雨が続く梅雨シーズンの登山では、想定外の事態が起こることがあります。登りたい山にあわせて、対応できる装備を用意しましょう。今回は、梅雨入り前後の登山における注意点を紹介します。雨用の装備や、登山へ行くべきか判断するポイントもありますよ。
梅雨入り前後の山の特徴とは?
梅雨入り前後の山は、夏を目前に控え、蒸し暑いイメージがあるかもしれません。しかし、標高が高いため、気温が低く、雪が残っていることもあります。
ここでは、梅雨入り前後の山の特徴をチェックしておきましょう。
標高2,500~3,000m前後の山
標高が高い山は、新緑と雪渓のコントラストが魅力的。ただし、エリアによっては、真夏でも雪が残っている場合があります。登山道での転倒・滑落を防ぐ対策として、ピッケルやアイゼンが必要となるでしょう。
標高2,000~2,500m未満の山
北海道・東北エリアの山では、5月〜6月ごろまで残雪があります。日が陰り、風が強く吹きはじめると、一気に体温が奪われてしまうことも。防寒着は、すぐに取り出しやすい場所に入れておきましょう。
積雪状況によっては、ほかのエリアの山でも、軽アイゼンやチェーンスパイクを用意してくださいね。
標高1,000m以下の山
標高1,000m以下の山は、比較的登りやすく、夏山シーズンの到来といえます。残雪の可能性は少ないですが、平地より気温が低いため、防寒対策が欠かせません。日帰りや半日ほどの登山でも、暖かい上着を持参しましょう。
梅雨シーズンの登山に潜むリスク
梅雨シーズンの登山は、天候が崩れやすいのが特徴です。予想もしていなかった事態に遭遇するかもしれません。
たとえば、雨に濡れて体温が奪われ、低体温症になるリスクも。低体温症を防ぐには、防水性の高いレインウェアを備えておくことが大切です。ほかにも温かい飲み物や、エネルギー補給用の行動食も欠かせません。
雨や濃霧で視界が悪くなると、転倒・滑落の危険性が高くなるでしょう。登山道の標識を見落として、ルートを外れないよう注意してくださいね。また、降り続く雨により、土砂崩れ・鉄砲水・河川の氾濫といった、自然災害が引き起こされる場合もあります。
梅雨時期に登山へ行くときは、リスクがあることを理解し、対応できる装備を用意しておきましょう。
梅雨シーズンにおける登山の危険性については、こちらの記事も参考にしてくださいね。
梅雨シーズンの登山は危険?雨の山で知っておきたいリスクと対策
登山へ行くべきか判断するポイント
梅雨時期の登山へ行くべきか、迷ったときの判断ポイントを紹介します。2つの判断基準をしっかりおさえて、雨登山の参考にしてくださいね。
雨の日が続いていないか確認する
登山の予定が決まったら、出発日前から数日間の天候をチェックしておきましょう。
雨が降り続いている場合は、とくに要注意。大量の雨水を含んで地盤がゆるくなり、土砂崩れや水害の危険性が高まっているかもしれません。
登山の出発日が晴れているときでも、たくさん雨が降ったあとは、中止にする判断が必要です。
山頂の気象情報をチェックする
登山を計画している方は、山頂付近の気象情報を確認しましょう。訪れる地域の天気予報ではなく、山の天候をチェックするのがポイントです。なぜなら、周辺の市街地と山頂には標高差があり、天候や気温が異なるからです。
山の気象予報サイト・登山アプリ・現地のライブカメラなどを活用するのがおすすめですよ。
登山アプリについては、こちらの記事も参考にしてくださいね。
登山アプリのおすすめを目的別に紹介!編集部のおすすめ10選
梅雨入り前後の登山に必要な装備
登山でのリスクを減らすには、装備を整えておくことが大切。ここでは、「雨の山」と「残雪期の山」の2つに分けて、必要な装備を紹介します。
雨の山で必要な装備
雨の登山では、以下のようなアイテムをそろえて登りましょう。それぞれの役割についても、あわせてチェックしてみてくださいね。
アイテム名 | おもな役割 |
レインウェア・レインパンツ |
(防水性・透湿性に優れた素材を選ぶ) |
グローブ(防水性) |
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トレッキングポール |
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登山靴 |
(雨天時は滑りにくいソールを選ぶ) |
ゲイター |
(ぬかるんだ道で使用) |
ザックカバー |
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ヘッドライト |
(悪天候による視界不良時に使用) |
ツエルト |
(下山できないときに緊急テントとして使用) |
食料と水分 |
(万が一に備えて日帰りでも多めに準備) |
残雪期の山で必要な装備
残雪がある山では、前述したアイテムだけでなく、次のような装備もプラスしましょう。なるべく、使い慣れたアイテムを持参してくださいね。
アイテム名 | おもな役割 |
アイゼン |
(傾斜や残雪が多い山で使用) |
チェーンスパイク |
(積雪が少なく踏み跡がある山で使用) |
ピッケル |
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防寒着 |
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サングラス |
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梅雨時期の山は、訪れるエリアや標高によって、天候が異なります。気象情報をチェックしたり、ライブカメラ映像を見たりと、事前の確認を忘れないでくださいね。また、長雨のあとは、土砂災害や水害のリスクが高まることも覚えておきましょう。無理せず、登山を中止する判断も大切です。この記事を参考に、服装・装備・食料をしっかりと準備してください。梅雨入り前後の注意点をおさえて、雨でも登山を楽しみましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。