マウンテンバイクにセミファットタイヤを履かせるメリット
マウンテンバイクは、26、27.5、29インチと、様々なサイズのタイヤを履く自転車です。
これはマウンテンバイクの主戦場であるオフロードで様々な状況を想定する必要があるからで、状況に応じたタイヤを選べるのはメリットになります。
最近では、タイヤ径のほかに、タイヤの太さにも注目が集まっています。
太いタイヤを履くことでグリップ力が上がり、ぬかるみなどの緩い道でも走行できるメリットがあるからです。
特に、タイヤが沈みやすい雪道においてセミファット化は有効なカスタマイズです。
また、マウンテンバイクではサスペンションを装備して衝撃を吸収しますが、エアボリュームの多いタイヤでは、タイヤ自体が衝撃を吸収できるというメリットもあります。
最近では27.5+など、セミファットタイヤを標準装備した自転車も多く登場し、マウンテンバイクにおいてひとつのムーブメントになっています。
マウンテンバイクでは、メンテナンス性の面からフレームとタイヤのクリアランスに余裕を持っている場合が多く、以下の条件を満たせばセミファット化することも可能です。
①ブレーキの種類を調べる
タイヤを太くすることで影響が出るコンポーネントが、ブレーキです。
マウンテンバイクには、主に2種類のブレーキが採用されています。
場合によっては取り付けできないものがあるので、必ずチェックしましょう。
Vブレーキ
かつてマウンテンバイクで主流のブレーキでしたが、最近は数を減らしています。
Vブレーキの場合、タイヤの上部から挟み込むような構造でリムを挟んでブレーキをかけます。
この構造でセミファットタイヤを取り付けると、リムより先にタイヤを挟み込んでしまう場合があります。
金属製のブレーキアームが触れるとタイヤが磨耗し、急ブレーキになってしまうため大変危険です。
Vブレーキでも、ブレーキアームが湾曲し、十分なクリアランスが確保できる場合は取り付け可能です。
ディスクブレーキ
マウンテンバイクやシクロクロスなど、オフロード系自転車において主流のブレーキです。
ホイールのハブ部分に取り付けたディスクを挟み込む構造で、悪路でタイヤが汚れても影響を受けにくい構造になっています。
ディスクブレーキの場合は、セミファット化してもブレーキに影響はなく、ホイールを流用できるなら再調整も必要ありません。
②フレーム・フォークが対応するタイヤ幅を調べる
セミファット化すると、フレームやフォークがタイヤ側面に触れて抵抗が出たり、ホイールを取り付けられない場合があります。
かつてはセミファット化の概念がなかったので、取り付けられないフレームがほとんどでしたが、最近ではシートステーのクリアランスにあらかじめ余裕のあるセミファットレディのフレームも増えています。
太いタイヤを履かせるとタイヤの外径も大きくなるので、今取り付けているタイヤの頭あたりの幅を調べましょう。
サスペンションフォークはハブのエンド幅から平行に伸びているので、たいていの場合はセミファット化に対応しています。
フレームのクリアランスが厳しい場合はインチダウンも
もしフレームのクリアランスが十分ではない場合、インチダウンで対処する方法もあります。
フレームはハブシャフトの取り付け位置からシートに向かって、つぼまるような形になっています。
このためホイールサイズを小さくすればクリアランスが広くなり、セミファットタイヤのクリアランスを確保できる場合があります。
この方法はブレーキの再調整も必要になり、場合によってはブレーキシューがリムまで届かなくなる場合もあるので、基本的にディスクブレーキのみで行える方法です。
③ホイールが対応するリム幅を調べる
最後に、実際にタイヤを取り付けるホイールがセミファットタイヤに対応しているかを調べましょう。
タイヤはリムにはめ込み、チューブレスはシーラントで糊付けして固定します。
リム幅がタイヤに対応していない場合は空気圧で十分に圧着できないので、タイヤが外れやすくなったり、走行中によれて安定性が落ちるため、必ず対応したリムに取り付ける必要があります。
セミファットタイヤの最低サイズである2.8インチ幅のタイヤでも、オフロードを走る想定だと最低でも40mmのリム幅が必要です。
もし使用しているホイールが対応していない場合は、交換もしくは組み直しが必要になります。
ホイールを組み直すことで好みのリム幅を選べますが、最近はホイールの低価格化も進み、工賃を考えるとホイールを買い直すほうが安くなることも多いです。
比較的硬い路面では細いタイヤの方が走りやすい場合もあるので、ホイールは2種類用意しておくのもおすすめです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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