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自分で海に潜り魚を突く『スピアフィッシング・魚突き』。アウトドア・アクテビティとしてはまだまだ知名度は低いですが、昨今のアウトドアブームや自然との共生を意識する傾向がある中で興味を持たれている方が年々増えているようにも感じます。より多くの方に海の世界の面白さや自身で殺生し食べ物を得ることの尊さを感じてもらいたいと思いますが、そこに至るまでの準備や安全管理は非常に大切です。今回は魚突きを始める前に、まずどんな道具を使うのかご紹介していきたいと思います。

手銛

まず魚突きに必要不可欠な手銛からご紹介します。手銛とは長い棒「シャフト」の先端に鉄製の銛先が付いたもので「ヤス」とも言います。

海辺の釣具屋さんなどには安価で手に入る竹ヤスを置いているお店もあり、まずは気軽に使える竹ヤスで魚突きを体験してみるのもいいかもしれません。

カサゴやカワハギなどの小さな魚は竹ヤスでも突くことができるでしょう。もう少し大物を狙うことを視野に入れた本格的な魚突きを行う際は、引きゴムを用いた手銛を使用した方がいいでしょう。

水深がより深く、より大きな魚を狙う場合には水中での魚の瞬発力にはそうそう敵いません。

竹ヤスよりも強度のあるカーボン製などのシャフトを用い、引きゴムを発射装置として魚に狙いを定め手銛を発射して仕留めます。

また、スピアフィッシャーマンにとって手銛は自分の手先のようなものなので熟練度が増すほど手銛にこだわる方が多くいます。

既製品を自分にとってより使い勝手をよくするか、更には自作し、自分にとって本当に使える道具までに高めることが魚突きにおいて主要な要素と言えるでしょう。

Ultimate Dive シングルウィング (カーボン/グラスファイバーポール / 210cm) 手銛/銛/モリ/魚突き/軽量/スピアフィッシング (アルティメットダイブ)
Ultimate Dive シングルウィング (カーボン/グラスファイバーポール / 210cm) 手銛/銛/モリ/魚突き/軽量/スピアフィッシング (アルティメットダイブ)

 

ウェットスーツ

夏だけの気軽な魚突きであれば水着で潜っていても問題ないでしょう。しかし上達していくと魚を探したり追いかけたり隠れている魚を待ち構えたりなど、突くまでに魚との駆け引きをしてようやく突けるため、長く海に入っていることが多々あります。

スピアフィッシング

出典 dive inn

また、夏だけでは飽き足らず魚影が濃く、脂が乗った美味しい魚が獲れる秋に潜りたくなってくるでしょう。

そうなると水着では寒くて潜っていられません。魚突きをやるとなったらすぐにウェットスーツの重要性に気づくことになるでしょう。

ウェットスーツは保温効果の他にもクラゲなどの危険生物との接触や岩にぶつかった時などにも体の保護に役立ちます。

また、ウェットスーツは浮く素材なので、もしもの時には救命胴衣にも成り替わるのです。

ウェットスーツにはワンピースタイプやロングジョン、ツーピースなどがありますが魚突きは上半身と下半身がセパレートになったツーピースタイプでフード付きのウェットスーツがベストです。

 

 MORGEN SKY ウェットスーツ メンズ 5mm/3mm スピアフィッシング ツーピース 素潜り フード一体式 2ピース 上下セット ロングジョン仕様
MORGEN SKY ウェットスーツ メンズ 5mm/3mm  フード一体式 2ピース 上下セット ロングジョン仕様


 このタイプのウェットスーツは密着度が高く体温が逃げづらくなっているため長時間潜る魚突きでは定番となっているのです。

また、ウェットスーツの生地となるネオプレン素材の両面にジャージ生地が張られたものは脱ぎはぎしやすくマリンスポーツなどではメジャーですが、魚突きでは「表ジャージ・裏スキン」がオススメです。

「スキン」とはジャージ生地が張られておらず、ネオプレン素材がむき出しになったものを指します。

つまり、ウェットスーツの外側だけにジャージ素材が張られたタイプで、ネオプレンが直接肌に密着した方がより保温性が増します。

1時間以上潜り続けることで体温が奪われやすい魚突きというスポーツにとっては、より保温性のある裏スキンのウェットスーツが最適なのです。

保温性が増す反面、ネオプレンは体の締め付けが強く傷が付きやすい素材なので脱ぎはぎに関しては慣れるまでが大変です。ジャージ生地が張られていれば扱いがとても楽です。

つまり、岩などに擦ってしまいがちな外側がジャージになっている「表ジャージ・裏スキン」が魚突きのウェットスーツにはベストなのです。

ネオプレンの厚さも様々なものがありますが、魚突きでは亜熱帯の真夏と真冬を除いたオールシーズンに適応できる5ミリタイプが定番です。

使い分けたり夏だけしか潜らない場合などは1.5ミリ・3ミリなどもあるので潜る環境や時期によって検討するといいでしょう。

 

ウェイト

ウエイト スピアフィッシング

出典 aucfan

ウェットスーツの項目でも記載したように、ウェットスーツは浮く素材なので何もしなければその浮力によって体が浮いてしまい潜れません。

ウェイトはウェットスーツの浮力を打ち消すために必要不可欠な重りです。基本はベルトに通し腰に装着します。

いざという時にすぐに外して浮上できるよう、ワンタッチで外せるような形状のベルトを選びましょう。

 

 

 

 

Salvimar (サルビマー) ウェイトベルト 348g cod. 400052B [フリーサイズ 調整可能]
Salvimar (サルビマー) ウェイトベルト 348g cod. 400052B [フリーサイズ 調整可能]

 

グローブ

グローブ スピアフィッシング

手首からも体温が逃げないように、手の保温にグローブは必要です。それ以上に怪我や危険生物からの保護という意味合いがグローブにはあるでしょう。

また、魚との駆け引きの際、手銛の引きゴムを引いた状態でしばらく静止するシチュエーションなども考えられますが、その時に滑り止めのついたグローブが役立つのです。

グローブは専用のものも販売されてますが、ホームセンターで売られている滑り止め付きのグローブで十分事足りるでしょう。

安価で使い勝手がよく、擦り切れてしまってもすぐに買い換えられるので手作業の多い魚突きにはおすすめです。自分の手にしっかりとフィットしたものを選びましょう。

 

 

ショーワグローブ No.371組立グリップクラスター ブラック Mサイズ 1双
ショーワグローブ No.371組立グリップクラスター ブラック Mサイズ 1双

 

マスク

マスク スピアフィッシング

出典 dive inn

海に潜る際には必要不可欠なマスク。いわゆる水中メガネです。

ダイビングやシュノーケリングをする人にとっても馴染み深い道具でしょうが、魚突きの場合はマスクを選ぶ際にいくつか抑えておきたいポイントがあります。

まずは顔にフィットするものを選ぶことが大切です。顔に合わない形状の場合、水が入って来やすかったりと使用中に煩わしさを感じてしまうでしょう。購入の際はできるだけ試着することをお勧めします。

それから、マスク内の容積が少ないものをお勧めします。なぜかというと、潜っていく際に水圧によってマスク内に残っている空気に圧がかかり目を圧迫するので途中で空気を逃がさなければならないのですが、マスクの容積が大きいほどそれを何回かに分けて行わなければならなくなります。

魚を見つけて潜って近づこうと思った時、その作業を煩わしく感じてしまうことがあるでしょう。マスクの容積が小さければ少ない回数で済むのでおすすめです。

また、魚突き用のマスクにはレンズが透明ではなくアーバンなどのカラーレンズのものがいくつか出ています。

魚が目の動きで狙われていることを察知して逃げてしまうことがあるためです。カラーレンズで顔にフィットするものがあれば選択肢にぜひ加えてみてください。

 

シュノーケル

シュノーケル スピアフィッシング

出典 omer

こちらも海に潜る時の必須アイテムです。シュノーケルはあまり大差ないようにも感じるかもしれませんが、これも選ぶ際のポイントがいくつかあります。

まずマウスピースの口がくわえやすく、呼吸がしやすいものを選ぶといいでしょう。

魚突きは長時間海に入りシュノーケルを付けていることになるので長い時間くわえていても顎が疲れない、ストレスのないものがおすすめです。

…とは言っても買う前に実際に試すことはできないので魚突きに定評があるシュノーケルをまずは選んでみるのがいいでしょう。

 

O.ME.R(オマー) SLALOM Snorkels 600651
O.ME.R(オマー) SLALOM Snorkels 600651

それでも必ずしも自分に合うものとは限らないのでシュノーケルはいくつか使って試してみることをお勧めします。

カーブの形状や筒の切り口の形なども物によって様々なので自分の顔にしっくりくる、使いやすい物はやはり使ってみないとわからないものです。

また、シュノーケリングには弁付きのタイプが便利ですが、砂が詰まるなど故障しやすいことが難点です。

海の真ん中で弁が機能しなくなってしまうことを想定すると魚突きではシンプルで壊れることがない弁なしのシュノーケルを選ぶ方が多くいます。

シュノーケルを選ぶ際はそういったことも考慮すると良いでしょう。

まずは前編として魚突きをする上でメインとなる道具や、海に潜る際に必ず必要となる道具をご紹介しました。魚突きの世界が少し垣間見えたのではないでしょうか。魚突きは道具のどれをとっても非常にシンプルで無駄がなく、全てが必要不可欠な道具と言えるでしょう。逆を言えば、無駄なものは命を脅かす危険さえあるため水中に持っていくべきではないのです。とてもシビアですが、道具の選択を慎重に行い、道具と向き合うことが海と向き合い、魚と向き合うということなのでしょう。次回は後編として魚突きならではの小道具などをご紹介しますのでどうぞお楽しみに。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。