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環境に対してポジティブな印象がある地産地消ですが、SDGsと深いつながりがあります。今回は、地産地消がSDGsに貢献できるポイントを説明し、取り組みの事例も3つ挙げてご紹介。地産地消でSDGsに取り組みたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

地産地消がSDGsに貢献できる5つポイント

SDGs 地産地消

地産地消とは、地域で生産されたものを、その地域で消費するという活動です。SDGsの目標達成のために注目されるようになりました。

SDGsとは、地球を守りつつ、よりよい世界を目指すための開発目標のこと。2015年、国連サミットで採択されたものです。2030年までに世界が抱えている環境問題や貧困問題などを解決するために、さまざまな取り組みが進められています。

地産地消はどのようにSDGsに関係しているのでしょうか。地産地消の特徴を挙げながら説明します。

①陸や海の豊かさにつながる

農産物や魚介類を地域内で消費すれば、陸の資源や海洋資源を保護することにつながります。

逆に、地域外への販売や輸出量を増やそうと農地を開拓すると、森林が伐採されるなどの弊害が生じる場合があります。また、海洋資源の乱獲につながる可能性もあるでしょう。地域外への輸送で排出されるCO2は、生態系にも悪影響を及ぼしかねません。

地産地消を推進すれば、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」と目標15「陸の豊かさも守ろう」に貢献できますよ。

②気候変動への対策となる

前述のとおり、地産地消では食品・食材の輸送時のCO2を減らせます。CO2は地球温暖化に大きな影響を及ぼす温室効果ガスの要因です。温室効果ガスが原因で、異常気象による大規模な災害が世界の各地で起こっていますよね。

地産地消はCO2の排出を減らせるため、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」に役立つと注目されていますよ。また、地域外への運搬にかかるエネルギーを削減できるので、資源の保全にもなります。

③食品ロスへの対策となる

sdgs 地産地消

旬のものを新鮮なうちにおいしく食べることは、食品ロスへの対策になります。

さらに、地産地消によって必要なものを生産できれば、輸入品への依存度を下げられるでしょう。食料の自給率がアップするのも、地産地消のよいところです。

令和2年度の農林水産省の発表によると、日本の食料自給率は37%(カロリーベースによる試算)。残りの63%は海外からの輸入に頼っているのが現状です。

地産地消で食品ロスを抑え、食料の自給率も上げることは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に関連します。地域内で持続可能な形で食料を生産し、消費や廃棄システムもつくり上げていけば、この12番の目標達成への貢献になるのです。

地域内で生産・消費・廃棄まで行えると、食品ロスによるゴミの運搬エネルギーも削減できるでしょう。

出典:農林水産省「令和2年度食料自給率について」(令和4年2月2日更新)

④エネルギー問題に貢献できる

地産地消はエネルギー問題の改善にも役立ちます。エネルギーを地域内でつくりだす、エネルギーの地産地消もあるためです。エネルギーの地産地消を進めれば、エネルギー問題だけでなく、環境問題にも貢献できますよ。

電力は住んでいる地域から遠く離れたところでつくられている場合があります。震災や大型の台風などで、エネルギー供給に制約がでることがあるのが問題。そこで、自治体とエネルギー会社などが共同出資して、「自治体新電力」の設立が各地で進められています。

とくに注目されているのが、地域の特性にあった再生エネルギーの活用です。こうしたエネルギーの地産地消で、エネルギー供給のリスクを分散できますよ。

エネルギーの地産地消は、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」と、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献するのに有効な方法です。

⑤地域活性化につながる

地産地消は、農業・水産業・畜産業などの地域の生産者を守り、地域経済の活性化につながります。「地元のおいしい食材を食べたい」という消費者のニーズが観光につながれば、地域を発展させるチャンスになるでしょう。

観光での具体例としては、たとえばレストランで地元産の野菜を売りする、農業や伝統料理づくりを体験できるツアーを実施するなどがありますね。こうした地域活性化への取り組みは、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」につながります。

以下の記事でもSDGsについて詳しく説明しているので、参考にしてみてくださいね。

「いまさら聞けないSDGs!17の目標を身近な事例を用いてわかりやすく解説します」

地産地消によるSDGsへの取り組み事例3選

sdgs 地産地消

地産地消によるSDGsへの取り組みは、さまざまな場で行われています。実際にどんな取り組みがあるのかご紹介しましょう。

①株式会社グリーンズ|地産地消の食材をメニューに導入

運営するホテルで、地元食材を活用した地産地消の朝食メニューを導入しています。全国各地の同社が運営する100以上のホテルで実施中です。

企業目標は、「環境にも人にもやさしいホスピタリティあふれる企業」。それぞれの地域の特産品や、地元食材を使った郷土料理などを取り入れ、地産地消のメニューを工夫しています。地域経済と、サステナブルな生産サイクルの発展に貢献していますよ。

出典:株式会社グリーンズ「SDGsに貢献 地産地消の取り組み第5弾

②無印良品|道の駅で地元食材を活用

千葉県鴨川市で、複合施設「里のMUJI みんなみの里」をプロデュースしてオープンしました。敷地内には、地元の農家さんが丹精こめてつくった農産物の直売所があり、新鮮な野菜や果物が手に入ります。

インテリアには、鴨川で古くに用いられた農具を使用するなど、地域の特色を上手に活用。地元の食材を使ったカフェも人気で、ナチュラルでおしゃれな雰囲気が魅力です。

「地元の方々に毎日使っていただける場所」がコンセプト。もちろん地域外からくる人でも、おだやかな景色のなか、おいしい食材をゆっくりと楽しめそうな道の駅です。

出典:無印良品「みんなみの里

③岡山県 真庭市|バイオマス発電でエネルギーの地産地消

木材のみを燃料にしたバイオマス発電に力を入れ、エネルギーの地産地消に取り組んでいます。バイオマス発電とは、化石燃料を除く、生物由来の再生可能な資源を利用した発電方法のことです。

真庭市は約8割が森林で、木材の生産・販売が盛んな地。大量に発生する間伐材の有効利用を目指し、2015年に「真庭バイオマス発電所」の運転を開始しました。

その結果、木質エネルギーの自給率が大幅にアップ。また、2050年までにCO2排出を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ まにわ」を2020年に宣言し、脱炭素のまちづくりの先駆け都市となっています。

出典:岡山県 真庭市「広葉樹の活用による自然エネルギー 100%のまちづくり

 

地産地消のために私たちができること

sdgs 地産地消

地産地消に貢献するために、私たちができることはたくさんあります。たとえば、以下のようなことを実践してみてください。

  • 意識的に地元の食材や製品を購入する。
  • 地産地消を実施している飲食店を利用する。
  • スローフードを取り入れ、地元の伝統的な食文化を体験してみる。

地産地消は日常のちょっとしたことから実践可能です。また、自治体や企業のなかには、さまざまな地産地消への取り組みを行っているところがあります。こうした取り組みに興味をもち、利用できないかチェックするのもよいでしょう。

地産地消とは身近なモノを大切にして、生活に取り入れること。農産物や水産物などの食べ物だけでなく、自然エネルギーの地産地消も注目されています。身近なモノを利用すれば、いろいろな面で環境にやさしく、地域の活性化にも役立つのがメリットです。加えて、世界中で取り組むSDGsに地産地消で貢献できますよ。日々の暮らしのなかで、できることから地産地消を取り入れてみてはいかがでしょうか。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。