森林インストラクターの仕事とは?
森林インストラクターの仕事は、とても広範囲です。
人々に森林の持つ機能や役割、私たちが日々生活で受けている森林の恩恵を伝えるといった知識から、遊びやプログラムを通じて、自然の楽しさや怖さも指導します。
具体的には、参加者と森の中を歩いて、そこに生息する動植物を紹介することや、森林が出来上がるまでのプロセスを解説するガイド、バードウォッチング、キノコ採り、自然物を使ったネイチャークラフトなど、森林内での遊びや野外活動の指導を行います。
活動は、大人を対象とした森林散策もあれば、林間学校や自然教室など、子どもを対象とした指導を行うこともあるので、活動対象者の年齢は幅広いです。
それゆえ、森林インストラクターには、森林の知識や安全管理能力だけでなく、子どもから大人まで広く一般の人と接することができる、コミュニケーション能力も求められます。
また「森の案内人」である森林インストラクターは、里山の魅力を伝える人でもあります。
現代は、流通が発達し、貿易も盛んになったことで、食物や衣類も日本製に限らず、海外からの輸入品が多くなりました。
里山文化が全盛期だった頃の日本は、衣・食・住など生活に関するものは、すべて森林や山から頂いていました。
森林インストラクターは、そんな里山文化を伝える為に炭焼き教室や、森づくりに必要な間伐や植林などの作業を通して、人々に森林の魅力と価値を教える仕事です。
さらに楽しい企画やプログラムを開発することで、都市との交流を生み、地域住民と地域外の人々を結びつけるパイプ役といった重要な役割も担っています。
森林インストラクターの資格について
森林インストラクターの資格は、「全国森林レクリエーション協会」が実施する試験に合格することで取得できます。
資格試験は、森林インストラクターとして必要な知識および技能を有するかどうかを判定することを目的としたものであり、「一次試験」と「二次試験」からなります。
森林インストラクターの試験が行われるのは、毎年1回です。その為、申し込みには注意が必要です。
開催場所は、近年、札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、高知市、福岡市において行われています。
試験日程は、まず、一次試験(筆記)が9月下旬に実施されます。
その後、11月下旬に、一次試験合格者を対象に、二次試験(実技・面接)が、東京都で行われます。
一次試験の内容は、「森林」「林業」「森林内の野外活動」「安全及び教育」の4科目で、その多くが記述式となっています。
合否判定は科目別に行われます。一次試験の筆記は、出題範囲が広く、合格率は25%前後です。
決して簡単な試験ではありませんが、基礎を広く浅く勉強していれば、合格点を取ることはそれほど難しくはありません。
二次試験の実技試験は、あらかじめ提示される素材の一つを使い、森林インストラクターとしての模擬演技を実施します。
ただ「全国森林レクリエーション協会」が実施する「森林インストラクター養成講習」もしくは、あらかじめ協会の認定を受けた「森林インストラクターに関する講習の修了者」は、申請により実技試験を免除することが出来ます。
資格をどう活かす?
では、森林インストラクターの資格はどんな風に活かせるのでしょうか?
どんな資格試験でもそうですが、資格を取ったからといって、急に仕事が来るものではありません。森林インストラクターの資格も同じです。
ですから、仕事につなげたいのであれば、他の森林インストラクターの活動を見学したり、地域活動に参加したりと、自らどんどん行動を起こしていくことが大切です。
中には、イベント講師、学校や教育委員会から依頼で、出張授業をされている方もいます。
また、自然関連の施設、行政の農林関係、アウトドアショップなどに勤務した場合も、森林インストラクターの知識を役立てることが出来ます。
自然関連の施設、行政の農林関係では、森林に対する深い知識と理解、安全管理のノウハウが、事業の企画や実務に活かされます。
アウトドアショップ勤務の場合は、商品説明の際、森林散策や野外活動について一般の方より詳しいことで、商品を使用するよりリアルなイメージをお客さんに伝えられます。
接客時のアドバイスが的確になります。森林インストラクターの資格を有することで、顧客もあなたのことを「森林の専門家」として見るかもしれませんね。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。