目的地のある登山・歩くことが目的のトレッキング
まず、トレッキングとハイキングの違いを説明する前に、登山との区別をつけておく必要があります。
一般的に登山は、山の山頂に登頂することを目的とした「山登り」のことを指します。
一方、トレッキングの目的は「山を歩く」こと。
トレッキングは登山ほどハードなアクティビティではありませんが、歩く山によっては登山並みの装備が必要な場合もあります。
日帰りでできるものから、何日かかけていくつかの山を縦走(山頂に立ったあと下山せずに次の山に向かうこと)するなど、全国各地にさまざまなコースが存在します。
初心者コースからはじめて、どんどんハードルを上げながら上級者コースに挑戦するなど、達成感を味わうといった楽しみかたもできます。
トレッキングの種類は豊富
山だけでなく、川沿いや雪原を歩くトレッキングもあります。
登山との線引きははっきりとはできないものの、低山に限らず自然の中を歩くことのほとんどがトレッキングに分類されるといってもいいでしょう。
また、歩くことに限らず、マウンテンバイクやスキーを使って山を進むトレッキングもあり、いろいろなスタイルで楽しめるのが魅力です。
関東近郊のおすすめトレッキングコース
陣馬山~高尾山縦走コース(約6時間半)東京都
軽装で登れることで人気の高尾山。
陣馬山と高尾山を縦走するトレッキングコースは、東京都内で気軽にトレッキングに挑戦することができるため、観光客にも人気のコースです。
標識もわかりやすく設置されており、途中で下山できる道もあるので初心者でも安心して歩けますね。
陣馬山の山頂には、そばやおでんが頂ける茶屋があるのもうれしいポイントです。
表尾根縦走コース(7時間)神奈川県
展望の良さで人気の表尾根を歩く上級者向けのコース。
ヤビツ峠-二ノ塔-三ノ塔-鳥尾山-行者岳-新大日-木ノ又大日-塔ノ岳を縦走します。
けわしい岩場や急な上り坂があるので、トレッキングに慣れてから挑戦することをおすすめします。
三ノ塔と塔ノ岳からの景色は絶景で、天気がいい日には富士山を望むことができますよ。
足場が危険な場所もあり時間もかかるコースですが、1491m(塔の岳)でしか味わえない空気とすばらしい景色を見て、疲れも少し和らぐことでしょう。
景色を楽しむことが目的のハイキング
基本的に平坦な道を軽装で歩くことをハイキングといいます。
場所は高低差の少ない山や、舗装された道路など、さまざまです。
ハイキングの目的は、自然に触れることでその土地の歴史を知ることや、普段見ることのない景観を楽しみながら歩くこと。
少しハードなトレッキングと違って、時間と距離が短めのコースばかりなので、年齢を問わず気軽に参加できるアクティビティです。
適度な運動にもなるので、健康維持のためにハイキングを趣味にしている方も多くいます。
関東近郊のハイキングコース
都民の森(1~5時間)東京都西多摩郡
落差35mの三頭大滝をつり橋から眺められたり、富士山が望める三頭山を歩いたり、自分の体力に見合ったコースを選ぶことができます。
都民の森の拠点である森林館には、自然や動物などの情報を知ることができる展示棟や、レストランなどがあり、ひと休みに利用するのもいいですね。
鋸山(1時間半~2時間半)千葉県
山頂の岩肌にせり出したスリル満点なスポット、「地獄のぞき」で有名な鋸山(のこぎりやま)を歩くコースです。
ロープウェーを利用すると楽に山頂まで行くことができますよ。
たくさんの石仏や、高さ31mもある大仏も見ることができ、飽きずに楽しむことができます。
トレッキングとハイキングに必要な知識
トレッキングの服装や持ち物
トレッキングは本格的な登山道を歩くコースが多く、ごつごつした岩場を通ることもあるため、靴は登山靴が最適です。
登山靴といっても種類は豊富で、トレッキング用の靴も多くあります。
実際にお店で店員さんと相談しながら自分に合った靴を選ぶことをおすすめします。
長い距離を歩く山の中では足が痛くても途中で引き返せないことがほとんどです。
そのため、靴は一番大事なアイテムといっても過言ではありません。
服装は、速乾性のある素材のものを選びましょう。
着替えや羽織える上着も持っていくのがベストです。
虫さされや草木で傷つける可能性があるので、真夏でもあまり肌を出す服装は避けたほうがいいですね。
ハイキングの服装や持ち物
ハイキングは、スニーカーに動きやすい服装で十分です。
歩くだけでも汗をかきますので、速乾性のあるTシャツや日よけ・虫除けのために長袖がおすすめ。
できる限り荷物も少なめにすると良いでしょう。
トレッキングやハイキングで起こる危険
「山や自然のなかでは、なにが起こるかわからない」と、頭へ入れておきましょう。
たとえば、慣れない岩場で転んだり、街にはいない虫や動植物によって命の危険にあったり。
いつのまにか道からそれて、遭難する可能性もありますし、急激な気温の変化で低体温症を引き起こすことも。
正しい服装と、計画をしっかり立てること、そして目的の場所の情報を調べてから出かけましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。