雪の蓼科山ってどんな山?
蓼科山は八ヶ岳連峰の北部にあり、日本百名山に選ばれています。 四季折々の景色を楽しめますが、冬の蓼科山の基本情報・魅力・注意点を詳しくご紹介しましょう。
冬の蓼科山の基本情報
雪山登山の初心者の方でも登りやすいのが、蓼科山の特徴です。登山の基本をしっかり押さえれば、極端に危険なところはなく日帰りで登れます。
冬季は七合目登山口が通行止めになります。蓼科山登山口からの出発となるため、間違えないように気をつけましょう。また、雪の状態にもよりますが、急登やアイスバーンに備えて、アイゼンは爪が10本以上のものが必要です。
蓼科山の基本情報は以下の表もご参照ください。
積雪期 | 12月上旬~3月下旬 |
駐車場 | すずらん峠園地駐車場。女乃神茶屋(めのかみちゃや)向かい |
登山口 | 蓼科山登山口(女神茶屋登山口) |
ルート | 女乃神茶屋ルート |
コースタイム | 登り約3時間、下り約2時間 |
アクセス | 中央自動車道・諏訪IC下車。ビーナスラインを経由して、すずらん峠園地駐車場まで約55分 |
冬の蓼科山の魅力
冬の蓼科山は美しい樹氷のトンネルが見どころです。夏場の山頂はゴロゴロとした岩場が特徴ですが、冬は一面の雪景色に。真っ白に広がる景色の中央には、蓼科神社奥宮の鳥居とほこらが悠然とたたずんでいます。天気がよければ、アルプスの山々が見渡せますよ。
急登や岩場でアイゼンワークの練習がしやすいのも魅力です。
冬の蓼科山の注意点
登りやすい山といっても標高は高いので、暴風・防寒対策をしっかりすることが大切です。雪山は低体温症のリスクが高まります。冬用の装備を準備しましょう。
また、山頂周辺は広いため、急な天候の変化で視界不良になった場合は、道迷いに注意します。GPSを確認しながら進みましょう。雪山初心者の方は経験者と一緒に行くことをおすすめします。
雪山登山でそろえるべき装備や、低体温症への対策については、以下の記事をチェックしてみてくださいね。
雪山登山デビュー!絶対にそろえるべき装備とあると安心な装備
秋冬登山は温帯低気圧に注意!低体温症の危険性や必要な装備を紹介
雪の蓼科山の登山体験をご紹介!
11月下旬、女乃神茶屋ルートで蓼科山に登ってきました。ここからは実際に登った行程にそって、体験記としてまとめます。
事前の準備
事前に天気予報を確認したところ、雪が降って森林限界付近からは積もっている様子です。
冬用の装備とチェーンスパイク、12本爪のアイゼンを準備します。この時期はチェーンスパイクだけでも登れますが、念のためアイゼンも持っていきました。どんな状態でも対応できるように、装備は万全にします。
女神茶屋登山口〜標高2,120mの休憩ポイント
すずらん峠園地駐車場には午前7時ごろ到着し、満車になる寸前に駐車できました。蓼科山は雪山シーズンも人気があるので、早めに到着するのがよいでしょう。駐車場にあるトイレに寄ってから出発です。
冬季は七合目登山口が通行止めなので、蓼科山登山口から山頂を目指します。ゆるやかな山道から、20分ほどで急登です。このタイミングでチェーンスパイクを装着。雪が深い場合はアイゼンをつけましょう。
少し広くなる標高2,120mのポイントで休憩。風が強く、森林限界をぬける前に防寒着を着用しました。
標高2,120mの休憩ポイント〜山頂
森林限界をすぎたところから、岩場と雪のミックスで歩きづらくなります。慎重に登りましょう。
この日はお天気がよかったので、振り返ると南アルプスの素晴らしい眺望が見えました。蓼科山山頂ヒュッテが見えたら山頂まであとひと息です。
山頂の雪はまだ少なく、岩についたモコモコの雪景色が可愛く印象的でした。蓼科神社奥宮の鳥居や方位盤もありますよ。
山頂〜下山
岩と雪がミックスしている場所は、つまずかないように注意します。この日は樹林帯の雪がしっかりしていて、急斜面でも滑ることなく歩けました。雪の状態によってはアイゼンをきかせて慎重に下りましょう。
登山後に立ち寄りたいおすすめスポット4選
今回の蓼科山のコースタイムは往復5時間くらいなので、早朝から登れば下山後も寄り道が可能です。すずらん峠園地駐車場から車で約30分以内で行ける、温泉や立ち寄りスポットをご紹介します。
①白樺湖温泉すずらんの湯/車で約7分
日帰りで利用できる温泉総合施設です。景観が美しい天然温泉の大浴場と、自然に囲まれた露天風呂が魅力。山でかいた汗を流し、リフレッシュして帰りましょう。
参考:茅野観光ナビ「白樺湖温泉すずらんの湯」
②八ヶ岳縄文 天然温泉 尖石の湯/車で約25分
世界でもトップクラスのサルフェートを誇る天然温泉です。サルフェートとは硫酸塩のことで、成分にさまざまな効果効能があるとされています。源泉かけ流し100%の露天風呂は、自然ならではの風情がありますよ。
日帰り温泉だけでなく宿泊もできるので、ゆっくり温泉を楽しみたい方にもおすすめです。
③HIKE 八ヶ岳/車で約30分
セレクトされたアウトドア衣類や、登山用品を取り扱うショップです。温泉に入ったあとでも気軽に立ち寄れるので、おしゃれな山道具をそろえたい方はぜひ行ってみてください。
参考:Instagram「HIKE(@hikeyatsugatake)」
④デリ&カフェ「K」/車で約30分
八ヶ岳自然文化園のなかにあるブックカフェレストランです。店内ではアルプスが一望できて、開放的な気分ですごせます。八ヶ岳の高原野菜や地元の食材をつかったお料理がおすすめで、登山後の空腹を満たしてくれますよ。
参考: デリ&カフェ「K」
ライター
yuki
幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。