春登山は日帰りでもレイヤリングが重要!
春登山は、ぽかぽかとした陽気のなかを軽い装備で登るというイメージを持つ人が多いかもしれません。
ですが、山にはまだまだ冬の気配が残っています。
一度天候が荒れればかなりの寒さにもなり、吹雪くこともあります。
天気予報も一日単位で変わることが多いので、多少の寒さに耐えられる装備が必要となります。
それこそ3月の春登山には、厳冬期用の装備を持ってくことになります。
4月や5月であれば、少し重さをおさえた装備がいいでしょう。
日帰りの春登山をするにあたって、大切なのは早く出て早く降りること。
それを実践するためにも、緊急時の装備以外は軽くしておきたいです。
登山の服装の基本は重ね着です。
この重ね着のことを登山用語では、レイヤリングシステムといいます。
肌着としてベースレイヤーを着用し、ミドルレイヤー、アウターと着用していきます。
レイヤリングがおすすめの理由は、服を重ねることで空気の層ができます。
この空気の層が防寒性能をアップしてくれるのです。
また、脱ぎ着ができるので暑さにも寒さにも対応できます。
汗をかいたらベースレイヤーだけ着替えれば、快適性が保たれるのも大切なポイントです。
ベースレイヤーを選ぶポイント
ベースレイヤーとは肌着のことをさします。
一番、肌に密着する部分ですので、素材は基本的にはウールか化繊を選びましょう。
乾きがよく、汗をできるだけ外に排出してくれるものがおすすめです。
触りごこちや暖かさで綿などを選んでしまうと、汗がなかなか乾燥しません。
そうすると、ミドルレイヤーまで濡れてしまうことも。
結局、汗冷えを起こして体調を崩してしまうことにもつながるのです。
体調を崩すほどではなくても、身体が冷えてしまえば登山中や登山後の疲れもひどくなります。
また、肌に触れることで発熱する肌着は注意が必要です。
このタイプの肌着は、登山中に通常の肌着よりも多くの汗をかきます。
そのぶん、体が冷えてしまったり疲れが増したりすることがあります。
ですので、発熱性のあるベースレイヤーを利用するならば下山後がおすすめです。
春でも山の空気は冷たいもの。
最悪の場合、低体温症となることもありますので、しっかりと考えて準備しましょう。
ミドルレイヤーを選ぶポイント
ミドルレイヤーは、いわゆる中間着と呼ばれるものです。
単に厚手のものではなく、フリースやインサレーション素材など、空気を含んでくれる服を選ぶのがよいでしょう。
ミドルレイヤーで、空気を含ませることができない服を選んだ場合、空気の層をつくれず防寒としての性能は低下します。
最近は、さまざまなメーカーからウールと化繊を掛け合わせた薄手なのに暖かいミドルレイヤーも出ています。
ミドルレイヤーは、ベースやアウターより選択肢が豊富なところが魅力。
いろいろなミドルレイヤーを検討したうえで、動きやすさなども考慮し、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
アウターを選ぶポイント
アウターは外からの防風と防寒のため、とても大切なアイテムです。
山に登る際にもっとも体温を奪うのは、内側からは汗、外側からは冷たい風です。
実際のところ、晴れて風の吹いていない日であれば、外気温がかなり低くても暑かったりすることもあります。
風をいかに防ぐかを考えたうえで、防寒性に優れた商品がアウターには求められるわけです。
また、雨天の可能性や山のなかの渓流にも対応できるよう、撥水性や防水性も必要になります。
防水機能がない場合、一度濡れたらなかの衣類まで染み込むので、重くなるし体も冷えてしまいます。
防水性もアウターには外せない要素なのです。
さらには、サイズ選びにも注意が必要になります。
お店ではぴったりサイズだったのに、重ね着をしたら動きづらいなんてことはありがちです。
そのためアウターは、少し大きめなものを選び、余裕をもって腕を上下させられるようにしましょう。
動きやすさのためには、綿の詰まったアウターではなくハードシェルな素材を選ぶことも大切です。
春登山の場合は、登山中に暑くなり脱いでしまうこともあります。
そのため、持ち運びのしやすさも考慮しましょう。
春登山の肌着は、着替えも用意
日帰り登山の場合、ミドルやアウターは着替えを用意する必要性はありませんが、ベースや靴下は着替えも持っていきましょう。
登山中は暑くても、登頂時や下山時は涼しくなるのが春山です。
汗をかいたままのベースレイヤーを着ていては、すぐに体が冷え切ってしまい、快適さも落ちます。
登頂時に着替えができるスペースがあれば、その場で着替えましょう。
そんなスペースがない場合は、下山後すぐに着替えることをおすすめします。