ウィンドサーフィンの進む仕組み
ウィンドサーフィンはセールに風を受けることで進みます。セールに風を受けることで「押されて」進んでいるように思えるのですが、実はセールの両面に風を「流す」ことで飛行機の翼と同様の原理で「揚力」という力を生み出して推進力を得ています。
セールに風を流すことで生まれた揚力は、ボード前方方向ではなく、ボードを風下に押し流す方向にも働きます。
その押し流される方向の力を、水中にある「フィン」や「ダガーボード」、ボードそのものの横流れに対する抵抗によって打ち消し、ボード前方方向にだけ推進力が残るよう調整しています。
この仕組みは、ヨットと全く同じです。ですからウィンドサーフィンはセールの両面に風をバランスよく流すことができれば、風上方向へも進むことができます。
最も風が効率的に流れ、安定して走ることができるのは、横から風を受けて風に対して90度前後で走っているときになります。
完全な風下方向や風上方向へ向いてしまうと、セールの両面に風を流すことができず進めなくなるため、風上や風下に向かうときはセールの向きを切り替えながらジグザグに走行します。この進めない方向をデッドゾーンと呼びます。
ジグザグ走行をする時の、風上周りの方向転換をタック、風下周りの方向転換をジャイブと呼び、ウィンドサーフィンでは重要かつ難しい動作となっています。
ウィンドサーフィンの方向転換
ウィンドサーフィンの仕組みはヨットと同様なのですが、ボードはサーフィンに近く1~3枚のフィンを持つシンプルなものです。ヨットのように「舵」はありません。
それでは舵なしでどうやって方向転換を行うのでしょうか。実はセールを前後に動かすことで方向転換を行うことができるのです。
ウィンドサーフィンのセールは「ユニバーサルジョイント」という部品でボードに接続されており、自由にどの方向にも動かせるようになっています。乗り手が手を離すと、パタッと海面に倒れてしまいます。
セールが常に船上に直立したマストによって接続されているヨットとは、この点で大きく異なります。
上の項でウィンドサーフィンはセールに発生させる揚力とフィンなどの抵抗力をバランスさせることで前進するという説明をしましたが、セールを前後に動かすことでこのバランスを意図的にずらし、ボードの向きを変えていきます。
セールを進行方向に動かすと風下に、後方に動かすと風上に曲がっていきます。このあたりは実際に乗ってみると感覚的に実感できるので、無理に仕組みを理解する必要はありません。
舵が無くてもセールを前後に動かすことで曲がることができる、ということだけ頭の片隅に置いておいていただければ、実際にウィンドサーフィンに乗る際にスムーズに扱えるでしょう。
ウィンドサーフィン用語を覚えよう
ウィンドサーフィンの動作には独特の呼び名があります。すべて覚える必要は全くないのですが、知ることでウィンドサーフィンに対する理解が深まったり、体験する際にインストラクターの話が頭に入りやすくなるはずです。
今回は方向転換に関して、4つの用語をご紹介します。ヨットと共通の用語で、風に対しての走り方を指す重要な言葉です。
- ラフ(ラフィングアップ)
風上方向へ曲がることを「ラフ」と呼びます。セールを進行方向と反対側に動かすことで、ラフできます。
- ベア(ベアリングアウェイ)
風下方向へ曲がることを「ベア」と呼びます。セールを進行方向へ動かすことで、ベアできます。
(GetWindsurfing)
- タック
ラフをして、風上を越えて方向転換することをタックと呼びます。セールの風を受ける面を切り替えるタイミングで、乗り手は反対側に乗り移る必要があります。
ボードが完全な風上を向いた際には失速してバランスを失いやすくなるため、ウィンドサーフィンを習得するにあたって最初の壁となる重要な技術です。一人で安全に海に出るためには、タックの習得が必須です。
(windsurf coaching)
- ジャイブ
ベアをして、風下を越えて方向転換することをジャイブと呼びます。完全な風下を通過する際には、セールを裏返す動作が必要になり、「ジャイブを返す」という言い方をされる場合もあります。
上級者になると、失速せずにきれいな弧を描いて方向転換することができます。ウィンドサーフィンのワールドカップなどで、トップ選手がセールをひらひらと返す様子は非常に華麗です。
タックと比較しても難易度が高く、初心者と中級者を分ける技とも言われます。
(JP Australia 公式チャンネル)
ライター
Greenfield編集部
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