スキー用ワックスの役割とは?
スキー用のワックスには、どんな役割があるかを、説明しましょう。
滑走性を高める
買ったばかりのスキー板には、保護剤がしっかりとついています。そのため、板を雪の上に置くとスーッとひとりでに滑るほど。
しかし、シーズンが終わったころのスキー板は、それほど滑らなくなっているのではないでしょうか?それは、たくさん滑ったことで、ワックスが剥げてしまうためです。
また日本の雪は、どちらかというと水分が多く、いわゆる重たい雪のことが多く、ワックスを塗っていないとスキー板に雪がくっついて滑走性が悪くなります。
スキー板にワックスをかけると、板自体が滑りやすくなります。スキーは雪の上を滑る板をコントロールするスポーツですから、板が滑りやすいほうがいいわけです。
シーズンが終わったあと、ワックスがけをするのが1番よいのですが、忘れてしまったりすることも多いですよね。そんなときは、シーズン前にワックスすれば大丈夫です。
操作性もアップする
ワックスは、塗ると操作性がよくなります。操作性というのは、スキーを自分の思う方向に自由に動かせるということです。
もちろん技術的なものもありますが、使いっぱなしでほとんどメンテナンスもしていないような板だと、滑走面の傷みが原因で雪に引っかかってうまく滑ることができなかったり、バランスを崩したりしやすくなります。そうならないようにするのが、ワックスの役目です。
スキー板を長持ちさせることができる
スキー板にワックスをきちんと塗るということは、板を長持ちさせるということにもつながります。スキー板は、どんな斜面でも滑り抜けるわけですから、頑丈というイメージがあるかもしれません。
板自体は硬い氷などの上でも壊れたりしないような丈夫さがありますが、板の滑走面はデリケート。そのため、プロになると、滑る前と滑った後の両方にワックスを塗るのが普通だといいます。
そのように手入れをすることで、スキーの持ち味を最大限にひき出し、そしてサビなどを防いで、長持ちさせることができるわけです。
スキー板 ワックスの種類
ワックスには大きくわけるとホットワックスと簡易ワックスの2種類があります。ワックスには気温、時期、場所などの条件で変わる雪質によってさまざまな種類・用途のものがあり、通常はベースワックスとの組み合わせで使い分けています。
いろいろと揃えるのは大変なので、少なくともスタンダードなホットタイプ1つと、スプレーなど手軽に使えるものの2つを揃えておくといいでしょう。
お家でのメンテナンスとしてホットワックスで、はじめは汎用性の高いタイプのものを使い、慣れてきたら低温用や湿雪用などを使い分けるようにして、スキー場で滑りにくさを感じたときにはスプレーなどの簡易タイプのワックスを使うといつでも快適に滑走できますよ。
アイロンをつかったホットタイプ(ホットワックス)
ホットワックスは、アイロンの高温で溶かしたワックスを塗りこんでいくタイプで、比較的効果が長く持続します。ただ、ワクシングペーパー、スクレーパー、ブラシといった道具を用意しなくてはいけませんし、時間もかかるので面倒というデメリットも。
スプレーやリキッドなど簡易タイプ
簡易タイプは、アイロンがいらないため、手軽にワックスが塗れ、短時間で終了するので便利。しかし、ホットワックスに比べると持続性にかけるので、板のメンテナンスという意味では効果が薄いようです。
スキー板へのホットワックスの塗りかた
塗りかたにはいろいろな方法がありますが、基本的な方法です。参考にしてみてください。
スキー板の準備
使用後のスキー板の雪や氷などは落とし、ワックス作業までに乾かしておきます。ビンディングのブレーキ部分が邪魔になるのでブレーキホルダーで上げておきましょう。
段ボールや古雑誌などを活用して作業台にすることもできますが、専用の作業台(ワックススタンド)があると作業がとても捗りますよ。
滑走面の汚れを落とす
まずはブロンズブラシで汚れをしっかりと落とします。トップからテール方向への一方方向にむけてブラシをかけます。
クリーナーを滑走面に伸ばします。少し待って汚れなどが浮き上がってきたら、さらに拭きます。またブラシをかけて、その後はあらめのファイバーテックスでしっかりと拭いていきます。
ワックスを塗る
ホットワックス用のワックスをアイロンで溶かし、板にまんべんなく落としていきます。全体的にできたら、今度はワクシングペーパーにたらし、その上にアイロンをのせて、ゆっくりと板に伸ばしていきます。
このときアイロンが熱すぎると滑走面がダメージを受けてしまうので、規定の温度を守って、アイロンは直接滑走面に触らないように注意しましょう。1回だけでは板まで浸透しないので、最低でも3回ほど繰り返し塗りが必要です。
ワックスを剥がす
30分ほどおいて、板が冷えたら、スクレーパーをつかって剥がしていきます。トップからテールに向け、表面を削り取ります。
数回繰り返し、剥がれなくなったら、ナイロンブラシをつかって細かいカスを取り除き、磨きます。
最後にまたファイバーテックスをつかって、表面を整えたら終わりです。コツは、いつも同じ方向に塗ったり、剥がすということ。たとえば、塗りにムラができたとしても、そこだけ塗るのではなく全体的に塗ってから調整していきましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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