ヴィーガンといえば、最初にイメージするのは、動物由来の食べ物を口にしない特徴的な食生活かもしれません。しかし、ヴィーガンは「食」だけに止まらず、コスメ(化粧品)の分野にも広がっており、世界中に様々なブランドが展開されています。今回は、そんなヴィーガンコスメについて紹介していきます。

ヴィーガンコスメってどんなもの?

ヴィーガンコスメとは、動物由来の成分を使用せず、動物実験を行わずに製品化されたコスメを指します。混同されやすいものとして、「クルエルティフリーコスメ」というものもありますが、こちらは動物実験を行わないコスメを意味しており、それぞれ別のものという認識です。

ヴィーガンコスメもクルエルティフリーコスメも、それぞれに基準があり製品によっては両方の基準を満たすものもあれば、片方だけの基準を満たすものもあるため、製品を選ぶ時には確認が必要です。

ヴィーガン認証マークとは

ヴィーガン製品には、第三者機関による審査をクリアすることでつく認証マークが存在します。近年のヴィーガン需要の高まりによって、このヴィーガン認証を発行する機関も世界各国で増加傾向にあります。

認証機関によって審査基準が違うこともあるため、使用したい製品がどこの機関の認証を受けているかを知っていれば、どのような基準をクリアしているかを知ることができます。

認証機関と認証マークについては、ヴィーガン専門サイトなどで詳しく紹介されていますので、より詳しく認証基準などを知りたい方は、事前に調べるとよいでしょう。

日本と海外のヴィーガンコスメ事情

日本でも流行したコスメ文化を発信する韓国では、2018年頃からヴィーガンコスメがトレンドになり、多くのブランドも誕生しました。中には世界で最も歴史があり、認知度が高いといわれているイギリスのヴィーガン認証協会「The Vegan Society」の認証を受けたブランドもあります。

また、サステナビリティが広く浸透している欧州でも、各国にヴィーガンコスメが多数誕生し、ヴィーガンコスメというジャンルが定着しつつあります。イギリスやフランスはもちろん、筆者の好きな北欧にも、豊かな自然から生まれた歴史あるヴィーガンコスメブランドがあります。

欧州では、先述の「The Vegan Society」が1944年と早期に設立されていることもあり、現在では一般的なドラッグストアでも簡単に手に入ります。欧州最大手のコスメ専門通販サイト「LOOKFANTASTIC」では 常時4,000点余りのヴィーガンコスメが販売されているのです。

北米の場合は、すでに10年以上前からヴィーガンコスメは注目されており、男性ユーザーの使用も増えていると言われています。

一方、日本のヴィーガンコスメは、2020年頃から注目され始めました。国産ブランドも少しずつ増えてきていますが、まだ一般的に浸透しているとはいえないかもしれません。しかし、国産ブランドならではの高品質で安心できるヴィーガンコスメブランドが誕生してきています。

参照元:
VEGAN’S LIFE

ヴィーガンコスメのおすすめブランド

近年は環境問題や動物愛護への社会的な関心が高まっていることから、さまざまなヴィーガンコスメブランドが次々と誕生しています。パッケージやボトル、ケースなども環境に優しいリサイクル可能なものが使われていることがほとんどで、使うだけで環境にも貢献できます。

植物由来の成分によってつくられていることから、芳香や優しい使い心地が特徴ですが、化学合成成分などが使われていることもあるので、肌との相性もあります。数多くあるブランドから自分に合ったものを見つけていきましょう。

海外ブランド

BEIGIC
「BEIGIC(ベージック)」はコスメ大国である韓国から発売されている韓国初のヴィーガンコスメブランド。コーヒー豆由来のグリーンコーヒービーンオイルを中心とした、植物由来成分で作られています。

DYP COSMETHIC
「DYP COSMETHIC(ディーワイピー コスメティック)」はフランス発のヴィーガンコスメで、オーガニックフラワーの有効成分を中心とする原料を使用したコスメ製品を展開しています。中身とケースを別々に買うリフィルシステムや、出来る限りケースに竹や木を使うなど、環境意識の高いブランドです。

Frantsila
「Frantsila(フランシラ)」はフィンランドの老舗スキンケアブランド。世界一環境汚染の少ない国といわれるフィンランドの、清浄な空気ときれいな水で育つハーブをベースに作られています。300年受け継がれてきた国から保護地区に指定されているハーブ園の植物を使用。ハーブ園の領主はハーブ学者であり、植物療法にも長けたブランドです。

国産ブランド

SHIRO
「SHIRO(シロ)」は、アロエや酒かす、がごめ昆布など自然素材由来の成分から作られたスキンケア製品やフレグランスのブランド。2020年にはパッケージレスも開始しており、捨てられるような規格外の素材なども使用して、幅広く環境対策に取り組んでいます。

RUHAKU
「RUHAKU(ルハク)」は、沖縄の伝統ハーブ「月桃」や、そのほか他沖縄の植物由来成分を使用して作られたコスメを扱うブランド。全商品が世界規模のオーガニック認証「エコサート認証」を取得しており、動物由来成分を一切使用していません。

コスメという商品の特性上、どうしても「流行」というものに左右されることが多い傾向にありますが、肌に優しいヴィーガンコスメは長く安心して使えるものが多くあります。流行りに惑わされずに自分に合ったブランドや商品を長く使うことも、環境や肌の両方に良い影響を与えてくれるでしょう。気になるブランドがあればぜひ試してみてください。

ライター

Konkori(コンコリ)

旅行業界や外資系企業で働き、現在はフリーランスのライターとして活動。北欧などの自然の多い国に魅せられ、数多く渡航経験もあり。

北欧のサステナブルなライフスタイルやサステナブル・ツーリズム、ヴィーガンを含む食文化などが得意分野。