10年前よりもスキーで疲れやすくなってきたアラフィフスキーヤーの私が、ヨガを3年間続けたことで、驚くほどの変化を感じました。体幹が強くなったせいか、コブを滑るのが上手に。疲れにくくなり、夕方までゲレンデを満喫できます。これからもずっとスキーを楽しみたい人へ、ストイックにならなくてよいヨガとの付き合い方を提案します。
私がヨガを始めた理由

長くスキーを続けてきて、以前より疲れやすさを感じることが増えていました。コブ斜面を滑走できるくらいの脚力は保てていたものの、夕方にはへとへとで、踏ん張りが効かずに下山するための連絡コースで転倒する始末でした。
10年前はコブで疲れたらキッカー※へ、がルーティーンだったのですが、今では集中力が続かず、キッカーの踏切を全然合わせられず。集中力を保てないというのも、結局は体力不足が原因だと認識しています。
※キッカー・・・雪で人工的につくられたジャンプ台
スキーから戻った日常では、腰の張りや足のだるさなど、筋肉痛とは少し違う感覚があり、マッサージや整体の世話になることもありましたが、根本の解決にはなっていませんでした。
そんなとき、オンラインヨガの体験レッスンを受ける機会がありました。「ちょっとお試し」の軽い気持ちで受講したあと、すぐに正式に入会を決意したのでした。
というのも、ただ呼吸をして、伸ばして、ねじるだけなのに、明らかに体が軽い!続けていけば、スキーにもよい影響があるかもしれないと期待せずにはいられません。それから、ヨガを習慣化しました。
1日に3時間することもあれば、まったくできない日も。それでもとにかく続けよう!と約3年。今では自分の体が以前とは違っていることを実感しています。もちろん、スキーにもメリットがありました!
3年間のヨガで気づいた体の変化

ヨガのほかに、オフトレ&運動不足解消のために、トレッドミル(ルームランナー)で日常的にジョギングを続けています。すっきりして気持ちのよいものですが、有酸素運動では得られない感覚がヨガにはあります。とくにスキーにおいて重要な変化を感じたポイントは2つです。
軸を意識できるようになった
ヨガでポーズをとっているときは、「骨盤の向き」「背骨の伸び」「重心の位置」を意識します。背骨を一本の軸として捉えることで、腕だけ、足だけ、と部分的な筋肉に頼りがちだった身体の動きを、全身で捉えられるようになりました。
インナーマッスルの感覚が目覚めた
ヨガの呼吸に合わせたゆっくりした動きのおかげで、インナーマッスルのはたらきを感じられるようになりました。よくインストラクターに「お腹で支える意識で」といわれましたが、本当にこれが大事で、腰や背中に負担をかけない、ケガ予防にもつながる意識だと思います。
ヨガがスキーにもたらした4つの効果

ヨガを始めてから、以前より疲れにくくなったうえに、スキーのコントロールもスムーズになったように感じます。「ヨガはスキーに効く!」と強く感じたポイントは次の4点です。
ポジションが安定した
スキーでは、板を適切にコントロールするために、きちんと板を「踏む」意識が大切です。「ポジションがすべて」といわれるほどですが、ヨガで育てた体幹のおかげで、この「ポジション」が安定するようになりました。
板のスピードに上半身が遅れる後傾の滑りや、上体のブレで起こるガチャガチャ感が軽減。急なコブ斜面でも、走ろうとする板に遅れずに素直に上体を預けられるようになり、ライン取りの自由度が増えました。
ターンの切り替えがスムーズになった
股関節まわりの動きがなめらかになったのか、ターン時の外足への荷重がスムーズに移せるように感じています。
多くのスキーヤーに「こちら側のターンが苦手」という方向が左右どちらかあると思いますが、筆者は右足に乗るのが苦手です。でも右足への荷重も、流れるようにつながる感覚が出てきました。
リカバリがしやすくなった
体幹を意識できるようになったこと、そしてバランス感覚がアップしたことで、リカバリが以前よりもしやすくなりました。とくに春先の重い雪に足をとられたときに感じます。
「あっ」と思ってから体勢が崩れるまでの時間がバランス力UPでほんの少し長くなったことで、「無理せずに転んでしまった方がいいかも」のジャッジもしやすくなった感があります。これはケガ予防にもつながると思います。
疲れにくくなった
体全体での動作を意識できるようになったことで、部分的な筋肉の力みが減り、疲労感が軽減されました。とくに疲れが溜まりやすい大腿部への負担が減ったように感じています。
まったく疲れない、というわけではないものの、夕方ごろの疲れからくる集中力不足も少なくなりました。
有酸素運動によって心肺機能が向上すると持久力が高まり、結果として疲れを感じにくくなりますが、ヨガでは体の使い方が変わることで、別のアプローチから疲れにくさにつながるのではないかと思います。
スキーに「効く」ヨガポーズ
ヨガのレッスンでは、数多くのポーズを経験してきました。そのなかから、筆者がスキーヤー目線でとくに恩恵を感じているポーズを紹介します。
チェアポーズ

スキーの基本姿勢に近いチェアポーズは、名前の通り「空気椅子」状態でキープするもので、下半身強化や体幹の安定に効果があるように感じます。人によって意識する部分は違うものの、スキーに重要な「腹筋を入れる」感覚をつかみやすいのではないでしょうか?
筆者は腰椎すべり症の診断を受けているため、腰に負担をかけないようにみぞおちを強く意識するようにしています。腰痛にお悩みの人におすすめのポーズです。
ウォーリア2(戦士のポーズ2)

多くのヨガレッスンで必ずといっていいほど行われる基本ポーズのひとつです。簡単そうにみえますが、骨盤の向き・股関節の柔軟性・脚の左右バランスなど、意識すべきポイントは多く、スキーにも共通しています。
どっしりとした土台を下半身でキープしたまま、上半身をしなやかに動かすことでさまざまなアレンジポーズを行える、奥の深いポーズです。
立木のポーズ
片足立ちで体全体を1本の木のようにキープするには、体幹を強く意識することになります。また、軸足でしっかりとバランスを保つための、足裏で地面をつかむような感覚が、スキーブーツの中の足指の感覚と似ています。
足裏の細かな感覚で板のコントロールが自由になるだけでなく、バランス感覚がよくなることで片足がとられてしまったときのリカバリ能力もアップしますよ。
【アレンジ】ツイスト(ねじり)

さまざまなポーズに、アレンジとしてツイストの動きを入れるのがスキーヤーにおすすめです。スキーの「正対動作」、体全体を動かしながらも上半身と下半身を別々にコントロールする感覚が育ち、滑りがなめらかになると思います!
100歳まで滑りたい!をヨガが叶える?

スキーは、いくつになっても上達できるスポーツです。オフトレとしてヨガを取り入れることで、体は軽く、動きはしなやかに、そしてスキーがより楽しくなりました。この先、年齢による衰えを感じればなおさら、ヨガの「整える力」が効いてくるでしょう。
ライター
Kuriko
歴40年になるスキーヤー女子。コブが大好きなフリーライダーです。生まれ育ちは横浜の海の近く、幼少期には雪が降ると近所でもスキーしていました。冬から春まで新潟や長野のゲレンデに通っています。好きなスキー場はタングラム斑尾、リスペクトはTanner Hall。還暦過ぎて360するのが目標です。