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気象の基礎を知り安全に海を楽しむ 第1章「風」を知る(応用篇①)

気象の基礎を知り安全に海を楽しむ 第1章「風」を知る(応用篇①)
   
今回からは「風」を知る/応用篇です。応用編は風をさらに深く知ることによって、水上のボードスポーツをより間違いなく楽しむための実践的な内容になります。応用編の第1回は風を生む最大の原因である低気圧について、もう少し深掘りしていきます。
   

風の特性について知る

風 応用①

まずは、風ならではの特性について再確認しておきましょう。

風を知り、その知識を実践的に活かすためには、今までと違う風に対する意識作りがポイントとなり、見逃しがちな風の特性を改めて知っておくことが、風を理解する上で大切です。

風には2つの大きな特徴があります。

1つ目は、「風は目に見えない」ということ、もうひとつは「変化が激しい」ということです。

人間は視覚から約90%の情報を取得しています。陽射しから雨・雪・雷まで、主な気象現象はほとんどが視覚で確認できます。

目に見えない現象は風ぐらいなのです。このことは日常生活における風の注目度の低さ、意識の薄さを生んでいる大きな原因と言えるでしょう。

強すぎる風については誰でも意識できます。

それでも風向や風が吹いている理由、局地的な強弱といった詳細まで、常に風を意識した行動様式を持っている人はほとんどいません。

見えない風に対する意識を積極的に持とうとしない限り、水上のボードスポーツを楽しむときも風の存在を見落としがちになります。

また、風は最大瞬間風速(3秒間平均)は最大風速(10分間平均)の約1.5倍というように、絶えず強弱を繰り返し、吹いてくる方向も頻繁にシフトします。

変化が少なくて安定気味のときもあれば、激しく変化する時もあります。

このように常に変化するのが風ですから、その変化に対して愛好者も常にアンテナを張っている必要があります。

ウィンドサーフィンをはじめとするセーリングスポーツの愛好者の場合は、ベテランでは風に対するアンテナを自然と張り巡らすようになりますが、SUPやサーフィンなど風の存在は基本的に厄介者という方は、積極的に風も意識することが必要です。

 

強風を生む低気圧の2大コース

風 応用篇①
出典:「日々の天気図」(気象庁ホームページより加工)

風は気圧差によって生まれるため、低気圧の強さと通過コースによって、どんな風が吹くのか、大まかな様相が決まってきます。

台風のように発達した低気圧が強風をもたらすことは、すでに一般常識となっていますが、皆さんがあまり意識していない要素が通過コースです。

強風を生む代表的な通過コースは2つ。

ひとつが日本海を低気圧が通過するコース、もうひとつが南海上を通過するコースです。

低気圧の2大コース:日本海低気圧

低気圧は基本的に西から東に進みます。

この低気圧に南からの暖かい空気が流入する時は、東に進みながら北上し、この流入が激しいほど南風は強まり、低気圧は発達します。

低気圧が日本海を通る場合、この低気圧を日本海低気圧と呼び、コースの南側になる東日本や西日本、北日本の一部には、場合によっては風速30m/sクラスの台風並みの南風が吹き荒れます。

日本海低気圧が通過する時は強い南風が吹くと覚えておきましょう。

ただし、日本海低気圧は寒冷前線を伴うので、その通過前後には激しい雨、時には雷や竜巻などが発生し、通過後の風が北の強風に変わり気温が降下するので注意が必要です。

天気予報で日本海低気圧が通りそうな時は、SUPならば回避も含めて検討し、ウィンドサーフィンならば前線通過のタイミングも考慮して楽しむ予定を組むといいでしょう。

低気圧の2大コース:南岸低気圧

日本の南海上を通過する低気圧は南岸低気圧と呼ばれ、これは通過するコースという意味も含まれています。

このコースでは基本的に南風ではなく、やや強い北風が吹き、北東〜北〜北西と進行具合によって風向もシフトしていきます。

南岸低気圧は北側に雨雲が大きく広がり広範囲に雨をもたらし、近くを通ると大雨や冬には太平洋岸に大雪をもたらすこともあります。

また、太平洋岸には低気圧からのうねりが入り、北からのオフショアと相まって良質の波も期待出来ますが、気温は上がりません。

南岸低気圧のコースは、日本海低気圧と同じような東進=北上のコースを辿りますが、それとは異なり、ほとんど北上せずに直進するコースのときもあります。

この場合は低気圧があまり発達しません。

風、波ともに穏やかで、天気の崩れも意外と小さい場合があります。このコースのときはウィンドサーフィンよりもSUPに適していると言えるでしょう。

 

台風を超える爆弾低気圧

風 応用篇①
出典:「日々の天気図」(気象庁ホームページより)

爆弾低気圧とは正式な気象用語ではなくあくまで通称ですが、北緯60度で24時間に24hPa以上という、急激に気圧低下(=発達)した低気圧のことを呼びます。

北緯60度は日本のはるか北方にですが、日本付近では気圧低下の量が16hPaとなり、急激に発達すると言えます。

緯度が低い場合でも、そこまでの発達がなくても同じ程度の暴風になるのです。

また、気圧低下の量は風の強さに直結することはイメージできますが、その低下スピードも風に大きな影響を及ぼします。

急激な気圧低下は、川で言えば土石流のように底が抜けたような急激な暴風になりやすいのです。いずれにしろ爆弾低気圧は、台風のような大荒れの天候を多くもたらします。

秋から春にかけて発生しやすいので、安全のためにこの低気圧の存在も意識しましょう。

まとめ

風、なかでも強風を意識するということは、低気圧を常に意識するということ。このことは、水上のボードスポーツを楽しむために必要なだけでなく、何よりも天気をあまり意識しなくなってしまった日常生活にも、大変有益な視点です。ぜひ、この記事を参考にして生活に役立ててください。






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