梅雨シーズンの登山における危険性とは?
梅雨シーズンの登山には、さまざまな危険性があります。ここでは、5つのリスクを紹介しますので、しっかりチェックしておきましょう。
雨による低体温症
雨で体が濡れたまま行動すると、低体温症につながるリスクがあります。軽度の症状では、体の震えが止まらなくなるのが特徴。さらに悪化すると、思考力・判断力が低下し、歩けなくなることもあるでしょう。
雨天時は、必ずレインウェアを着用し、雨から身を守ることが大切です。
スリップによる転倒
雨が降ったあとの地面は、とても滑りやすくなっています。とくに、登山道にある石や、木の根の上を歩くときは気をつけましょう。
転倒を防ぐには、歩幅を小さくし、慎重に一歩一歩を踏み出すのがコツ。下りでは、スリップして転倒しないよう、細心の注意をはらってくださいね。
視界不良による道迷い
雨により、視界がさえぎられることもあるでしょう。霧が発生して、周囲が見渡せなくなると、看板や分岐を見逃すかもしれません。登山道を間違えてルートから外れないよう、行動中は、こまめにルートの確認を心がけてください。
増水による川の氾濫
梅雨時期の登山では、川の増水にも注意が必要です。たとえば、川沿いのルートや川を横切る登山道では、増水により登山道が通れなくなることも。また、集中豪雨によって、鉄砲水が発生するリスクもあります。
大雨が想定されるときは、川沿いの登山ルートを避けるようにしましょう。
地盤の緩みによる登山道の崩落
雨が続くと地盤が緩み、土砂崩れが起こる場合があります。登山道が崩落して、通れなくなるかもしれません。とくに、斜面は崩れやすいため、歩く際には十分注意してくださいね。先に進むのが難しいときは、無理せず引き返しましょう。
雨の登山でおすすめの対策6つ
雨の日でも、対策をしっかりしておけば登山は可能です。おすすめの対策は、6つあります。
- 雨対策の装備をそろえる
- 歩行距離が短いコースを選ぶ
- レインウェアの収納位置を工夫する
- 行動中はこまめに天気予報をチェックする
- 登頂にこだわって無理をしない
- 休息・栄養補給を意識する
ひとつずつ紹介しますので、参考にしてくださいね。
①雨対策の装備をそろえる
雨の日は、なるべく体を濡らさないようにしてください。低体温症対策として、レインウェア・レインパンツ・防水の靴を着用しましょう。歩くと汗をかくため、ベースレイヤーは速乾性タイプが適していますよ。
また、体だけでなく、ザックの防水対策も欠かせません。ザックに入れた荷物が、雨で濡れてしまったら大変ですよね。ザックカバーをつけるか、防水のスタッフバッグを活用しましょう。
登山での雨対策をさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
雨の日の登山対策に必要な装備7選
②歩行距離が短いコースを選ぶ
雨の登山では、晴れの日よりも余分に体力を使います。何度も足を運んで勝手がわかっている山や、すぐに下山できる短いルートを選ぶのがポイント。雨天でも体に負担をかけず、登山を楽しめるでしょう。
どのくらいの距離なら無理なく歩けるのか、あらかじめ把握しておくのもおすすめですよ。
③レインウェアの収納位置を工夫する
レインウェアは、バックパックの上部にある雨蓋に収納します。または、前面にあるポケットなどでもOK!急に雨が降ってきたときに、すぐ取り出せる位置がベストです。サッと取り出して着用すれば、体が濡れるのを防げますよ。
④行動中はこまめに天気予報をチェックする
こまめに天気予報をチェックすることも大切。たとえば、以下のポイントに留意しておくとよいでしょう。
- 登山前の予報より天気が悪化していないか?
- 雨雲が現在地に移動してきていないか?
- 落雷の可能性はないか?
川の氾濫や、地盤の緩みによる登山道の崩落といったリスクを避ける手助けになります。
⑤登頂にこだわって無理をしない
山登りではピークを目指したいもの。しかし、雨の登山では、山頂に着くことにこだわらないのがコツといえます。天候が急変したり、体力が消耗したりした場合には、途中でもあきらめて帰る判断をしましょう。
⑥休息・栄養補給を意識する
雨に打たれて行動していると、休息をとるのを忘れがちになります。また、荷物を下ろすのが面倒で、補給不足になる可能性も。雨のときは、晴天時よりも休息をとったり、行動食を食べたりと、意識することを忘れないでください。
登山の中止を判断するポイント
梅雨シーズンは、事前の天気予報チェックが欠かせません。最後に、登山中止の判断をするポイントを紹介します。
大雨・強風の予報が出ている
当日に大雨が予想される場合や、強い風の予報が出ているときは、登山を中止しましょう。
気象庁によると、風速15m以上では、「風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。高所での作業はきわめて危険。」とされています。しかし、これは一般道路での目安です。山ではさらに強い風が吹くことがあるため、風速15m以下でも無理しないでくださいね。
雨の日が続いている
前日までに、断続的に雨が続いている場合も、気をつけなくてはいけません。なぜなら、降り続いた雨により地盤が緩み、土砂崩れが起きる可能性があるからです。このようなときは、当日に雨予報がなくても、登山を中止しましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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