雪遊び・スノーレジャーに必要な持ち物
スキー場や、雪遊びができる雪国では、気温はあたたかくても0度前後。
寒波が来襲していたり、標高1,000m前後と高地のスキー場だったりするときは、マイナス10度前後は覚悟しておきましょう。
基本的な子どもの装備や持ち物について解説します。
スノーウェア
まずは生命線となる、スノーウェア。
昨今は、5,000円前後から購入できる、リーズナブルなウェアが多数登場しています。
子どもは成長が早く、少し大きめを買っても、2〜3年で買い替えなければならないため、コストパフォーマンスの高さは嬉しいところ。
気温0度前後であれば、防寒性能も問題ありません。
ただし、マイナス10度以下の環境では心もとないですし、着心地、動きやすさ、耐水圧などの性能はそれなりでしかありません。
もう1つ、汗をかくと蒸れやすい欠点があります。
年齢が上がって、遊び方が活発になってきたり、スキー/スノーボードを本格的に楽しむようになってきたりしたら、機能性の高い、本格的なウェアが必要になってくるでしょう。
なお、サービスの整ったスキー場では、レンタルを利用する手があります。
標準以上のクオリティのウェアが用意されているケースが大半で、成長に伴って買い換える必要がなく、常にジャストサイズを着用できる利点があります。
利用回数が増えるほど割高になるのが、レンタルのデメリットです。
スノーブーツ
雪遊びをするには、雪上専用のブーツが必要です。
完全防水で、防寒材が使われていてあたたかいものを選びましょう。
なお、通常のレインブーツ(長靴)では、足先が冷たくなってしまって、数分と遊べません。
靴下を二重、三重に履いても、たいして変わりませんので、注意してください。
防水性能も重要です。
もし、ブーツの中まで濡れてしまえば、足が冷たくなってしまい、もうそれ以上、雪上に出ていることはむずかしいでしょう。
手袋(グローブ)
手袋は、防水性能が高く、厚みがあってあたたかいものを用意しましょう。
リーズナブルな価格帯の手袋は、防水処理が甘いケースが少なくありません。
もし、手袋が濡れて、中まで染みてしまうと、子どもは雪遊びやスノーレジャーをギブアップしてしまいます。
こうしたケースでは、予備も含めて2セットの手袋を用意しておく対策が有効です。
子ども用にしては高くついてしまいますが、防水・透湿性能が高いGORE-TEX(ゴアテックス)素材の手袋であれば、インナーまで濡れてしまう心配は、ほぼなくなります。
なお、年齢によっては、五本指の手袋が苦手で、着けるのに苦労して大泣きしたり、そもそも着用し続けていることができなかったりするケースがあります。
「ミトンタイプを選ぶ」「違和感のないサイズにする」など、子どもがストレスなく着けられる手袋を選んであげてください。
ゴーグル
雪が本降りのときは、風向きによっては、雪が顔に降り込んでくる形になります。
とくに、スキー/スノーボードで滑走するときは、スピードが出るので、目を開けていられないほどに感じるケースもあり、ゴーグルの着用が必要です。
また、雪上は真っ白で、光が乱反射して眩しく、強烈な紫外線の影響も受け、目を痛めやすい環境です。
強烈な日差しがあるときには、偏光・UVカット性能があるスノーレジャー用のゴーグルを着用することで、目を保護できます。
ニット帽(ヘルメット)
頭を露出したままにしていると、想像以上に体温を奪われます。
防寒のために、必ずあたたかいニット帽などを着用します。
アクティブに遊ぶようになってきたら、スノーレジャー用のヘルメットもおすすめです。
スキー/スノーボードでは、安全器具としてヘルメットが必須ですし、滑走せず雪遊びをするだけの場合でも、スキーヤー・スノーボーダーとの接触事故の保険にもなります。
ネックウォーマー
頭と並んで、意外に体温を奪われるのが、首周りです。
マイナス10度に迫るような寒さの中では、ネックウォーマーは、心強い防寒アイテムになります。
吸湿速乾素材の下着
雪遊び、スキー/スノーボードなど、活動量が多く、汗を多くかく状況では、冬場の定番である、発熱性能の高い下着は、原則として不向きです。
吸収した汗を蒸発させる性能が不十分であるため、蒸れやすく不快ですし、その後に、汗冷えもしやすいからです。
よって、下着は必ず、汗を吸って蒸散させてくれる、吸湿速乾性能が高いものを着用します。
ポリエステルなど化繊素材のものであれば問題ないですが、スポーツ用品メーカーやアウトドアメーカーが販売する機能性の高い下着がとくにおすすめです。
速乾下着では寒いのでは、と心配になるかもしれませんが、しっかりしたスノーウェアを着用していれば大丈夫です。
あとは、気温と、子どもの活動量によって、重ね着の枚数を調整してください。
着せすぎは、動きにくくストレスになるばかりか、汗をかきすぎる原因になるので、注意が必要です。
着替え(特に下着)
子どもは、大人の想定を越えた動き方、遊び方をします。
しっかりウェアを着用させていたつもりでも、袖口、襟口などから雪が入り、服が濡れてしまうケースがあります。
荷物になってはしまいますが、着替えは確実に持ち込みましょう。
また、幼児の場合、雪遊びに夢中になって、ギリギリ限界までトイレを我慢し、失敗してしまうケースが増えるので、下着類は特に多めに準備するのがおすすめです。
スキー場では、雪上からトイレまで距離があったり、雪上の移動・ウェアの脱ぎ着に時間がかかったりするためです。
トイレトレーニング中の場合は、ウェアを濡らしてしまうと大きなトラブルになりますので、おむつを着用させる選択肢もあります。
その他小物
雪上には、あまり多くの荷物を持っていけません。
大きなバッグ等はコインロッカーに預け、防水性のある小物入れ(身につけられるものが望ましい)に、最低限必要なグッズを詰めて持っていきましょう。
まずは、ハンカチ・ティッシュ・タオルほか、基本的なお出かけ用品。
雪上では、寒さや温度差から、子どもが鼻水を垂らすケースが増えるので、ティッシュは多めがおすすめです。
財布をまるごと持っていると、慣れない雪上で、紛失のリスクがあるため、小銭入れに必要なお金を入れて持ち歩く対策が有効です。
雪遊び道具
ソリや、雪玉メーカー、雪玉用スリングショットなど、さまざまな雪遊び道具が販売されています。
わざわざ購入するのはどうかという状況なら、ふだん公園で使っている、砂場遊びの道具を持ち込んでみてください。
雪上でも、砂場と同じように楽しめます。
またシンプルですが、スコップもおすすめです。
かまくらを作ったり、トンネルを掘ったり、大活躍します。
たくさんの遊び道具があっても、結局スコップが一番人気になるケースが多く見られます。
子どもの雪デビューの注意点と対応策
余裕を持ったスケジュールづくり
子どもが小さいうちは、何をするにも、ふだんの2倍〜3倍の時間がかかります。
雪上に出る前の身支度の段階から、手袋がうまく着けられないと癇癪を起こしたり、スキー靴がキツくて入らないと大泣きしたり。
いざ支度が終わって、目的地へ向かおうとすると、雪上をうまく歩けず「疲れた」「遠い」「もう嫌」と駄々をこねるケースもあります。
子どもにとって大変なのはもちろんのこと、これだけ何一つスムーズにいかないと、親にとってもストレスは大きく、ついつい声を荒げたり、叱ったりしてしまう状況に陥ってしまいます。
時間に追われていると、よりストレスを感じやすくなります。
「早く到着してあれもこれもやりたい」と焦らず、ゆったりしたスケジュールを心がけ、気持ちに余裕を持ちましょう。
子どもは気まぐれ。焦らない!
せっかく時間もお金もかけ、遠くまで子どもを連れてきたので、雪上でたくさんの経験をしてほしい、というのが親の願いですよね。
でも、天候が悪いと寒さから10分、15分でギブアップしたり、そもそも新しい環境への適応に時間がかかって雪上に出たがらなかったり、という事態もありえるのが、低年齢の子どもです。
こんなときに、無理をさせても、つまらない思い出になるだけ。
イライラをグッとこらえて、子どものペースで遊び、休憩できるようにしてあげてください。
ゲレンデ・キッズパークと休憩所が近く、移動しやすいスキー場を選べば、ストレスを軽減できます。
また、天候が大荒れだとそれだけでハードルが上がってしまうので、晴天率の高いスキー場を選ぶのも有効です。
泊りがけにするのもおすすめ
子どもが雪上で元気に遊べるように、なるべく疲れない工夫が大切です。
移動には時間を掛けないほうが望ましいため、スキー場を選ぶ際には、自宅からの所要時間に注意しましょう。
また、自身が若いころは、早朝に出発する「弾丸日帰りスノーレジャー」もできたかもしれませんが、子連れでは現実的ではありません。
疲れたり、寝不足になったりしてしまえば、機嫌が悪くなってしまうのは、どこの子どもも一緒です。
できれば、宿泊しながら、ゆったり雪遊びや、スキー/スノーボードができると、子どもも楽しみやすいでしょう。
ピークを外す意識を徹底
土日祝日にスキー場を利用する場合は、意識的にピークを外す工夫が必要です。
まず、朝は、リフトの営業開始頃を目標に、スキー/スノーボード客がどっと押し寄せるため、更衣室ほか室内施設は非常に混雑します。
リフト券売り場や、レンタル受付なども、行列だと考えたほうがいいでしょう。
子連れではとてもストレスになるので、10時過ぎなど少し遅めの到着にするか、近隣に宿泊するなら逆に、営業開始より少し早めを狙うなどの対策が有効です。
フードコートやレストランは、ランチの時間帯が混雑し、座る席を探すのも大変になるケースが多くなります。
食事は11時前後、または13時以降など、意識的にピーク時間をずらしましょう。
この記事を書いた人
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。