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先日行った蔵王山での雪山登山でホワイトアウトになり、怖い体験をしました。雪山では、ちょっとした判断ミスや装備不足が遭難や事故につながります。まだまだ高山では雪山シーズンが続くので、どんな現象だったのかやリスク回避について、実体験をとおして紹介します。

ホワイトアウトってどんな現象?

ホワイトアウト体験記

ホワイトアウトとは雪や霧などによって、視界が真っ白になる気象現象です。

原因

・積もった雪が暴風により舞い上がる地吹雪

・大量の雪が降る大雪

・濃い霧

筆者が体験したときは急に降ってきた大量の雪に加え、暴風により雪が舞い上がったためホワイトアウトになりました。

実際に体験したホワイトアウトの恐怖

ホワイトアウト体験記

2月の蔵王山で実際にホワイトアウトしたとき、当日の天気は曇り予報で、山頂付近の気温はマイナス13度でした。

蔵王山はスノーモンスターを鑑賞する観光客で賑わい、ロープウェイの乗り場では青空も見えていました。しかし、ロープウェイを降りるころには雪が降り、風も強めに吹く悪天候に急変

引き返している人もいましたが、トレースがしっかりあり視界もまだ見えるくらいの降雪だったので、行けるところまで行こうと出発しました。しかし、途中で吹雪いてしまいホワイトアウトに

ここから恐怖体験の始まりです。

視界が真っ白になり見えなくなる

ホワイトアウト体験記

雪と風が強くなると、すぐ前を歩いていた同行者の姿がだんだんと見えにくくなり、あたりは一瞬にして真っ白になりました。周囲にあるスノーモンスターの姿は一面の白さと一体化してしまい、形の識別が難しく目印にならなくなりました。

方向感覚がわからなくなる

白さで奥行きや目印になるものが見えないため、自分がどこにいるのかがわからなくなります。真っ白の中にいると距離感がつかめず、どれだけ歩いているのかもわからない感覚になるのも怖かったですね。

トレースがなくなり帰り道もわからなくなる

夏山とは違い登山道がない雪山登山では、自分が歩いてきたトレースが帰りの道しるべになります。撤退を決めたときには帰りのトレースが雪と風でなくなっており、地図アプリを頼りに戻るしかありませんでした。

しかも、アプリで示す方向に向かっているはずが、チェックするとずれていて全然まっすぐに歩けていないんですよね。来た道どおりではなかったのですが、方向は合っていたのでそのまま進みました。

寒さでスマホが動かなくなる

地図を見なければ方向がまったくわからず、スマホの地図アプリを細かくチェックしていましたが寒さで動かなくなることも。これはかなり焦りましたが、あらかじめスマホの冷え対策として持っていたカイロをフリース素材のケースに貼り、体温で温めながら使用できたのでよかったです。

慎重に登山アプリを確認した甲斐もあり、入山した場所とは全然違う場所からでしたが、ロープウェイ乗り場に戻れたときには安堵しました。

遭難しないための事前対策

ホワイトアウト体験記

今回のホワイトアウトを体験して「こうしておけばよかった」と思ったことがありました。

晴れている日を選んで登る

雪山登山では晴れ予報でも突然悪天候になる場合がありますが、やはり晴れている日に登ることをおすすめします。どうしてもスノーモンスターが見たくて、曇りだから大丈夫と登ってしまいましたが、油断は禁物だなと改めて痛感しました。

無雪期に登ってコースを把握する

雪山のコースは夏山とは違うコースを登ることも多いので、無雪期に登っておくと地形や道迷いしそうなポイントがよりわかります。今回はすべて登山地図アプリ頼りになってしまい、夏山を登っておけばよかったかなと反省しました。

登山用のGPSを持つ

ホワイトアウトした場合に、登山用のGPSがあればいいなと思いました。極寒の中ではスマホが低温化し、起動しなくなることがあります。実際に今回も何度かありました。

また、今回は雪と風が強かったため、紙の地図とコンパスを使って確認することが難しかったです。往復2時間程度の山行ですが、急な天候に備えて装備しておけばよかったなと思いました。

万が一のために!持っておきたいアイテム

ホワイトアウト体験記

ホワイトアウトは遭難事故につながるので、万が一に備えてあると便利なアイテムを紹介します。

高精度なGPSで迷わない!GARMIN(ガーミン) GPSMAP 67 

視界が悪くなったりトレースが消えたりしてしまうと、頼りになるのはGPSだけです。寒さに弱いスマホで何度も自分の居場所を確認するのは難しいので、GPS専用機を装備することをおすすめします。

「GPSMAP 67」なら高精度なGPSによるナビゲーション・トラッキングが行えるので、道迷いを防止します。詳細地形図・衛星画像・ロングバッテリー・防水性・耐衝撃性に優れ、1台あれば緊急時にも対応できます。

GARMIN(ガーミン) GPSMAP 67 高精度GPS内蔵ハンディナビゲーション 登山用GPSナビ Android/iOS対応【日本正規品】
GARMIN(ガーミン) GPSMAP 67 高精度GPS内蔵ハンディナビゲーション 登山用GPSナビ Android/iOS対応【日本正規品】

地図読みを身につけて使いそこなそう!Tmwinners(ティーエム・ウィナー)コンパス 

強風の中で地図やコンパスを使うのは大変ですが、やはり持っておきたいアイテムのひとつです。地図にポイントとなる地点を定めておくホワイトアウトナビゲーションとコンパスがあれば、GPSがなかった場合でも進む道を把握できます。

Tmwinnersのコンパスは方位磁石が−30℃〜−60℃に対応しているため、極寒の雪山でも使用可能です。ルーペも付いているので、地図をはっきり確認できますよ。

【Tmwinners】コンパス 方位磁石 方位磁針 (耐温度:-30~60℃)
【Tmwinners】コンパス 方位磁石 方位磁針 (耐温度:-30~60℃)

雪山での必需品!Black Diamond(ブラックダイヤモンド) トランスファーショベル

スノーショベルは雪のテント場の整地や雪崩に巻き込まれた遭難者を掘り起こすためだけではなく、ホワイトアウトで動けなくなったときにも役立ちます。急遽ビバーグしなくてはならない状況下では、風よけになるスノーブロックや雪洞を作ってしのげます

ブラックダイヤモンドのトランスファーは、国際山岳連盟企画UIAA基準をクリアした世界基準のショベルです。取り外し式の2段階収縮シャフトは、グリップが握りやすく使いやすいでしょう。

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) トランスファーショベル
Black Diamond(ブラックダイヤモンド) トランスファーショベル

緊急時の強い味方!finetrack(ファイントラック) ツェルト1 

雪山のビバーグで必要になるのがツェルトです。バックパックに忍ばせておけば不測の自体に適応できます。

ファイントラックのツェルトは230gと軽量でコンパクトさが魅力です。2人で横になれるサイズ感で、座れば3〜4人で待機可能。十分な耐水圧と透湿性で緊急時には頼りになるアイテムです。

ファイントラック(finetrack) FAG0122 ツエルト1 
ファイントラック(finetrack) ツェルト1 
蔵王でホワイトアウトした体験談と対策を紹介しました。晴れている雪山はルートを探すのも簡単で、危険を感じることはほとんどないでしょう。しかし、山の天気は変わりやすく、いつ悪天候になりホワイトアウトするかわかりません。今回紹介しアイテムがあれば、もしものときに対応できるので、しっかり装備してほしいですね。自分は大丈夫と思わず、十分な準備と装備で、美しい雪山で出かけましょう。

yuki

ライター

yuki

幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。