スキーに必要な装備や、万が一の事態に備えて命を守るギアが収納できるバックカントリー用バック。傷や汚れに強い素材で、タフに使えるのもひとつのポイントです。日帰りやツアー参加など、楽しみ方に合わせて最適なバックパックを見つけましょう。

バックカントリー用バックパックの特徴3つ

バックカントリー バックパック

バックカントリーシーンで使用するアイテムが収納できるスペースや、開口部が大きく開くなど、雪山の中という過酷な条件下を想定した仕様になっています。

次の3つの点について詳しくみていきましょう。

  1. 収納スペース
  2. チャックの工夫
  3. アバランチエアバッグ

収納スペース

バックカントリー バックパック

バックカントリー用バックパックには、専用ポケットが用意されています。

バックカントリースキーを安全に楽しむために、アバランチギア(雪崩で雪に埋まった人を捜索するために必ず持ち運ぶ重要装備)は必要不可欠。これらを出し入れしやすいように、バックカントリー用バックパックの多くは、背面部分が大きく開く仕様になっています。

雪山の中でもストレスなく開け閉めできるのはうれしいですね。

チャックの工夫

バックカントリー バックパック

チャックは、グローブをつけたままでも操作しやすいよう、ループ付き。バックカントリーシーンでは、ときには吹雪といった厳しい天候の中、バックパックのチャックの開閉をおこなうことがあります。

どんなに厳しい条件の中でも、すばやくチャックを開け閉めでき、ハイクや滑走準備ができるのは重要なポイントです。

アバランチエアバッグ

万が一、雪崩に遭遇してしまった際に、生存率を高めてくれる大切なアイテムです。簡単な操作で背中に収納されたエアバッグが瞬時に膨らみ、スキーヤーが雪に埋もれるのを防いでくれます。

雪崩事故で最も多い死亡要因は「窒息」です。膨らんだエアバッグが、体を雪の上に浮き上がらせてくれることで、生存率が大幅に上がります。

バックカントリー用バックパックを選ぶ3つのポイント

バックカントリー バックパック

自分がどのようなシーンで使用するのかを想定しながら選びましょう。シーンが決まれば、必要なアイテムと、それを入れるためのバックパックの大きさも決まります。

バックパックを選ぶときには、以下の3つのポイントに注目しましょう。

  1. 容量
  2. フィット感
  3. 背面の構造

それぞれ詳しく説明します。

ポイント①容量

ガイドツアーに参加する場合は、30L程度がおすすめ。これは、ガイドの方が必要な用具を準備しているケースが多いためです。

40Lは、単独で山に入る人や、それなりの経験値があり、さまざま装備を準備していく人が愛用しています。50Lは、宿泊を伴うような長い行程の場合に検討しましょう。

主に30L・40L・50Lといったサイズがありますが、必要な容量は、装備の量やツアー工程によって変わります。

「たくさん入れられるから」と大きめのサイズを選んでしまうと、荷物を含めた総重量が大きくなります。スキーヤー自身への負担も増えるので、やみくもに大容量のバックパックを選ぶのはやめましょう。

ポイント②フィット感

フィット感を決めるポイントは、背面の長さです。背負ったときに、首の下部から腰骨あたりにバックパックの背面がくるモデルを選びましょう。

背負って確かめる際は、重りを入れて実際に使用する重量に、より近づけます。バックパック全体がどのくらいの重さになるのかを確認し、背負うのに無理のないサイズを選びましょう。

バックカントリースキーでは、長時間バックパックを背負った状態で、スキーを滑り、山を登ります。そのため、自分の身長や骨格に合ったものを選ぶのがコツです。

同じ容量のバックパックでも、背骨部分の長さがSサイズからLサイズまで分かれているモデルもあるので、実際に背負って確認しましょう。

ポイント③背面の構造

背面に、硬いパネルやフレームが入っているモデルを選択しましょう。バックパックの重さが背中全体に分散され、背負っているスキーヤーの疲労軽減につながります。

そのほかに、ショルダーストラップやヒップベルトも重要です。とくに、ヒップベルトはクッション性が高いものがおすすめです。

長時間背負っていると、だんだんと疲れがたまり、背負っているバックパックが重く感じます。ショルダーストラップやヒップベルトをしっかりと締め、重さが肩に集中しないようにしましょう。

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この記事を書いた人

MORITAX

スキー専門誌にライター・編集者として在籍し、現場取材から選手スキー技術解説記事、ニューアイテム紹介まで幅広く担当。現在はライター・編集者として、スキーのみならずアウトドア関連の情報発信にも携わる。趣味はスキーヤーとキャンプで、スキー歴は30年以上。最近はカヌーでいろいろな湖に行くのが楽しみの一つ。