登山をしている時、予期せぬトラブルが起こり下山ができなくなることを遭難と言います。山岳遭難の危険は、どの山でも起こり得ます。安全な登山をするためには、適切な準備と心がけが必要です。万が一に備えて、遭難対策と緊急時の対応を学びましょう。

遭難しないための対策

登山 遭難

安全に登山するために大切なことは遭難しないことです。ここでは、遭難を防ぐ方法を説明します。

自分に合った登山計画と登山届の提出

自分の登山スキルや体力レベルに合わない山を選択し、コースタイムを無視した計画は遭難の危険性があります。

登る山の難易度は徐々にステップアップをすることが大切です。難しい鎖場や不安定な岩稜地帯がある山は、上級者と一緒に登るなど、安全を第一に挑戦してください。

また、都道府県ごとに山のグレーディング(難易度)が設定されている場合があります。登る山の名前が載っていないか、事前に調べてください。

行程が長い山の場合は、トレーニングを積み重ねて、体力をつけてから登りましょう。また、登山道にはコースタイムが設定されているので、それを元に計画してください。

登山計画を立てたら、登る前に登山届を提出しましょう。現在は登山ポスト以外に、ネットからも登山届を提出できる場合があります。

登山届が義務付けられている山域もあるので、忘れずに提出してください。

事前に気象条件を確認する

天候が原因で遭難することを、気象遭難と言います。悪天候に遭遇してしまうと、滑落など命の危険がある事故に繋がります。登る当日に雨が降らないか、台風が近づいているかなどをチェックしましょう。

また、夏の高山では午後半ばになると、雷雨の危険性が高まると言われています。天気が良さそうに見えても、山の天気は変わりやすいので注意が必要です。目的地へは早めの到着を心がけてください。

適切な装備を整える

遭難した方の中には、軽装で登山している方もいます。

  • 地図
  • 汗冷え、寒さ対策の防寒具
  • 怪我をした時のファーストエイドセット
  • 夕暮時のヘッドライト

これらはトラブルに遭遇した時に役立つ装備です。荷物が増えるのを嫌って、必須装備を置いていかないようにしましょう。

また、現在地をGPSで確認できるアプリをスマートフォンにインストールするのも効果的です。行動の軌跡を記録するアプリを使えば、道迷い時に正規ルートへ戻りやすくなります。

怪我に対する知識を学ぶ

怪我の対処を知らないまま山に登ると、負傷時に行動不能となる場合があります。例えば滑落してしまった時には、骨折や捻挫、出血の可能性があります。

そんな時のために、止血やテーピング方法を学んでいれば、怪我の状態を緩和させて、自力で下山できるでしょう。

自分や他の人が怪我した時にも対処できるように、最低限の医療知識を学んでおくことをおすすめします。

 

実際にあった遭難未遂事件

筆者の体験談ですが、晩秋の山登り中に落ち葉で登山道を見失い、道に迷ってしまったことがあります。

普通なら正規の道へ引き返すところを、なぜか慌てて山頂方向にあった急斜面を登ってしまいました。そして足を滑らせてしまい、命の危険がある高さから滑落しかけたことがあります。

もし、この時に登山靴のグリップが効いて止まっていなかったら、筆者はこの世にいません。

冷静さを失って前に進むことしか考えず、勝手に推測して無理に行動した結果、遭難を引き起こしかけました。

固定ページ: 1 2

この記事を書いた人

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。