ヒルクライムに強いロードバイクの特徴と選び方
ロードバイクを使ったロードレースで無視できないのが山岳区間のヒルクライムです。
東京オリンピックでも、獲得標高4,800m以上の過酷な峠道がレースの結果を左右しそうですね。
ロードバイクはほかの自転車に比べて坂道に強い自転車ですが、ロードバイクの選び方次第でよりヒルクライムに強いレーサーになることも可能です。
坂道をより速く走りたい方や、坂道が苦手で少しでも機材に頼りたい方も、これから紹介するようなポイントを重視してロードバイクを選んでみてくださいね。
「軽量」で「硬い」フレーム
ロードバイクのヒルクライムでは重力に逆らい、限りある脚力を効率的に使わなければいけません。
そこでまず重要なのが重さで、軽量なロードバイクは坂道で強い味方になってくれます。
軽いロードバイクなら、ダンシングするときも制御しやすいですよね。
脚力を無駄にしないためには硬いフレームが有効で、ペダルにかけた力がフレームに逃げずに伝わることも重要です。
コンフォートモデルでは乗り心地を重視して柔らかいフレームが多いので、ヒルクライム向きのロードバイクとは相反する特性を持っていますね。
アップライトなら坂でも漕ぎやすい
ヒルクライムはいくら機材にお金をかけても、平地よりつらいことには変わりありません。
体力を消耗すると息が上がり、体は酸素を必要としますよね。
しかし前傾姿勢になるヒルクライム中には、標準的なロードバイクの乗車姿勢だと、酸素を取り込むために効率的とはいえないことが多いのです。
坂道でのシッティングでは前傾姿勢になることを加味して、やや上体が起きるアップライトな姿勢のモデルがよりおすすめです。
乗車姿勢は改造でもある程度なら調整できるので、めぼしいモデルがなければ購入後に調整することも可能ですね。
レース使用ならトータルバランスで選ぼう
ここまでヒルクライム向きのロードバイクの特徴を挙げてきましたが、それぞれデメリットがあるのも事実です。
ロードレースではヒルクライムのみで勝敗が決まるわけではないので、そのデメリットが時にレースの勝敗を左右することすらあります。
このため、レースに使用するロードバイクでは、レース全体を見越したトータルバランスのいいモデルが有効な場合があることも覚えておきましょう。
ヒルクライム用ロードバイクに施すべき改造
ロードバイクは改造してこそ性能を発揮できる自転車です。
とくにヒルクライムでは坂道に適したパーツを重視して改造することで、よりヒルクライムでスピーディかつ省エネで走れるようになります。
もちろんカスタマイズもトータルバランスが重要ですが、ヒルクライム用では以下のポイントにとくに注力してみるのがおすすめです。
ホイールの換装
ロードバイクの改造としてポピュラーなホイールの換装は、ヒルクライムでもとくに威力を発揮します。
坂道では重さが命取りになりますが、なかでもホイールの重さはじわじわと体力を奪っていくからです。
ただし登りがあるということは下りもあるので、登板に自信がある人は下りでの安定性とスピードを重視して、ディープリムタイプのホイールを選ぶ場合もあります。
効果は大きいですが予算もかかるカスタマイズになるので、まずは現状のマシンでしっかりヒルクライムを極めて、そこから必要な性能を導き出してから購入したほうがいいでしょう。
ホイールについて詳しい情報はこちらから。
クランクをコンパクトに
クランクは、フロントギアにつながるアームまでのパーツです。
コンパクトというと小さなクランクに変えることだと思う方も多いのですが、実際にはクランクの長さは同じで、変わるのはチェーンリング、つまりギアです。
フロントギアを小さくすることでギア比が変わり、ヒルクライムでもペダルが軽くなるというわけです。
たいていホイールよりも安価で交換できますし、効果を実感しやすい改造なのでおすすめです。
ただしギア比を落とすとトップスピードも落ちるため、平地でのスピード感を大事にしたい方は要注意です。
サドルの変更
地味に思えるかもしれませんが、ヒルクライムではとても重要な改造です。
ヒルクライムでは立漕ぎしてロードバイクを左右に振る「ダンシング」という技術を用いることが多いですが、マシンの高い位置に重いものがあるととても制御しにくくなってしまうのです。
サドルはロードバイクの中でもっとも高い位置にあるパーツなので、軽量化することでバランスの改善につながります。
もしサドルを取り付けるシートポストも金属製なら、これもバランスを崩す原因になるので軽量なものに取り換えるのがおすすめです。
代表的なヒルクライム用ロードバイク
ヒルクライムは専門のレースが行われるほどに人気ですが、意外にも専用モデルは少ないです。
ロードレース全体を通してみれば、やはりトータルバランスに長けるマシンの方がメリットが大きいことも理由の一つでしょう。
それでもやはり、つらい坂道をマシンに頼って楽に上りたいという方も少なくないはず。
そこで、各メーカーからヒルクライムに適したモデルをピックアップしたので、ここでご紹介します。
GIANT TCR ADVANCED 2 KOM SE
King Of Mountainの頭文字をモデル名に持つ、まさにヒルクライムのためのマシンです。
販売価格210,000円(税別)で、重量7.9㎏は十分に優秀な数字です。
搭載しているホイールはやや重めですが、この価格ならホイールに予算をかけても高コスパといっていいでしょう。
公式サイト:2020 GIANT Bicycles│GIANT TCR ADVANCED 2 KOM SE(2020 NEW)
Trek Emonda SL6Disc Pro
ロードレースファンなら、Emondaといえばヒルクライムに適したモデルだというのはもうおなじみですね。
Emondaというのは日本語で「そぎ落とす」、つまり極限の軽量化を目指したモデルだと称されています。
最近ではディスクブレーキ搭載などヒルクライム用マシンのセオリーからははずれつつありますが、クライマーからの厚い信頼は揺るがない人気モデルです。
公式サイト:Émonda SL 6 Disc Pro│Trek Bikes(JP)
Cannondale SuperSix EVO
ヒルクライム用モデルの完成系とも称されるのがCannondale社のSuperSix EVOシリーズです。
5㎏台も優に狙える極限の軽量化が可能で、空力性能もあってダウンヒルでも有利、それでいて剛性もあり、ヒルクライム用モデルとしてはもはやいうことなし。
もちろんそれが合うか合わないかは人それぞれなので、事実完成系かどうかは言い切れませんが、ここまでのスペックがありながら無視できるクライマーはいないでしょう。
公式サイト:Cannondale:SuperSix EVO
ロードバイクNEWS
ロードバイクの本場ヨーロッパで人気の北欧メーカー「SWIX社」が展開する「バイク ケアライン」がついに日本初上陸!
ヒルクライムモデルにおいても、よりスムーズなペダリングで省エネするならバイクのメンテナンスは必須です。
ロードバイクの改造と同じぐらい、SWIXバイクケアラインを使ってメンテナンスにも気を使ってあげてくださいね。
バイクウォッシュ
自転車を清潔に保つ、ボディ全体に使える強力で優しいクリーナー。
低温でも問題なく利用できます。
ディグリーザー(脱脂剤)
効率的なチェーンクリーナー。
自転車チェーンとギア、シャフトなどのための非常に強力な脱脂剤。
バイク ルーブ ルブリカント(潤滑油)ウェット
水と汚れに強い耐久性!
オイルに適下することで、悪天候の過酷な条件下に対する耐久性をアップ。
自転車チェーンのすべらかな運行を助けます。
バイク ルーブ ルブリカント (潤滑油)ドライ
ほこりや乾燥した天候下でのより良いシフティングのために。
自転車チェーンに使うことで、摩擦係数を下げるスプレーです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。