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ウィンドサーフィンのレーシング種目「フォイル」がオリンピック正式種目に

ウィンドサーフィンのレーシング種目「フォイル」がオリンピック正式種目に
   
ウィンドサーフィンの種目の中で、最も基本的で歴史があるレーシング。そのレーシングに史上2度目の激変が訪れています。1度目はロングからショートへのボードの変化時ですが、この度の激変はフォイルの登場によるものです。今回は、その激変について解説していきます。
   

ウィンドサーフィンのレーシング種目とは

ウィンドサーフィン フォイル
出典元:pwaworldtour

 

ウィンドサーフィンにおけるレーシング種目とは、水上に設定されたコースをセーリングして順位を競う種目で、コースは複数設置されたマークを指示された順番で回航することで決められます。

 

スラロームとコースレース

レーシング種目としては大きく2つに大別でき、ひとつは最低風速10m程度の強風下で開催され、風上から風下に向かってジグザグに打たれたマークを回るスラローム(ダウンウインドとも言う)、もうひとつは最低風速5m程度のすこし弱い風のなかで開催され、スタートラインより風上に打たれたマークが必ず存在するコースを回るコースレース(アップウインドともいう)です。

スラロームは常に追い風で走るため、ハイスピード(50~65km/h)セーリングでの競い合いが目的で、プロ選手によるワールドツアーに代表されます。

向かい風気味に走るコースレースは、体力や技術だけでなく、風の読みやコース取りなど、戦術がより求められるレースで、選手すべて同一デザインの道具を使って争われるオリンピックが代表的です。

 

 

ウィンドサーフィンのレーシング、フォイルとは

ウィンドサーフィン フォイル
出典元:pwaworldtour

 

そんなレーシングシーンを激変させたのが「フォイル」です。

ここでは、そのフォイルの基礎知識を解説していきます。

 

フォイルは、まるで水中の飛行機

フォイルとは“水中翼”のことです。

以前からフェリー船などに、船腹に翼を持った水中翼船が存在していました。

また、ヨットの最高峰レース「アメリカズカップ」での最新艇は、ほぼすべてフォイル艇になっているので、ご存知の方も多くいることでしょう。

このようにフォイル自体は以前からある仕組みですが、この2〜3年で個人で楽しむウォータースポーツで一気に活用が広がり、このウィンドサーフィンにもその波が訪れたのです。

スポーツで利用するフォイルは、飛行機の翼のような形をしています。

ボードから水中に垂直に伸びた巨大なフィンのような形状のマスト(翼柱)の先端に、直角(水中では水平になる)に水中翼(両翼型/飛行機では主翼にあたる)が付き、さらに後方に延びたステーの先にも尾翼のような副翼がついています。

まさに、空中ではなく水中を飛ぶ飛行機とも言える形状なのです。

 

フォイルによって何が変わる?

フォイルが水中にあることによって、今までとなにが変わるのでしょうか?

飛行機の翼がスピード増加によって機体を浮かせていくように、フォイルという水中翼によって、道具と操縦者を水面上に浮かせるのがフォイルシステムです。

その浮かせる力を揚力と呼び、流体の中を進むと翼に発生する力です。

揚力は飛行機の翼にも、ウィンドサーフィンのセールにも、フォイルにも発生します。

飛行機やセールは流体が空気ですが、フォイルの場合は水です。

揚力の強さは流体の密度に比例し、進む速度の自乗に比例しますので、空気中よりも水中の方がきわめて大きな揚力が発生するのです。

そのため低いスピードでも浮上が可能となり、浮上すると今度は水の抵抗も大きく減少して、効率的なスピードが実現するというわけです。

 

より弱い風でもプレーニングと同じスピードが可能に

ウィンドサーフィンでもフォイルによって、今までよりも弱い風速で、プレーニング走行(水面を滑るような滑走状態)と同様の高いスピード走行が可能になりました。

ウィンドサーフィンのエンジンはセールであり、動力は風です。

今回の激変は、弱い風でも速い走行が可能になったため、スピードを競うレーシングという種目そのものにも、大きな変革が迫られた結果です。

 

 

ウィンドサーフィンレース、ワールドツアーもオリンピックも

ウィンドサーフィン フォイル
出典元:pwaworldtour

 

激変が顕著になったのはつい最近、昨年のことです。

そして今でも完結してないため、現時点(2020年1月)の最新情報をご紹介します。

 

プロワールドツアーの変化

具体的にレーシング種目にどのような変化があったのでしょうか。

まずはプロのワールドツアーで大きな変化がありました。

じつは昨年、コースレースにおいて、すでにフォイルクラスという形でレースが実施されました。

ノーマルボードとフォイルボードのどちらを使用するか選手が判断し、両者が混在する状態でレースを行ない、順位だけクラスわけをするというものです。

しかし、今年はレギュレーションが変更され、コースレースはフォイルボードのみとなり、クラス分け、およびコースレースに存在していたフォーミュラーという規格が消滅しました。

また、実施する最低風速も下げることが検討されています。

昨年までフォイルボードを使用できかったもうひとつの種目スラロームにも新たにフォイルの使用が認められました。

しかし、見えない水中に深く大きな表面積を持ち、硬く鋭利な形状の翼を持つフォイルボードは、落水時や混戦時の危険性が高いため、今までのノーマルボードと混在させるか否かの議論が重ねられています。

現時点では混在での実施の可能性が高いと言われています。

また、スラロームにもフォイルボードが導入されると、こちらも実施する最低風速が低減される可能性があり、現段階では最低風速5mぐらいへの変更が検討されています。

 

オリンピックでは

ウィンドサーフィン フォイル
出典元:windsurf.star-board

 

変革の波はワンデザインクラスでレースが行なわれるオリンピックにも押し寄せています。

毎回オリンピックが行われるたびに選定されていた使用艇種に、スターボード社のIQFOILというフォイルボード一式が2019年末に決定。

目前に控えた東京オリンピックでは、従来のRS:Xという艇種で行なわれますが、次の2024年のパリオリンピックではフォイルボードの使用が決定されています。

このようにレーシング種目は、完全にフォイル時代に突入したと言えるのです。

 

 

ウィンドサーフィンレースでなぜフォイルになったのか

ウィンドサーフィン フォイル
出典元:windsurf.star-board

 

ウィンドサーフィンというスポーツにとって、実施風速の低減は長年の大きなテーマであり、悲願でもありました。
風はいつ吹くかわかりません。

吹いても求める強さとは限らないため、ウィンドサーフィンはサーフィンやスキー以上に、アウトドアのスポーツイベントとして、実施が不確実でした。

それがフォイルによる最低風速の低減によって、劇的に改善されることになるのです。

今まで風速10mの風が必要だったスラロームレースが、風速5mでも開催可能になるということは、夢のようなことと言えるでしょう。

強風下での観戦を余儀なくされていた観客にとってもストレスが大きく減ることにも繋がり、多くの人が大会観戦に訪れるとても良い機会になるのではないでしょうか。

 

 

まとめ

競技において頻繁に発生していた“風がないためにレースキャンセル”という事態。見ていても面白いウィンドサーフィンですが、このスポーツは常にこのことに悩まされつづけてきました。そのため最低風速が低く、ポテンシャルは変わらないフォイルの登場は、まさに福音です。今年も3月には神奈川県横須賀市の津久井浜海岸でワールドカップが開催されます。フォイルによってキャンセルの可能性は格段に下がったので、ぜひ観戦に訪れてください。






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