登山用ヘルメットの重要性について
御岳山の火山噴火は、57名もの尊い命を失う大惨事になりましたが、同時に登山用ヘルメットの重要性を私たちに再認識させることにもなりました。
噴石が飛びかうなか、とっさに頭を守る行動をとれたかどうかが生死の分かれ目になったといわれています。火山噴火に遭遇することは極めてまれなことですが、登山をしていて落石にあうことはまれなことではありません。
とくに鎖が設けられた岩場やザレ場と呼ばれる岩や石がゴロゴロしている登山道では、ヘルメットを着用して登るのが鉄則です。
登山用ヘルメットの着用を奨励している山域は?
登山用ヘルメットの着用を奨励するのは、過去に落石による遭難事故が発生している、または地形の特質上、落石事故がこれから発生するであろうと予測されている山域です。
長野県山岳遭難防止対策協会では、転滑落・転倒事故の多い山域を
以下の山域はあくまでも長野県が指定しているものですが、ほかの県にも登山用ヘルメットを着用した方がよい山がたくさんあります。
ヘルメット着用奨励地域以外でも滑落や落石、転倒の危険性がある場所では着用するようにしましょう。
山域名 | 指定する山域 |
北アルプス南部 | 槍・穂高連峰のうち、北穂高岳から涸沢岳・屏風岩、前穂高岳(北尾根から吊尾根)一帯、西穂高岳から奥穂高岳、北穂高岳から南岳(大キレット)、北鎌尾根・東鎌尾根の区域 |
北アルプス北部 | 不帰の嶮周辺、八峰キレット周辺 |
南アルプス | 甲斐駒ケ岳、鋸岳 |
中央アルプス | 宝剣岳 |
戸隠連峰 | 戸隠山、西岳 |
※ただし、他の山域においてヘルメットが不要という意味ではありません。
出典:長野県公式ホームページ
登山用ヘルメットの選び方ポイント
登山用ヘルメットを選ぶときのポイントについて項目別にまとめました。
選びかたポイント①安全性能
登山用ヘルメットの安全基準を満たす規格には主に「EN規格」と「UIAA規格」の2つがあります。
EN規格(EN 12492) | EN規格は、欧州・ユーロ圏の国々が定める登山用ヘルメットの統一規格です。EN規格に適合したヘルメットにはCEマークが貼られています。 |
UIAA規格(UIAA 106) | UIAA規格は、国際山岳連盟が認定する登山用品の統一規格です。EN規格よりも厳しい基準で審査されているため、UIAA規格の方が安全性能においてすぐれていると言われています。UIAA規格に適合したヘルメットにはUIAAマークが貼られています。 |
「EN規格」と「UIAA規格」のどちらかひとつ、または両方の規格に適合した登山用ヘルメットを選ぶことが大切です。
選びかたポイント②快適性(軽さ・フィット感)
安全性能の次に大切な選びかたポイントは、自分の頭にしっかりフィットしているかどうかです。
どんなに安全性能が保証されていても、頭にフィットしていないため、登山中にしょっちゅうかぶりなおさなくてはいけないようなヘルメットでは、逆に危険性が高まります。
選ぶときには、実際にかぶって重さやフィット感を確かめることが大切です。
選びかたポイント③目立つ色にする
赤や黄色といった原色の目立つ色を選ぶことも大事です。遭難したときや上から下山してくる登山者に存在をアピールすることができます。
選びかたポイント④蒸れにくいタイプにする
登山中は汗をかくことが多いため、ヘルメットの内側が蒸れて不快な思いをすることがよくあります。できるだけ通気性のよい、蒸れないタイプを選ぶようにしましょう。
おすすめの登山用ヘルメット
上記の選びかたポイントをふまえて、登山経験者である筆者がおすすめする、登山用ヘルメットを紹介します。
CAMP(カンプ) ストーム クライミングギア ヘルメット
コンパクトで軽量、シンプルで確実な調節システム、人間工学に基づいた最良の装着感を実現したプロテクトギア。
ストームはテクニカルなクライミングとマウンテニアリングのために開発された、軽量ヘルメットです。
PETZL(ペツル) A073 SIROCCO シロッコ
さまざまな衝撃から頭を守る保護性能を強化した登山用ヘルメットです。軽くて高い安全性能をそなえたヘルメットがほしいという登山者のニーズに応えて誕生しました。フィット感とすぐれた通気性もそなえています。
CAMP(カンプ)クライミング ヘルメット アーマー
抜群のフィット感と、豊富なカラーバリエーションは多くの方から支持されています。
ABS樹脂製シェルには通気性を良くする為のベンチレーションがサイドに施され、後部のアジャストシステムでサイズ調整可能です。
マムート/スカイウォーカー3
人間工学にもとづいて設計された頑丈なプラスチックハードシェルを採用したクライマーヘルメット。通気性もよくフィット感にもこだわったデザインが特徴です。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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