです。
登山用5本指ソックスおすすめ4選
5本指ソックスにもいろいろな素材、長さや厚さがあります。インナーとして他のソックスと組み合わせて使用することもできますし、もちろん単品で使用することもできます。
ご自分の使用シーンや好みに合ったものを選んで、上手に活用してみてください。
COCOON CLUB 5本指ソックス CS-0 アウトラスト・極薄インナー
ごく薄い速乾・極薄のアンダー専用5本指ソックスです。足を常にサラサラにたもち、上に履くソックスのべたつきを防ぎます。
暑いときは余分な熱を吸収し、寒いときは蓄えていた熱を放出する温度調節素材アウトラストを使用しています。
COCOON CLUB 5本指ソックス CS-1N スーパーインナー
インナーソックスの定番モデルです。ふんわりやわらかい履き心地とサラリとした快適性を両立。長時間履いても快適にキープしてくれます。
COCOON CLUB 5本指ソックス CS-14 ミッドアンクル
あらゆるスポーツシーンから日常での使用など、幅広い用途に使えるオールラウンドタイプです。
特殊アクリル「ドラロン」を混紡した、吸水速乾性に優れソフトな風合いのオールシーズン素材「ドラロンコットン」を使用しています。
COCOON CLUB 5本指ソックス CS-19 ドラロン・マルチソックス
やや厚手でしっかりとした履き心地ですので、つま先やカカトに抜群のフィット感を体感できる1足です。
クッション性が欲しい方、厚めがお好みの方におすすめです。こちらも吸水速乾性に優れたドラロンコットンを使用しています。
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