スポーツSDGsとは
スポーツSDGsとは、スポーツを通してよりよい社会を目指していくこと。具体的には、SDGs(持続可能な開発目標)でかかげている平和や開発への目標を達成するために、スポーツで貢献することです。
SDGsでは、社会問題や環境問題について17の目標があります。スポーツが各目標の達成の力になると、世界が注目。というのも、スポーツには多様性を認めあい、人を集めて影響を及ぼす力があるためです。
一般社団法人日本スポーツSDGs協会でも、「スポーツは元来、ジェンダーも国境も人種も言語も貧富も超え、人々が心ひとつにできる公器な存在」としています。年齢や性別を問わず愛されているスポーツなら、SDGsの概念を多くの人々とシェアできるでしょう。
SDGsの目標達成のためには、個人の小さな行動、ひとつひとつが大切です。SDGsの概念がスポーツを通してより多くの人々に広まり、個人の価値観や行動様式が変わることが期待されています。
出典:一般社団法人日本スポーツSDGs協会「SPORTS SDGsとは」
日本のスポーツSDGsの取り組み事例
日本でもスポーツのもつ力に着目し、スポーツSDGsが広まっています。政府の取り組み事例や、人気の野球、サッカーでの取り組み事例をご紹介しましょう。
スポーツ庁×SDGs
スポーツ庁では、スポーツのもつ集客力や影響力を使い、SDGsの目標達成を目指しています。5年おきにスポーツ基本計画と呼ばれる指針を策定。この計画をもとに日本のスポーツ施策を決定しています。
2022年4月開始の「第3期スポーツ基本計画」では、「すべての人が自発的にスポーツに取り組むことで自己実現を図り、スポーツの力で、前向きで活力ある社会と、絆の強い社会」をつくることが目標。以下の3つの視点を設定しています。
- スポーツを「つくる/はぐくむ」
- スポーツで「あつまり、ともに、つながる」
- スポーツに「誰もがアクセスできる」
多くの人々がますますスポーツを楽しめて、地域活性化に貢献できるような内容となっています。
出典:スポーツ庁「第3期スポーツ基本計画(概要)」
西武ライオンズ(野球)×SDGs
プロ野球チーム、西武ライオンズは「SAVE THE EARTH Lions GREEN UP!プロジェクト」という取り組みを実施しています。野球を通して、持続可能な社会を目指す環境支援活動です。
4つの柱とされているのが、「野球振興・こども支援・地域活性・環境支援」。よりすこやかな社会と、のびやかな未来を目指し、SDGsへの取り組みをすすめていますよ。
活動の種類は豊富。イベントでSDGsの普及活動をするほか、野球場のゴミの分別を細分化したり、回収した食品廃棄物を電気にリサイクルしたりと、ファンも一緒に貢献活動を行えるのが魅力です。
出典:L-FRIENDS「SAVE THE EARTH Lions GREEN UP!プロジェクト」
FC大阪(サッカー)×SDGs
サッカークラブ、FC大阪では「誰もが生き生きと暮らせる街づくり」をテーマに社会貢献活動を行っています。大阪府をはじめ、積極的に大学やパートナー企業と連携しながら、SDGsの目標達成を目指しているのが特徴です。
活動は多様で、たとえばSDGsの目標1「貧困問題をなくそう」では、FC大阪こども基金を設立しました。また、目標14「海の豊かさを守ろう」では、FC大阪の選手スタッフと参加者による海岸の清掃活動をするなど、チーム一丸となって貢献活動をつづけています。
出典:FC大阪「SDGsの取り組み」
スポーツメーカーの取り組み事例
各スポーツメーカーでもSDGsへの取り組みが増えています。スポーツメーカーのスポーツSDGsの取り組み事例をご紹介しますので、製品を買う際の参考にしてみてください。
ミズノ
ミズノの目標は「すべての人々の多様性を尊重し、いつでもどこでも誰もが自由にスポーツを楽しめる豊かな未来」。性別や年齢などを超えたあらゆる人が一緒に楽しめる、運動・製品・サービスを研究し、開発を行っています。
たとえば、ミズノでは身体への負荷を軽減する製品が豊富。ほかにも、福祉機器メーカーである今仙技術研究所と共同で、スポーツ用義足を開発するなど、スポ―ツを通して多様性の推進に積極的に貢献しています。
アディダス
持続可能な未来のために、プラスチックの排出量を減らす活動に取り組んでいるのが特徴です。プラスチックは製造工程で環境への負荷があるだけでなく、廃棄されたあとも自然に残り、環境汚染につながっています。
ポリエステルはプラスチックの1種ですが、アディダスでは、将来的にすべての製品をリサイクルしたポリエステルのみで製造するのが目標です。
また、廃棄されたプラスチックのなかでも、海洋プラスチックの問題は深刻。細かく分解されたプラスチックが海に流れ込み、環境汚染につながっているため、SDGsの課題のひとつにもなっています。
アディダス では海洋プラスチックを減らすためのランニングイベントを実施し、SDGsの目標達成に貢献。「走ることが未来を変える活動」とするイベントは、スポーツの力を大いに活用していますね。
ナイキ
ナイキの目標は、二酸化炭素と廃棄物の排出量をゼロにすること。「Move to Zero」という活動を行い、SDGsのなかでも気候変動の問題解決に重点を置いています。
活動の特徴は、さまざまな製品にリサイクル素材や低炭素素材を使用していることです。製品を生産するときから、二酸化炭素の排出量を抑えるよう意識しています。
たとえば、多彩なデザインで販売されているシューズでも、地球にやさしい工夫がされていますよ。ラバー部分に製造過程で発生したスクラップや、売れ残り製品、古いスニーカーを使用。また、糸をリサイクル素材にしたり、低炭素なコルクを使用したりとアイデアが豊富です。
手に取ったナイキ製品のどこにMove to Zeroが反映されているか、探してみてください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。