そもそもウールとは?
ウールとは羊毛全般のことを言い、羊の種類によって品質が違います。
世界には約3000種類もの羊種がいるそうですが、私たちが日常的に製品として手にするウールは、「メリノ種」「コリデール種」「ロムニー種」の3種類です。
ロムニー種やコリデール種は主にカーペットや手芸用の毛糸などに使われ、衣類には繊維が細く肌触りが良い最高級の「メリノ種」が使われています。
よく耳にする「メリノウール」の「メリノ」とは、羊の種類のことなんです。
メリノウールの一大産地はオーストラリアで、ニュージーランド、フランスなどでも生産されています。
ウールのベースレイヤーはなぜいいの?
山系のメーカーがこぞって作るウールのベースレイヤー。
その理由は、メリノウールが持つ性質がアウトドアスポーツの状況に非常に適しているからです。
メリノウールのメリット
保温性が高い
モコモコの羊を見るとわかるように、ウールの繊維は縮れ(クリンプ)があり、空気を多く含んでいます。
その空気の層が冷たい空気遮断してくれるので、非常に温かいのです。
また、ウールは湿気を吸着すると「吸着熱」と呼ばれる熱を発生させます。
汗冷えしにくい
汗冷えの原因は、汗が急速に蒸発する際の気化熱によるもの。
ウールは化繊よりも汗をゆるやかに蒸発させ、さらに吸着熱による温かさがあるため山頂などでも汗冷えしにくいです。
通気性が良い
通気性が良く、吸水性に優れているので、秋冬だけでなく、実は夏のベースレイヤーとしても最適です。
汗をかいてもサラッとした着心地が続きます。
天然の抗菌・防臭効果がある
ウールは細菌に対する抗菌機能、また消臭機能に優れた繊維です。
縦走のような何日間も着続けるシチュエーションでも、快適さを保ってくれます。
火に強い
一般的な化繊は火に近づけるとすぐに溶けてしまいますが、ウールは燃えにくいので焚き火の近くにいても安心です。
メリノウールのデメリット
乾きにくい
化繊100%のベースレイヤーに比べれば乾きにくいです。
ゆるやかに乾くからこそ汗冷えしにくいとも言えます。
重い
化繊に比べると少し重くなります。
最近はウールと化繊を混紡し、軽量化されたものもあります。
毛玉ができる
ウールの繊維は縮れているため絡まりやすく、毛玉ができやすいです。
洗濯するときはネットに入れて優しく洗うなど、少し気を使ったほうがいいでしょう。
虫食い注意
ウールは虫食いにあいやすいので、衣替えのときは防虫対策をしておくといいです。
高い
メリノウールにもランクがありますが、基本的に高級素材のため一貫して値段は高い傾向があります。
このようにウールにはデメリットもありますが、それを凌駕する魅力があります。
また最近は、化繊とウールを混紡し、乾きにくさや重さ、耐久性をカバーするウール製品も多いようです。
ベースレイヤーは肌に直接着るものなので、「チクチクしないの?」と心配な方も多いと思いますが、その点も最近はかなり改善されていて、どのメーカーも非常に滑らかな着心地を実現しています。
ウール最大の利点である「高い保温性」と「汗冷えしにくい」という点は、登山、クライミング、スキー、スノーボードなど山のアクティビティはもちろん、水に濡れやすいカヤックやフィッシングなど水辺のアウトドアスポーツにも最適です。
また、寒い季節の日常使いにもおすすめ。
日常から極限の状況までこなしてくれるのは、ウールのベースレイヤーだけといえるでしょう。
おすすめのウールのベースレイヤー
スマートウール メリノ ベースレイヤーロングスリーブ
1年中、どんなアクティビティでも使えるスマートウールの万能ベースレイヤー。
ウール87%・ナイロン13%で耐久性もプラスされています。
パタゴニア キャプリーンエアフーディ
冬山におすすめの保温性が抜群に高いフード付きベースレイヤー。
ウール51%・リサイクルポリエステル49%で軽く、縫い目が無いので着心地も◎
モンベル スーパーメリノウールM.Wラウンドネックシャツ
スーパーメリノウール100%で5000円台というコスパは魅力。
M.W中厚手で保温性が高く、冬のアクティビティに最適です。
アイスブレーカー オアシスロングスリーブクルー
ニュージーランド産の高品質なメリノウール100%で、シーズン問わず活躍するモデル。
肌触りが良くチクチク感も全くありません。
ノルウェーのトップアスリートがプロデュースする北欧で大ヒット中のウールブランド「Ulvang ウルバン」のRAVセーター
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。