週間天気予報とゲレンデコンディションをチェックして、雪質を予想しよう
まずは週間天気予報をチェックする癖をつけましょう。
降りたての新雪は、柔らかくふわふわしているのは想像がつくと思います。けれど、降雪後半日、そして2日、3日経ったらどのように変化しているでしょうか。
雪質の変化は気温や日射に大きく左右されます。
例えば、最近では温暖化の影響で、スキー場のある寒冷地域でも厳冬期の1月、2月に雨が降る事も珍しくありません。
積雪が降雨や気温の上昇、強い日射を受けると、融解を起こします。そして、夜間に気温が下がり氷点下に冷え込む事により、融解した積雪は再度凍結します。
こうなると、雪面は固いアイスバーンに変化する事になります。
その後、気温が上がれば再び融けて水分を含んだシャバシャバした雪に変化しますし、気温が上がらなければアイスバーンの状態が続く事になります。
逆に降雪後も気温が上がらず、日中でも氷点下が続くような場合には、比較的新雪に近い状態でゲレンデ状態が保存されます。またアイスバーンの上に降雪があった場合には、より複雑です。
一見すると新雪で柔らかそうに見えても、新しく積もった雪が5cmほどだったりすると、新雪の下はガリガリの固い斜面です。
ある程度まとまった降雪がないと、下層の固いアイスバーンの影響がなくなるようなコンディションには回復しません。
このように、ゲレンデの雪質というのは日々刻々と変化しています。
そのため、目的地のゲレンデの雪質を予想するためには、数日前から現地の週間天気予報やスキー場のHPでゲレンデリポートを随時チェックして準備しておく必要があります。
標高や斜面の方角での雪質の違いを知ろう
登山をする人には馴染みのある事ですが、気温は標高が100m上がる毎に約0.6℃下がると言われています。
つまり同じ地域のスキー場でも、標高500mのスキー場と標高1,500mのスキー場では、気温が6℃も違う事になります。
そのため、目的地のスキー場の標高を知る事は、雪のコンディションを考える上で大変重要です。
極端な例を言えば、ゲレンデの最上部と最下部の標高差が大きいスキー場では、上の方は雪が降っているけれど、下の方では雨が降っているという事も起り得ます。
また、他のスキー場ではアイスバーンである事が予想される時でも、標高の高いスキー場に行くと素晴らしい雪質が保存されていたりします。
逆に標高が高く気温が低いため、新しい降雪がないと、いつまでもアイスバーンの状態が続くと言う事も考えられます。
さらに、雪質の変化には斜面がどの方角を向いているかという事も大きく影響します。
積雪は日射の影響を強く受けます。特に南向きの斜面では、日中ずっと日射を受けるため、その影響が顕著です。
固く締まった雪面も、日射を受け気温が上がれば、融解してシャバシャバになっていきます。
逆に北向きの斜面の場合、日中もあまり陽が当らず雪面の状態が保存されることになります。
つまり、同じスキー場内であったとしても最上部か最下部か、北向き斜面なのか南向き斜面なのか、また日向か日陰かといった条件の違いで、雪質が大きく違っていたりします。
こういった基本的な事を踏まえて週間天気予報をチェックする事により、ある程度雪の状態を予測する事が可能になります。
時間帯や時期、地域によっての違いも意識してみよう
冬になると西高東低・冬型の気圧配置という言葉を天気予報などで聞く事が増えると思います。
シベリア寒気団という乾いた寒冷な空気の高気圧が大陸で発生し、日本の東にある低気圧に向かって北西の風が吹き込みます。
この冷たい風が大陸から日本海を渡ってくる時に、海上の水蒸気を蓄え雲が発生します。この雲が日本の山々にぶつかることにより、雪を降らせます。
最初に雲が山にぶつかる日本海側では大雪になる事も多く、また標高が低く日本海に近いところほど水分を多く含んだ湿った雪が降る傾向があります。
内陸部に行くに従い雪の量、水分ともに少なくなり、標高の高い内陸のエリアでは乾いたサラサラの雪が降ります。
また太平洋側では晴れる事が多くなります。上空の寒気の温度によっても左右され、強い寒気の時には大雪になります。
こうした条件を踏まえ、もちろん天気予報で各地の情報を入手する事が前提ではありますが、サラサラの乾いたパウダースノーを楽しみたい場合は内陸部の標高の高いスキー場へ、少し湿気を含んだ踏み応えのある雪質を楽しみたい、もしくは大雪を楽しみたいという場合は、より日本海側のスキー場へといった選び方も出来ます。
2月の後半に入ると、日本では冬型の気圧配置が緩みだんだんと暖かく晴れる日が多くなってきます。
そうなると、日中に雪面が融け夜間に冷え込んで再凍結するという事を繰り返す事が多くなってきます。そのため雪質の予想はより難しくなってきます。
日中は再び雪が緩む事を見越して南向きの斜面を選ぶなど、時間帯によって滑る斜面を変える事も有効です。
また、この時期には南岸低気圧が発生し、太平洋側に大雪を降らせる事もあります。こんな時は、普段積雪の少ない地域のスキー場でも、フカフカの大雪を楽しむチャンスでもあります。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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