雪道のコンディションを知ろう
スキーヤーが雪質に応じて、滑りやスキーのチューンナップを変えるように、雪道も雪質に応じた運転と装備で安全に走ることが可能です。
雪道の状況は、大きく分けて4種類あります。その運転テクニックのテーマは、どんな路面状況でもタイヤをスリップさせないことにあります。
よく言われる「急」の付く操作は厳禁で、アクセルとブレーキ、そしてハンドルはゆっくり確実な操作が大事です。
スタッドレスタイヤも、雪道の状況次第でグリップ力は変わるので、「グリップさせる運転」が基本で、雪道での過信は禁物です。
まずは、雪道の路面状況とその走行方法についてご紹介します。
圧雪路
降った雪が除雪車やタイヤで踏み固められた路面です。道路の表面は見えず、路面は雪で覆われて白く見えます。
- 圧雪路の走行
スタッドレスタイヤがグリップしやすい状態で、タイヤの性能を発揮しやすい路面です。もちろん、ドライ路面より滑りやすいことに変わりはなく、状況も変化しますので油断は禁物です。
融雪路(シャーベット)
積もった雪が昼間の日照と気温上昇で溶け、クルマの通行によりシャーベット状にされたぐちゃぐちゃの状態です。
- 融雪路の走行
水分が多く、大雨の日のワダチのようにタイヤ接地面が浮いたような状態になりやすいです。
雪の塊などでハンドルも取られやすい為、路面に車重がかかっている事を確認しながらタイヤをしっかりグリップさせるように意識しましょう。
また、歩行者がいたら、泥跳ねしないよう注意が必要です。
新雪の積もった状態
路面に新雪が積もり、真っ白でどこが道路なのかわからない状態です。吹きだまりなどで、部分的に深くなっているところもあります。
- 新雪の走行
クルマの最低地上高が低い車や除雪が日々行われていない奥地の道路では、スタックする可能性もあります。走る場合は、クルマが雪の上で浮いた状態にならないよう慎重に走行します。
交通量の特に少ないルート上では、クルマのアンダーパネルと雪のこする大きな音が頻繁にしたら、その先は走らないほうが無難です。
アイスバーン(凍結路)
気温上昇で溶けた雪が夜間に凍り、路面が氷で覆われた状態です。アイスバーンは、状況によりさまざまな状態があり、雪道でもっとも注意が必要な路面です。
- アイスバーンの走行
もっともグリップしない路面なので、アクセルは控えめでブレーキは慎重に、ハンドルもゆっくり操作します。
上り坂は、交通状態を見極めたうえで坂の途中で止まらないように、車間距離をいつもより空けながら一定の速度を保って登るようにします。
下り坂では、カーブ手前で減速しきるようにしましょう。
本当に怖いアイスバーンとは?
アイスバーンは、状況でさまざまな状態になりますが、もっとも注意したいのはミラーバーンとブラックアイスバーンです。
ミラーバーンとは?
交通量の多い交差点や道路で、気温が低くアイスバーンがタイヤに磨かれて鏡面状になった路面です。
発進時にタイヤが空転したり、ブレーキングで簡単にスリップを起こします。路面は、濃いグレーや黒のまだら状に見えます。
ブラックアイスバーンとは?
路面の雪が日中に溶けて、その水分が凍っている状態のアイスバーンです。
アスファルトの路面を、氷でコーティングしたような状態で、クルマから見ると濡れた路面のように黒く見え凍結がわかりずらいのでとても危険です。
- ミラーバーンとブラックアイスバーンの走行
この路面に立つとわかりますが、まるでスケートリンクのようでスタッドレスタイヤでも滑るので、たとえスタッドレスを履いていても油断は禁物です。
走り方は、ほかの雪道以上に細心の注意を払い、「急」のつく操作を避けなければなりません。
発進は、すぐにアクセルを踏み込まずにアイドリング発進を行い、タイヤのグリップの感触を確かめながらゆっくりとアクセルを踏み、ブレーキングもそっと丁寧に踏みます。
下り坂のエンジンブレーキも要注意で、低すぎるギアのエンジンブレーキは急ブレーキと同じことになります。
雪道で注意したい場所は?
雪道では、いきなり路面状況が変わることがありますが、とくに注意したいのはトンネルと橋の上です。この2つは、雪道ドライブで事故を起こしやすい要注意ポイントといえます。
トンネルの中と前後
雪が激しく降っているとき、トンネルに入るとホッとしますが、じつはトンネルの中は湿度が高く、吹き込んだ雪が凍結している危険性が高いところです。
また、明るいところから急に暗いところに入るので、路面状況もつかみにくくなります。
トンネル出口は、さらに注意が必要です。
山を越えると気象状況が変わるように、トンネル入口では降雪も無く路面は乾いていたのに、出口は雪道やアイスバーンというのは雪国ではよくあることです。
また、トンネル内では無意識にスピードを出しやすく暗所から明るいところに出るので、目の錯覚で路面状況もわかりにくくなります。
そこで、トンネルに入る前と出るときは速度を落とし、車間距離も十分とるようにして、細心の注意を払って走行してください。
橋の上
橋は、雪国にかぎらず冬期は路面凍結しやすい場所です。橋の上面と下面を風が吹き抜けるため、温度が下がりやすくアイスバーンになりやすくなっています。
また、山間部の橋は風が強く吹くため横風に対する注意も必要で、長い橋を渡るときは速度を落とす事と、横風にそなえてハンドルはしっかり握って走ります。
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ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。