四阿山の歴史・四阿山カルデラはなぜできたのか
四阿山は、浅間山から直線距離で北西へ約18㎞のところにある標高2,354mの山です。
約80万年前から25万年前にかけて活発な噴火活動を繰り返し、34万年前の大噴火によって、直径約3㎞のカルデラが形成されました。
34万年前の噴火直後は、円形のカルデラが連なっていたものと想定されていますが、現在は北側1㎞ほどが崩落し、米子川が北に向かって流れています。
カルデラのテラス状をした地形から流れ落ちる米子川が、権現滝(高さ75m)と不動滝(高さ85m)の2つの滝となり、米子大瀑布と呼ばれているのです。
四阿山カルデラは古代より貴重な水源とされ、山の神・水分神(みくまりのかみ)として祀られてきました。
中世には白山信仰と合流する形で修験道の霊場とされ、カルデラ内には中世の山岳修験道に由来がある、米子不動奥之院や但唱上人が木食行を行ったといわれる遺跡が存在しています。
さらに、四阿山の周辺には、縄文時代から弥生時代にかけての集落跡が多数点在しているのです。
なお、四阿山が最後に噴火をしたのは34万年前とされ、以降、火山活動は観測されていません。
そのため、周辺の浅間山や草津白根山、妙高山、榛名山、赤城山とは異なり、気象庁が登山者に注意を呼び掛ける火山には含まれていません。
四阿山の登山ルート
【長野側】菅平牧場から根子岳、四阿山、中四阿の登山ルート
中四阿登山で一番ポピュラーなのは、菅平牧場から四阿山カルデラの縁に位置する根子岳に登り、カルデラの縁である尾根沿いを伝って、四阿山山頂を目指す登山ルートです。
菅平牧場から緩やかな登りで始まり、根子岳を経由し四阿山山頂に到着するまでの所要時間は、約3時間。
四阿山山頂から折り返して、美しい景色を見ながら緩やかな尾根道を下ると菅平牧場に到着。下山に要する時間は約2時間。
合計5時間ほどの日帰り登山コースです。
山頂付近でキツイ登りが少しありますが、それ以外は緩やかな山道です。
【群馬側】パルコールつま恋リゾートホテル(パルキャビン山頂駅)から四阿山のルート
パルコールつま恋リゾートホテルから出ている、ゴンドラ「パルキャビン」を利用するコースです。山頂駅(四阿山カルデラの縁)まで行けば、あとはカルデラの縁である尾根沿いに山頂を目指すことができます。
山頂駅から四阿山山頂までは尾根沿いのルートを登って、1時間半ほどで到着します。
下山は、パルキャビンを利用せずに、四阿山山頂から東側の茨木吾妻山歩道を使って下山するのもおすすめです。
※パルキャビンは、7月13日より運行
鳥居峠駐車場から四阿山ルート
四阿山の南側を走る、国道406号線の長野と群馬の県境が鳥居峠です。
鳥居峠から砂利道の林道を3㎞ほど四阿山方向へ登ったところに、林道の終点ロータリーがあります。
ここまでは公共交通はないので、マイカーかタクシーを利用することになります。
終点ロータリーには、簡易トイレと20台ほどの駐車スペースが設けられています。
終点ロータリーから左右に登山ルートが分かれていて、右の登山ルートは上州古道、左は的岩コースです。
いずれのコースを使っても、四阿山山頂まで2時間半ほど。
天然記念物「的岩」と、修験者が命の水と呼んだ嬬恋清水が堪能できる登山ルートです。
四阿山周辺の見どころは?
四阿山の周辺にはたくさんの見どころスポットや宿泊スポットがあります。
せっかく、四阿山まで来たのなら、ぜひ立ち寄ってみてください。
合宿のメッカ 菅平牧場
四阿山の西側の山麓、標高1,250から1,650mの高原に広がる菅平牧場は、夏でも涼しい気候のため、古くからスポーツ合宿のメッカとして利用されてきました。
とくにラグビーの合宿地として有名で、ほかにもサッカーやゴルフ、テニス、陸上、乗馬などさまざまなスポーツチームが合宿へ訪れます。
天然記念物「的岩」
的岩は鳥居峠駐車場から四阿山へ登る的岩コースにある、国の天然記念物に指定されている岩。
狩りに来た源頼朝が、この岩を的にして矢を射たと伝えられています。
地中のマグマが火山砕屑岩層の割れ目から噴き出した際、板状になって固まり、このような珍しい形になりました。
壮大な景観 米子大瀑布
四阿山カルデラ中央部のテラス上の地形を流れる米子川。この米子川が、権現滝と不動滝という2本の滝になって流れ落ちています。
権現滝の高さは75mで、不動滝は85m。
その景観は、壮大ですばらしいものがあります。
カンパーニャ嬬恋キャンプ場
四阿山の東側の山麓にある、バラギ湖畔に広がるキャンプ場。
無印良品が運営管理するキャンプ場です。
キャンプだけでなく、バラギ湖にボートを浮かべて楽しむ釣りをはじめ、湖を巡るサイクリングやトレッキングなど、さまざまなアクティビティが楽しめます。