ウィンドサーフィンのレースには、コースレースやスラロームなどいろいろな種目がありますが、全員が同じ道具で競うというワンデザインクラスという伝統的な形式のレースがあります。今回はこのワンデザインクラスとオリンピックの違いについて解説していきます。

ウィンドサーフィン種目のワンデザインクラスとは

ウィンドサーフィン 種目

出典元:neilpryde

 

ヨットに代表されるセーリング競技は、海面に設定されたコースを回航して、その順位を競うもので、基本的にすべてワンデザインクラスで行うことになっています。

ワンデザインクラスとは、その言葉通りに競技者全員が同じデザインの道具を使用して行うレースです。

セーリング競技において呼ばれている“○○級”というのは、そのワンデザインの名称(一部例外あり)なのです。

ワンデザインクラスには、道具に性能差が生じないため、その競技結果には公平で純粋な競技者の実力が反映されるという大きな特徴があります。

セーリング競技は、World Sailing(略称:WS / 旧ISAF)という国際競技連盟が統括していて、日本では日本セーリング連盟(JSAF)が加盟しています。

このWSがそのクラスごとに道具の厳密なレギュレーションを決定・管理しており、それに基づいて製作され、検査に通った道具のみが使用できることになります。

 

 

オリンピック種目はウィンドサーフィンのほんの一部、1つのワンデザインクラスだけ

ウィンドサーフィン 種目

出典元:world.bicsport

 

ウィンドサーフィンには、誕生期からワンデザインクラスがありました。

初めはオリジナルデザインである「ウインドサーファー」だけでしたが、さまざまなデザインが生み出されるにつれ、他のワンデザインクラスも誕生。

この頃のウィンドサーフィンはヨット形式のレースが全盛で、まだショートボードの誕生前でした。ハイスピード化やジャンプなどのエクストリームな分野は未発達だったのです。

そのためスポーツの普及とともにセーリング(当時はヨット)競技のひとつとして、自然にオリンピック種目が視野に入り、1984年に正式種目として採用され、そしてそれは今日まで続いています。

しかし、その後、ウィンドサーフィンは、著しい発展・進化を遂げ、完全にヨットとは別のものに変貌。

オリンピック種目になっているワンデザインクラスは、レーシングという1分野の中の、さらに複数あるワンデザインクラスの中のひとつが採用されています。

つまりオリンピックでのウィンドサーフィンは、この多様なスポーツのほんの一部ということになるのです。

現在世界的なワンデザインクラスは、オリンピック艇種であるRS:Xクラスと世界的にユースで採用されているがTECHNOクラスが有名です。

 

固定ページ: 1 2

この記事を書いた人

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。