スイスでは四季を通して楽しめるハイキングコースが豊富です。特に澄んだ空気の中を歩く冬のハイキングは格別。白銀の美しさに心が奪われます。そこで今回は、スイス在住の特におすすめするスイスでのハイキングルートと、併せて楽しめる温泉施設をご紹介します。

「スイスで冬のハイキングが魅力的」な理由

冬のスイスでハイキング

私はスイス北部、チューリッヒに住んで約10年になりますが、日が短くなる冬は、どうしても気持ちが沈みがちになるもの。でもそんな時こそ、白銀の世界へ出かけることが、心身の健康を保つ秘訣です。

スイスには「スポーツ休暇」と呼ばれる2週間の休みがあり、地域によって名前や時期は異なりますが、2月はウィンタースポーツやハイキングを楽しんでいます。これはスイス文化の一環ともいえます。

広大で静かな白銀の世界はまるで絵画のようで、自然の吐息を感じることができ、心が穏やかになります。

ハイキングと合わせて、温泉に入りゆっくりと過ごせる施設が点在しているのも、スイスのいいところです。温かい湯で体を包み込むことで、筋肉の疲れも和らぎ、心身ともにリラックス効果も向上しますよね。なので疲労回復、健康のためにハイキングとセットで温泉に入るのが冬の楽しみでもあるんです。

ハイキング後のお楽しみは温泉!日本と何が違う?

冬のスイスでハイキング

スイスの温泉も日本同様、リラクゼーションの場として人気があります。しかし、スイスの場合は療養施設としての役割が強く、日本の温泉とは少し異なる体験ができます。私がスイスの温泉施設を利用して感じた主な違いは以下の3つです。

・入浴は一般的に水着
体は洗わない「温水プール」スタイル
・サウナは男女混合がある

スイスの温泉施設では水着を着用するのが一般的で、ほとんどの施設が男女混合です。また、日本では入浴前に掛け湯をして体を洗ってから入浴する人が多いですが、スイスの場合は簡単にシャワーするのみ!厳格なルールはありません。

サウナも注意が必要です。多くの場所は、男女混合のサウナがあるので、うっかり入ってしまうと、男女共有のサウナだったなんてこともあります。利用する際は確認してみてくださいね。

スイスでハイキング&温泉といったらここ!おすすめルート3選

冬のスイスでハイキング

冬のスイスでおすすめのハイキングコースはたくさんありますが、ここではスイスらしい冬の絶景と温泉、両方楽しめる代表的なコースを3カ所ご紹介します。ウィンタースポーツ、山岳リゾートなど、目的に合わせた旅行プランの参考にしてみてはいかがでしょうか?

ウィンタースポーツ好き必見!「ゲンミパス~ロイカーバード・テルメ」

冬のスイスでハイキング
ロイカーバードは、スイスのヴァレー州に位置する人気のリゾート地です。冬はクロスカントリーやハイキングが盛んな場所で、ウィンタースポーツと温泉施設をセットで楽しむ人が多く訪れます。

特におすすめなのは「ゲンミパス」。かつては東西を結ぶ重要な交通ルートとして利用されていた峠は、今では美しい景色を楽しむ人気のハイキングルートとなっています。

標高2,350mのゲンミパスまではロープウェイを利用し、帰りは約1時間ほどかけて下山します。下山途中には、モンブランやマッターホルンなどの名峰も遠望することができ、絶景が広がります。

ロイカーバード周辺には宿泊施設も充実しているので、日帰りに限らず温泉でアクティビティでの疲れを癒して過ごすことができますよ。

おすすめの温泉施設は「ロイカーバード・テルメ(Leukerbad Therme)」。山に囲まれた景観を眺めながら入る温泉は、まるで日本の露天風呂のようで、リラックス効果も抜群です。

参考:ゲンミパスのハイキングルート

ハイカーも圧倒される大自然!「バート・ラガーツ~タミーナ・テルメ」

冬のスイスでハイキング
バート・ラガーツは、スイス東部のザンクト・ガレン州にある温泉リゾート地です。その近くにある観光名所、タミーナ渓谷は冬になると滝が凍りつくこともあり、夏とは違った景色が楽しめます。

おすすめのハイキングルートは、バード・ラガーツの街からタミーナ渓谷まで行く往復13kmのコースです。3〜4時間程のハイキングが楽しめます。

タミーナ渓谷は、傾斜が急な崖に囲まれた深い谷で、冬季は雪に覆われた神秘的な景観が広がります。訪れるハイカーはその自然の雄大さに圧倒されてしまいますよ。また、近くにはリーズナブルな宿泊施設が集まっていて、気軽に温泉とハイキングを楽しみたい人にも最適です。

この地域でおすすめの温泉施設は、「タミーナ・テルメ(Tamina Therme)」。長い歴史を持ち、白を基調にした建物で高級感があります。近くに湧き出ている源泉はミネラル豊富で、温泉好きにもぴったりなスポットです。

参考:
Switzerland Mobility
タミーナ渓谷のハイキングルート

アルプスの真珠と呼ばれる山岳リゾート「サース・フェー~アクア・アラリン・サースフェー」

スイスと温泉ハイキング

サースフェーは、スイス南部・ヴァレー州に位置する美しい山岳リゾートで、スノーボードのメッカとしても有名な場所です。

周囲を高峰に囲まれている街は「アルプスの真珠」と呼ばれるくらい素敵な自然環境になっています。特に、マッターホルンやドムなどの有名な山々が近くにあるので、見える景色は圧巻!美しい風景を眺めながら、ハイキングが楽しめます。

おすすめのハイキングコースは、サース・フェーの街からゴンドラを利用してハンニングまで行くプランです。行きはゴンドラでのんびりと景色を楽しみ、帰りはハイキングしながら白銀の世界を歩いてみましょう。

また、この地域でおすすめのスパといえば「アクア・アラリン・サースフェー(Aqua Allalin Saas – Fee)」。日本の湯船を意識して作られた木製のジェットバスがあり、心身ともにリラックスできますよ。

参考:サース・フェーのハイキングルート

冬は運動不足になりがちですが、夏とは違う澄んだ空気の中を歩くのは、最高に気持ちがいいものです。特にロイカーバードの温泉施設は露天風呂が最高で、冷たい外気と温かい温泉で私もよく疲れた体をリフレッシュしに行っています。ハイキング後の温泉の気持ちよさは、日本でもスイスでも変わらないかもしれません。ぜひ皆さんもスイスのハイキングをプランに入れてみてくださいね。

ライター

アルパガウス 真樹

スイス在住の40代主婦。息子とスイスの自然を楽しみながら、さまざまなアクティビティに挑戦。夏は森の中でのBBQやハイキング。海のないスイスでは、湖水浴が定番なので、夏季は湖沿いで過ごしたりSUPを楽しんだりしています。現地からスイスの自然との触れ合いをお届けします。