水温が21℃を下回ったらインナーで防寒対策を!
水温が低くなる冬の海をウエットスーツで潜る際は、防寒対策になるインナー選びがとても大切。
たとえば、温暖なイメージのある沖縄でも冬の時期(1~3月)は水温がぐっと下がって21~22℃くらいになり、外気温が20℃前後になると風が吹くとかなり寒く感じます。
一般的な5mmワンピースタイプのウエットスーツだけでは、数分もしないうちに体の芯から冷えて体がガタガタと震えてしまうかもしれません。
水温の感じ方は保温スーツのタイプや生地の厚さの違いによってかなり差がありますが、水温が21℃を下回ったら防寒のためにインナーを上手に活用することが重要になってくるでしょう。
ハイポサーミア(低体温症)に気をつけよう
体の芯が冷えてガタガタと震えるのはハイポサーミア(低体温症)と呼ばれる現象で、体温の調整メカニズムがコントロールに失敗したことを意味しています。
ハイポサーミアが進行すると、ダイバーの皮膚に血液が再び戻ってくるので一時的に気分が良くなり、これまで止めようのなかった震えと血管収縮が止まります。
ところが、これが非常に危険な状態なのです。体温はすでにコントロールできないスピードで失われ続けており、体の深層部の体温は急速に下がっているのに、ダイバーはもはや寒さを感じなくなってしまっているのです。
この状態になるとメンタルも低下し眠気が襲ってきます。さらに体をコントロールできなくなり意識損失から昏睡、最悪の場合は命が危険な状態に陥ります。
もし、ダイビング中に震えがきたら直ちに水からあがり、すぐに暖をとることが何よりも大切です。
水温が低い時に役立つウエットスーツのインナー
水温が21℃以下になったらインナーを上手に活用し、快適なダイビング続けられるようにしましょう。
もっとも一般的な5mmワンピースのウエットスーツの中に着られる、おすすめの防寒インナーをご紹介します。
保温性の高い裏起毛ラッシュガード
夏のダイビングでラッシュガードをウエットスーツのインナーに着用している人も多いはずです。しかし、水温が下がってくるとラッシュガードだけでは寒くなってきますね。
そんな時におすすめしたいのが保温性を高めた裏起毛タイプのラッシュガードです。
起毛素材を採用しているのでラッシュガード着用時のヒヤッとした感じがなく、速乾性にも優れているので、濡れた時の体に張り付くような不快感を軽減します。
軽くて抜群の保温性のあるSCSインナー
SCSインナーは、通常のウエットスーツの5倍以上の伸縮性を持つ1mm厚のイノスパンジャージに、スムーススキン加工を施したインナーです。肌への密着度が高くなるため水の侵入が少なく、熱の伝導・放射を防ぐため抜群の保温効果を発揮します。
ダイビングはもちろんサーフィンやSUPなど、さまざまなマリンスポーツでも使えます。トップスとパンツを合わせて使用するのがおすすめです。
体温の損失を防ぐフード
ダイバーの体温の75%は頭部から損失することが分かっています。そのためフードを被るだけで体温の損失を軽減させることができます。
フードには2mm、3mm、 5mmの厚さのものがあり、首までの長さのタイプと巾広の裾がついたデザインのものがあります。5mmのウエットスーツに合わせるなら、3mm厚で巾広の裾がついた胸当て付きのフードがおすすめです。
もっともポピュラーなフードベスト
ウエットスーツのインナーとしてもっともポピュラーなものが、フードと袖なしベストが一体になったフードベストです。
フードと同様には2mm、3mm、5mmの厚さのものがあり、カブリタイプのものや、サイドベルクロやファスナー付いたデザインのものあります。
5mmウエットスーツの中に着るなら、3mm厚のフードベストで着やすさを考えたデザインのものがおすすめです。
手足の保温にグローブ&ブーツ
21℃以下の水中では防寒対策のために手足の保温も必要になってきます。手の保温にはポリエステル製のスリーシーズングローブでも大丈夫ですが、手が冷たく感じるときはウエットスーツと同じ生地のグローブを選ぶようにしましょう。
また、ブーツはスリッポンタイプのショートブーツよりも、足首が露出しない高さのある5mm厚のブーツがおすすめです。保温性の高い起毛素材を採用したブーツもあります。
必ず使用するフィンに合わせてブーツのソール形状を選びましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。