誰でもできる!ガサガサのしかた・装備
「ガサガサ」とは、川の生き物をタモ網で捕まえることの通称です。川底の石をひっくり返したり、川岸の植物をガサガサと足で揺らして、生き物を探します。
ガサガサをするためには、適した服装の準備が必要です。川歩きができる靴、速乾性の服、熱中症にならないように帽子も被りましょう。
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次に、生き物を捕まえるための道具を揃えましょう。基本的にはタモ網とバケツがあればOKです。
観察用の透明なプラケースまたはタッパー、ルーペ、ピンセット、石をこする歯ブラシなどもあると、より楽しめます。
タモ網は、一辺が平らになっているものが最適。タモ網を川底に垂直に置いて捕るため、ふちが丸いと隙間から逃げられてしまうからです。
下流にタモ網を置いて、石や草を蹴ったり、川底をかき回したりしてみてください。一度で捕れなくても、諦めずに何度もチャレンジしましょう。
ガサガサではどんな生き物が捕れるの?
川に住むのはメダカやフナなどの魚だけではありません。幼虫の時期を水中で過ごす虫のことを、「水生昆虫」といいます。
ガサガサでは、さまざまな水生昆虫の幼虫を見ることができるでしょう。また、カニや貝類、イモリやカエル、亀なども住んでいます。
そのなかから今回は、水質調査の指標となっている生き物を、水質別に紹介します。
きれいな水の場合
カワゲラ類、ヒラタカゲロウ類、ナガレトビケラ類、ヤマトビケラ類、アミカ類、ブユ類、トンボ類、ウズムシ、サワガニ、ヤマメ
ややきれいな水の場合
シマトビケラ類、ヒラタドロムシ類、ゲンジボタル、コオニヤンマ、カワニナ類、ヤマトシジミ、イシマキガイ、アユ、カワムツ
汚い水の場合
ミズカマキリ、ミズムシ、タニシ類、シマイシビル、ニホンドロソコエビ、イソコツブムシ類、オイカワ
とても汚い水の場合
ユスリカ類、チョウバエ類、アメリカザリガニ、エラミミズ、サカマキガイ、チラカゲロウ、タニガワカゲロウ類、ニンギョウトビケラ類、ヒゲナガカワトビケラ類
川の生き物は実に多種多様で、なかには似ていて間違いやすい生き物もいます。全部覚えるのは大変ですので、国土交通省のWEBサイトにある一覧ご紹介します。
プリントアウトして持っていき、照らし合わせてみましょう。
どうしてこんなにも水質で住む生き物が違うの?
水質によって生き物が違うのは、水中の「酸素」が関係しているためです。水生生物には、酸素が少なくても生きられる種類と、多くないと生きられない種類がいます。
水の濁りや汚れの原因となる落ち葉、動物の死骸やふん、はたまた私たちが排出した生活排水などの有機物。これらを小さな生き物たちが分解する際に酸素をつかうため、水中の酸素量が減ってしまうのです。
ガサガサは楽しいだけじゃなく、普段なかなか実感することがない環境問題に直面する機会になります。河川財団のこちらの資料も参考になりますので、読んでみてください。
捕った生き物はどうする?ガサガサの注意点
ガサガサで生き物を捕まえたら、透明なケースに入れて観察してみてください。
どんな模様なのか、足が何本あるのか、どんな動きをするのか、見ているだけでも飽きませんよ。
少しだけなら、家に持ち帰って飼育してみてもいいでしょう。なにを食べるのかなど、より深い生態を知ることができます。夏休みの自由研究にももってこいですね。
残りの生き物は川に戻してあげてください。移動させた石なども、元の位置に戻します。
ガサガサは気軽に誰でもできる遊びですが、川に入るときには常に危険が隣り合わせです。次のことを必ず守ってください。
- 大人が一緒に付いていく
- 遊ぶ範囲を決めて子どもに理解させる
- 雨のあとなど、増水していたら絶対に入らない
- 雲行きが怪しくなってきたらすぐに川から出る
流れがゆるく浅い川でも、水難事故は起きています。油断せずに、大人がしっかり見守るよう気を付けましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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