焚き火にぴったりのシーズンがやってきました!そこで今回は、焚き火のなかでもパワフルな炎が楽しめる「二次燃焼」に対応した焚き火台に注目。その特徴や魅力を紹介します。普通の焚き火に飽きてきた人や、これから焚き火台の購入を考えている人はとくに必見です!
二次燃焼とは?
ゆらゆらとゆらめくオレンジ色の炎がきれいな焚き火ですが、実は目に見える炎や煙以外にも発生しているガスが多数あります。この一度で燃え切らなかったガスを、もう一度燃やしてしまうのが「二次燃焼」です。簡単にいえば、焚き火で発生する煙まで燃やしているような感じです。
二次燃焼に対応した焚き火台は、側面や底面が二重構造になっているものが多数あり、上部と横の下部に穴が空いています。この穴がポイント!下から取り込んだ空気が温められながら上昇し、上部から出た高温の空気が未燃焼ガスまでしっかりと燃やすことができるのです。
少し前まで二次燃焼に対応した焚き火台はごくわずかでしたが、キャンプブームの到来とともに増えてきて、今ではその種類も多種多様。かくいう筆者もブームにのっかり、サイズ違いで2台購入しました。ファミリーなら大型、ソロなら小型と使い分けています。
【商品名:フレイムストーブ MAX OF-BMAX】
・メーカー/富士見産業
・サイズ/展開時:約Φ36×H40cm 収納時:約Φ36×H23.5cm
・素材/ステンレス
【商品名:フレイムストーブ フレイムストーブ L OF-BFL】
・メーカー/富士見産業
・サイズ/展開時:約Φ17×H24cm 収納時:約Φ36×H11cm
・素材/ステンレス
二次燃焼ができる焚き火台の魅力
二次燃焼の焚き火台には、通常の焚き火台にはない独自の魅力がたっぷり!そのなかでも、筆者がとくにおすすめしたい4つの魅力を厳選してご紹介します。
炎がとにかくパワフルでキレイ
二次燃焼の最大の魅力は、やはりその炎の美しさでしょう。二次燃焼した炎の形は本当に見事としかいいようがありません。
焚き火台から勢いよく立ち上がる炎は圧巻で、まるで炎のタワーです。これこそ高温で二次燃焼している証。これは通常の焚き火台では見られないですよね。仲間や家族と一緒に眺めていると時間を忘れてしまいます。
燃焼効率がよい
二次燃焼することにより、薪の燃焼効率がグンとアップします。通常の焚き火台と比べると、同じ薪でも桁違いの発熱量がえられます。火のつきにくい広葉樹でも、針葉樹と同じようにガンガン燃えますよ。
また、二次燃焼の大火力は調理にもぴったり!焚き火用のフライパンを使って炒め物をすれば、まるでお店のようなプロ顔負けの仕上がりになります。
煙が少ない
二次燃焼は、通常の焚き火台では煙となってしまう成分までしっかり燃すので、煙の発生が格段に少なくなります。キャンプ場での周りへの気遣いも減りますし、なにより服や髪に煙が染み付きにくいのがうれしいポイントですよね。
風向きを気にする必要もありません。焚き火のときに、煙に追いかけまわされて席を何度も移動するあのわずらわしさから解放されるのです!
燃えカスが残りにくく、片付けやすい
二次燃焼は高温でしっかり燃えるので、終わったあとの灰や炭が少ないのも大きな特徴です。通常の焚き火台だと、燃え残った炭や大量の灰の処理に手間取りますが、二次燃焼対応の焚き火台ならそういった面倒がありません。
放っておけば、短時間で上部写真のようにすべて灰となります。あとは所定の方法で捨てるだけ。焚き火のあとの後片付けがぐっと楽になりますよ。
二次燃焼ができる焚き火台の注意点
二次燃焼に対応した焚き火は、通常の焚き火台とは異なる点がたくさんあります。これにともない、注意したいポイントも通常の焚き火台とは異なります。なかでも、以下の点は押さえておきましょう。
薪の消費が激しい
高温でパワフルに燃える分、薪の減りは非常に早いです。針葉樹・広葉樹問わず、ガンガンと消費します。大型の二次燃焼対応の焚き火台で、よく乾燥している針葉樹を使用すれば、一束あたり30分程度ですべて燃えてしまうでしょう。
焚き火を長時間楽しみたいのであれば、薪の使用量が増えることを見越して多めに準備することをおすすめします。
火加減の調節が難しい
二次燃焼対応の焚き火台は薪の燃焼効率を上げることに特化しているため、少ない薪でも火力は強くなります。そのため、ゆっくり燃やしたいときや弱火にしたいときの調節が少し難しいと感じるかもしれません。
弱火でコトコトと煮込むような料理や、焚き火を囲んでのんびり過ごしたいという人は要注意です。
コンパクトに収納できないものが多い
二次燃焼対応の焚き火台は、空気口や断熱構造の複雑な整備が必要になるため、どうしても大きめのサイズになりがちです。また、構造上の理由で、コンパクトに収納できないものもちらほら。
収納性を優先的に考えている人や、ミニマルキャンプにこだわりたい人などはよく検討した方がよいでしょう。
選ぶときのポイント
焚き火台の選び方は、キャンプスタイルによって人それぞれ。とくに、二次燃焼ができる焚き火台はその複雑な構造から、ものによって性能も大きく変わってきます。ここでは素材・サイズ・収納性という3つの観点から、それぞれのキャンプスタイルに合った焚き火台の選び方をご紹介します。ぜひ参考にしてください!
素材で選ぶ
主流は、ステンレスと鉄(鋳鉄含む)の2種類。ステンレス製は持ち運びやすく手入れも簡単ですが、熱でゆがみやすいというデメリットもあります。一方、鉄製はステンレスに比べて重く、サビやすさもありますが、熱には強く耐久性はバツグンです。また、しっかりと手入れをするほど「味」が出てくるのも鉄製のメリットです。
焚き火台は長くきれいに使いたいという人にはステンレス製、手入れをしながら「焚き火台(鉄)を育てる」楽しみを味わいたいという人には鉄製がおすすめ。自身の好みに合わせて選択してくださいね。
サイズで選ぶ
通常の焚火台と同様に、二次燃焼に対応した焚き火台もその種類やサイズはさまざま。とくにサイズについては、使う人数や目的によって大きく変わってくるでしょう。
ソロキャンプなら小型で十分ですが、家族やグループでのキャンプなら薪の投入がしやすく、調理スペースにも余裕のある大きめサイズがおすすめです。ただし、上記に記載したとおり、大きければそれだけ薪の消費も激しくなるので注意してください。
収納性で選ぶ
大小さまざまなサイズの選択はもちろんですが、車への積み込みや保管場所を考えると収納性も大切な要素のひとつです。分解できるタイプは場所を取りませんが、組み立ての手間は増えます。一方で、組立不要のものは、すぐに使えるというメリットはありますが、収納性はいまひとつといったところです。
車の積載容量や保管場所の大きさなども考慮しながら、自分のキャンプスタイルに合ったものを選ぶようにしましょう。
ライター
SUGURU
キャンプ歴11年。アウトドアと家族を愛するパパキャンパー。ともに暮らす妻と2人の娘はインドア派。家族の機嫌をうかがいながら週末キャンプ・ギア収集を楽しんでいる。最近は、気軽に楽しめる「おうちキャンプ」で一味違った新たなキャンプスタイルを模索中。2019年には庭の物置をDIYでキャンプガレージに改装。お気に入りのギアに囲まれて過ごす「ガレージキャンプ」という新たな試みも行っている。