20年近く国内外の海を潜り続けてきた筆者が、愛してやまない与論島。沖縄本島から北に約22km、鹿児島最南端に位置するこの小さな島は、ダイバーにとって宝石のような存在です。圧倒的な透明度と、息を呑むほど美しいビーチ。水中では、毎回異なる表情を見せてくれます。主要都市の空港からの直行便はなく、沖縄ほどの観光客も多くないため、超穴場。ダイバーにとって楽園と言える与論島の魅力をお伝えします。
与論島ダイビングの魅力
圧倒的な透明度を誇る与論島。その美しさは飛行機から見下ろしただけでため息がでてしまうほどです。そして海の中は、その期待を遥かに上回る絶景が広がります。
世界有数の圧倒的な透明度
与論島の透明度は平均で20〜30程度と抜群によく、コンディションによっては40mを超えることも。まさに空中を飛んでいるような感覚を味わえます。約20年潜り続けてきた経験から、与論島の透明度の平均値は世界レベルと断言できます。
ボートで5分!?船酔い知らず
絶景スポットを目指す場合、1時間以上ボートに乗るのはダイバーにとって常識ですが、与論島のスポットは長くとも15分程度。スポットによっては5分以内でエントリー場所へ到着します。
与論島のダイビングスポットのシンボルとも言える「沈船あまみ」までは移動時間3分、写真映えスポットとして人気の「水中宮殿」までは5分と、絶景に対してあまりにも短い移動時間。ダイバーにとっては希少で幸運な場所です。
ワイドもマクロも網羅
上述したように与論島といえば「沈船」「水中宮殿」など、地形スポットとして有名ですが、小さな生物が好きなマクロ派と言われるダイバーもひっきりなしに訪れます。
例えば、水中宮殿は周りに立っている数本の柱にびっしりとサンゴが生息し、水中生物の住処になっています。与論のブルーホールといわれる「宇勝アーチ」にはヘルフリッチやハタタテハゼの姿も。
また、宮古島のようなダイナミックな洞窟ポイントも点在しており、海況や時期、ガイドによって通り道が変わるため、何度行っても飽きることはありません。
おすすめダイビングショップ
ダイビングはダイビングショップ選びも重要です。複数ある与論島のダイビングショップを厳選して紹介します。
プリシアダイビングハウス
リゾートホテル「プリシアリゾートヨロン」に併設する「プリシアダイビングハウス」。ゆったりとしたログづけスペースや休憩場所があり、ダイビングハウスの前にはプリシアリゾートのプライベートビーチが広がる最高のロケーションです。
器材干し場も完備されており、プリシアリゾートに宿泊していれば、ダイビング後歩いて部屋へ戻り、すぐにシャワーが浴びれるという申し分のない環境が整っています。
よいよいダイビング
与論の海に魅せられ移住したオーナーが営む「よいよいダイビング」。屋号である“よいよい(ゆっくり・のんびり)”の通り、少人数制でのんびりとしたダイビングに特化しています。与論島ガイド歴10年以上のスタッフが、明るく元気に与論島の思い出作りをサポートしてくれます。
TAMA DIVING
与論島出身のインストラクターと船長が案内する「TAMA DIVING(タマダイビング)」。安全第一に体験ダイビングから中上級者限定のファンダイビングまで幅広いダイビングスタイルを持っています。一人参加でも必ずスタッフがバディを組むという徹底ぶりで、陸・海どちらも安心してダイビングガ楽しめます。
アクセス情報
与論島へのアクセスは飛行機とフェリー、2つの選択肢があります。
<飛行機の場合>※発地点
鹿児島 | 1時間40分(1日1便) |
奄美 | 40分(1日1便) |
沖縄 | 40分(1日2便) |
<フェリーの場合>
鹿児島 | 20時間 |
奄美 | 8時間 |
沖縄 | 2時間〜2時間半 |
時短を重視する人は飛行機、旅費を抑えたい人はフェリーがおすすめです。
おすすめのホテル・宿泊施設
与論島はリゾートホテルからコテージ、一棟貸し、民宿まで幅広い宿泊施設が点在しています。ダイビング旅行でおすすめの宿泊施設を紹介します。
プリシアリゾートヨロン
与論島の宿泊といえば、まずここが挙げられます。2023年にリニューアルされ、快適さはさらにランクアップ。ダイビングハウスに近いコテージに宿泊すれば、ダイビング後数歩で自分の部屋に入りくつろげる最高な環境。ダイビングハウスで濡れた器材を乾かしながら、同じエリアで身支度ができることも、ダイバーにとってうれしいサービスです。
MEEDAFU’S YUI HOSTEL and COFFEE
2018年にオープンした新しいゲストハウス。茶花という与論島の繁華街に位置していて、ダイビングショップからの送迎もしやすい場所です。繁華街のため、飲食店やスーパーもあり、併設されているカフェで島唯一のモーニングを堪能することもできます。
MEEDAFU’S YUI HOSTEL and COFFEE サイト
汐見荘
「島に来た」という実感を味わいたい人には、この汐見荘がおすすめです。荷物の多いマリンスポーツ観光客へのサービスがとても自然体で、どこか田舎の近所のおじちゃんおばちゃんの家を思い浮かぶような安らぎがあります。料理もこだわりがあり、宿泊客が多い場合は広間で「与論献奉」の大宴会がはじまることも。
ダイビング以外のおすすめ観光
与論島でしか味わえない陸の観光地も複数あります。アフターダイブにぜひ役立ててください。
ヨロン駅
鉄道は通っていないのにある「ヨロン駅」。路線は「天の川銀河鉄道本線」、隣駅を示す場所は左が“おきなわ”、右が“かごしま”と壮大なスケールです。電車はなく約5mのレールと大きな車輪が横たわっていて、初めて訪れた時は戸惑いますが、草に囲まれた場所から見渡せる、与論ブルーの海で感動は最高潮に。夜に見渡せる満天の星空は一生忘れられない絶景です。
百合が浜
大金久海岸の沖合約1.5km、4〜10月の大潮・干潮時にのみ現れる幻の砂浜です。真っ白な砂浜とエメラルドグリーンの海のコントラストは、まさに楽園そのもの。マスク、スノーケル、フィンの持参をおすすめします。貴重品は持って行かない方が良いですが、浜でジェットスキーやバナナボートのサービスをしているので、楽しみたい人は小銭があると便利です。
島内一周
与論島の周囲は23.7kmと小さく、40分あれば車で一周できます。どこまでも続く真っ白な砂浜と鮮やかな与論ブルーの海は、ドライブだけでも感動の体験に。ガイド付きの貸切バスの運行やレンタルサイクル・バイクなどもあります。ちなみに島の信号機は1機のみ。交通標識も少ないため、島の子どもたちや高齢者ドライバーには十分注意してください。
もずくそば・もずく雑炊
与論島に来たら必ず食べてほしい、もずくそば・もずく雑炊。特にもずく雑炊は絶品で、筆者のダイバー仲間は、中洲(福岡の飲屋街)で店を出そうと店主を口説いたほどです。「青い珊瑚礁」という定食屋のもずくそばがおいしく、与論空港の向いにあるため、最終日はそこでそばを食べて飛行機に乗る流れがおすすめです。
ライター
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マリンスポーツのジャンルを得意としたwebライター。海遊びの楽しみ方やコツを初心者にも伝わるよう日々執筆活動中。スキューバダイビング歴約20年、マリンスポーツ専門量販店にて約13年勤務。海とお酒と九州を愛する博多女です。