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登山などで美味しそうなきのこを見つけても、知識がない人は絶対に採取して食べるのはNG。
筆者は登山中に美味しそうなきのこを見つけてオムレツにして食べ、死にかけた苦い経験が。
きのこの知識が身につく「きのこアドバイザー」の資格について解説します。
 

「きのこアドバイザー」とは

今も昔も「きのこ狩り」は根強い人気がありますが、間違ったきのこに対する知識によって、毎年食中毒が発生しています。

中には死に至るケースもあるため、きのこ狩りをする際には、きのこに対する正しい知識が不可欠です。

きのこアドバイザー 資格

また、健康食品としてのきのこ類への関心も年々高まっており、さまざまな企業が新しいきのこの開発に注力して栽培し販売しています。今後ますます消費の拡大が期待されている分野です。

しかし、きのこ類への関心が高まる一方で、きのこ類がどういった環境で生育しているのか、また、毒きのこか食用きのこなのか、栄養分や薬効効果があるのかどうか、さまざまな疑問に対して、キチンとした解答が出せる人材が少ないというのが現状です。

このような状況に対処するため、きのこの専門家を育成する「きのこアドバイザー」制度が設けられました。

資格を設けた日本特用林産振興会は、一般の方々に対して、天然もの養殖ものを問わず、広くきのこ全般についての知識を広め、きのこへの関心をより一層高めていくことで、きのこ類の新たな消費拡大に結び付けて行きたいと考えています。

きのこアドバイザーとは、きのこ類に関心のある一般の人たちに対して、天然や栽培のきのこを問わず、健康面や食材としての利用方法を助言して指導する専門家のことです。

きのこアドバイザーになるためには、日本特用林産振興会内に設けられたきのこアドバイザー研修・登録委員会により研修生として選考され、養成研修を受講する必要があります。

きのこアドバイザーの養成・登録は、林野庁の助成によって実施されている制度で、これまで200名あまりのきのこアドバイザーを輩出しています。

こちらも合わせてご覧ください:日本特用林産振興会「きのこアドバイザー」

 

「きのこアドバイザー」になるにはどんな研修や検定がある?

きのこアドバイザー 資格

きのこアドバイザーになるまでの流れについて順を追って解説していきます。

  • きのこアドバイザーになりうる対象者(応募資格者)

きのこアドバイザーの研修生になれる方は、きのこについての一定の知識があり、きのこに関する所感を提出できる方に限ります。

  • 研修生としての募集

研修生に応募するには、きのこアドバイザー研修申込書と、推薦状、所感文を提出します。

  • 研修生として決定

きのこアドバイザー研修・登録委員会が、推薦状や所感文などの審査を行って、25名程度の研修生を決定します。

  • 研修の開始

きのこアドバイザーの研修は1週間程度のスケジュールで実施します。研修は、講義と実習(野外も含む)を中心とするカリキュラムです。

  • 研修の終了

1週間の研修を終えた研修生は、きのこアドバイザー登録申請書を提出します。

  • きのこアドバイザーへの登録

研修・登録委員会がきのこアドバイザー登録者名簿記載について諮問を行い、登録を決定します。

  • 登録者の発表

きのこアドバイザー登録証を交付します。

  • きのこアドバイザー登録者名簿を作成し、同名簿を林野庁、都道府県担当部局、国公立試験場等に送付します。

 

「きのこアドバイザー」の難易度は?

きのこアドバイザー 資格

きのこアドバイザーになるための難易度は決して低くありません。

「きのこアドバイザー」という響きから、なんとなく気軽に取得できそうですが、資格を取るためには、茨城県つくば市にある研修所に1週間泊まり込んで研修を受けなくてはなりません。

片手間で簡単に取得できる資格というわけではなさそうです。

研修のカリキュラムには

  • きのこの基礎
  • きのこの生理・生態
  • きのこの成分と食品・栄養機能
  • きのこと健康
  • きのこの遺伝・育種
  • きのこの採集
  • きのこの分類・同定
  • きのこの利用
  • きのこの栽培施設 きのこ博士館見学
  • きのこアドバイザーとしての心構え

などがあります。

 

「きのこアドバイザー」を取得したらどのような活躍の場がある?

きのこアドバイザー 資格

きのこアドバイザーの資格保持者は、さまざまなアウトドアの講習会でアドバイザーとして指導することができます。

また、自然観察会やキノコの観察会、山菜の観察会などでもアドバイザーとして指導することが可能です。

山岳ガイドやネイチャーガイドとして活動している人にとっても、きのこアドバイザーの資格は大いに役立つのではないでしょうか。

なによりも、毒きのこか食用きのこかの見分けがつくというだけでも、きのこアドバイザーの資格を持つ意味が充分にあると言えるでしょう。

 

「きのこアドバイザー」という資格について解説してきました。
気軽に取得できる資格と思いきや、1週間泊まり込んで研修を受けなくてはいけないなど、会社に勤めている人にとってはなかなかハードルの高い資格のようです。
資格を取得すれば、ハイキングや登山で美味しそうなきのこを見つけた際、即座に毒きのこか食用きのこかの見分けがつくようになります。その点が、この資格の一番大きなメリットかもしれませんね。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。