U.L.弁当(@ul_bento)って知っていますか?軽量なうえに、栄養価が高いものを手軽においしく食べられる夢のようなお弁当なんです。今回は開発者の@yuka.sit.mameさんに、U.L.弁当の魅力や経緯など、お話を伺います。アウトドアで食事難民になっている人は必見ですよ。

即日完売で1ヶ月待ち!U.L.弁当

U.L.弁当 登山

-自己紹介をお願いいたします
山を100倍楽しむためにU.L.弁当の製造販売と、山でご飯を作ってみんなでわいわい食べる『ゆかの山飯』という活動をしております、ゆかです。

-『U.L.弁当』を知らない人のために、特徴や魅力を教えてください。
U.L.弁当は、簡単な調理だけで手軽に食べられるドライフードです。

登山やキャンプなどのアウトドアではもちろんのこと、トレイルランや山岳レースなどの競技用の行動食としても愛用されているので、トレイルフードとも呼ばれています。

大きな特徴は主に以下の5つです。

5つの特徴

①鍋と火があれば5分で作れる手軽さ
②ドライフードで1食100g前後という超軽量
③最大621キロカロリーの高い栄養価を実現
④豊富なバリエーションと納得のおいしさ
⑤自家製を含めた埼玉県坂戸市産野菜を使用

-アクティビティをする人にとっては画期的なお弁当ですよね。私は登山をするんですが、この商品を知ってすぐに「取り入れたい」と思い購入したほどです。アルファ米などは15分ほど待たなくてはいけないのに、5分とは驚異的な早さです。

そうですね。山の上でも簡単にご飯を食べられることを最優先に考えているので、手軽に作れるような工夫をしています。お湯や水だけでおいしく食べられる商品も用意しているので、ズボラな方の家庭用としても手軽にお使いただけます。

また、登山する人にとって荷物の軽量化は死活問題なので、本商品はドライフードを使うことで軽量化を実現しました。

-とくに縦走となると食事の重量がかさむので、U.L.弁当はお助けアイテムになりそうです
さらに、登山は非常に多くのカロリーを消費します。安全に登山するためにはエネルギー不足で“シャリバテ”にならないような対策が必要です。

本商品『U.L.弁当』では、山で効率よくエネルギー補給をしてもらうために、1袋最大621カロリーという高い栄養価を実現しました。長い距離を走るウルトラマラソンなどの過酷なレースに挑戦する方にも喜ばれています。

U.L.弁当 登山

なすと完熟トマトとバジルのショートパスタ

-栄養が抜群なうえ、種類の多さにもびっくりしました
私自身「同じ料理を食べ続けるより、さまざまな味を楽しみたい!」ということで、U.L.弁当シリーズでは豊富なバリエーションをご用意しています。

現在、全19種類と季節限定12種の商品があります。コラボ商品や監修商品も多数手掛けさせていただきました。

-実際に山で食べてみましたが味はもちろんのこと、野菜の触感などもしっかりとしていておいしかったです

ありがとうございます。U.L.弁当はできるかぎり手作りにこだわりたいので、使っている材料の一部は私自身が畑で心を込めて作った自家製野菜です。自ら栽培した食材をよりおいしくしてお届けできればと思っています。

人との縁から生まれたトレイルフード

U.L.弁当 登山

なすと完熟トマトとバジルのスープパスタ

-立ち上げの経緯を教えていただけますか?
最初は、山でご飯を作るイベントを企画するところからはじめました。登山仲間を集めて食材費だけをカンパしてもらい、山飯を振る舞うようなものです。

回を重ねるにつれ、イベントに参加してくださった方から「家でもこれが食べたい」「絶対仕事にしたほうがいい」というような声をいただいて。

その言葉をきっかけに、持ち運びが軽いドライフードを活用してレシピを伝えるようになっていったんです。

-その時点でUL弁当の構想はあったのでしょうか?
UL弁当の企画にいたったのは、サハラ砂漠マラソンに挑戦した『日本人選手の尾藤朋美さんとの合同登山イベント』を開催したのがきっかけです。そのときに、尾藤さんから「この料理、サハラ砂漠マラソンでの食事にしたい」とオファーがありました。

-サハラ砂漠でマラソンなんて過酷そうですね
そうなんです。北アフリカ・モロッコ南部にある灼熱のサハラ砂漠を、衣食住すべての荷物を背負いながら7日間で約250kmを走破するという世界で最も過酷なマラソンなんです。

それで、荷物を最大限に軽量化するため、食事も軽量化されつつ手軽にエネルギーを摂取する必要がありました。

このサハラ砂漠マラソンのために開発したのが、商品として企画する前のUL弁当だったんです。

クラウドファンディングアワード2023大賞受賞

U.L.弁当

ブルーベリーグラノーラ

-商品化するにあたってクラウドファンディング(以下クラファン)をやってみようと思ったのはなぜですか?

正式に商品化する前に宣伝が必要だと思ったからです。どんな素晴らしい商品でも、誰も知らないのでは手に取ってもらうこともできないので、先行販売を兼ねてクラファンサイト利用者へ周知を試みました。

-クラファンで大賞を取られたとのこと、おめでとうございます。反響は大きかったようですが、商品化するにあたり、開発メニューの基準やアイデアはどのようにされたのでしょう?

商品作りはすべて1人で行い、基本的に自分が山で食べたいものや好きなものを商品化しています。

ベースの味を作ったら、そこへ少しずつ具材や味を加減していくような形です。もちろん試食も1人です。おかげで全種類を商品化するための半年間で25kg太りました。(笑)

25kgとは熱量を感じますね。商品を作る上で大切にしていることはなんでしょうか?
すべての作業を、自分が責任をもって行うことです。新作計画・野菜の栽培・原材料仕入れ・製造・販売・SNS・発送業務など、0から10まで自分でやります

それなので大量生産はできないし、発送までお待たせしてしまう事態が発生しているのですが、想いを込めて一つひとつご飯を作ることが私のやりたかったことなので。

あとは、商品を販売する上で「おいしいですよ」という言葉をなるべく使わないようにしています。味は好みの問題だと思っていて。

いろんな味覚の人がいるなかで、私がおいしいと思ったものを万人がおいしいと思うはずはないので、「買ってくださった方のお口に合いますように」という願いを込めて販売しています。お口に合えばそれはもうほっとしますし、感謝でしかないです。

U.L.弁当

イベント限定たっぷり海鮮カレー

私の口には合いました!おいしかったです。登山で野菜不足が気になっていたので、野菜の多さもよかったですね。

ありがとうございます。具だくさん!とゆうのも大切にしています。栄養価の面でも味の面でも絶対に譲れないポイントです。「具が多すぎる」というクレームをいただいたこともあります(笑)

-そういったお客様の声などから改善したことなどがあれば教えてください。

トレイルランナーさんやハイカーさんのご意見で、グラノーラは2袋にわける、鍋調理の商品だったものをお湯を入れるタイプの商品に変更するなどの改善がありました。いただけるお声はポジティブなものもそうでないものも、すべてがうれしいですね。

今いただいているご意見に「袋に湯量の線がほしい」というのが1番多いのですが、こちらはコストの問題をクリアできればチャレンジしていきたいと思っています。

みんなに笑顔と栄養を届ける!山飯シェフ

U.L.弁当

-今後の展望ややりたいことなどはあれば教えてください

ずっと今と変わらないと思います。これからも自分が食べたいご飯を作ります。それを必要としてくださる方がいるがぎり、お届けできたらと思います。

作りたい商品やアイデアが日々止まらないので、新商品をたくさん作りたいです。経営などには昔から全く興味がなく、生涯プレイヤーであり山飯シェフでいたいです。

-登山中、UL弁当を知っている方にお会いして、「高尾山での山飯会に参加してみたい!」という声が上がっていたのですが、どうすれば参加できますか?

高尾の山飯会は5年前から私が主催で月に3〜4回やっています。とくに公に参加募集をかけることはほとんどなく、行きたい!やりたい!」といってくださった方や、フォロワーさんでDMをくださった方を中心に行われています

-私もぜひ参加してみたいです!

企業コラボやイベントコラボなどは、モシコムなどで募集がかかる場合もあります。紹介が紹介を呼び、これまで250名以上の方にご参加いただいています。人数が集まれば中部や関西でもやっていますよ。

軽量で栄養満点の『U.L.弁当』を開発した、ゆかさんにお話を伺いました。登山や競技をする人たちのために心を込めて、野菜の生産から包装まで、すべて1人でされているのには感銘を受けました。商品への想いやこだわりに、なにか熱いものを感じます。人との繋がりをきっかけに始まったU.L.弁当は、たくさんの方たちから応援されて形になり、今度も縁を通じてどんどん広がっていくでしょう。

ライター

yuki

幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。