近年は登山ブームやインバウンドの影響もあり、ガイドの需要が高まっています。山を愛する方の中には、いつかは自分もガイドの仕事がしたいと志望している方も多いでしょう。ガイドと一言で言っても、自然ガイド、登山ガイド、山岳ガイド、スキーガイドなど、様々な種類があります。今回は、ガイドを目指すために必要な資格や、資格の種類についてお伝えします。

どうすればガイドになれる?

自然ガイド 登山ガイド 山岳ガイド

ガイドになりたい!と思っている方の中には、全く登山経験が無いという人はいないはずですよね。まず、ガイドになるには登山の経験があり、山を熟知していることが大前提です。

ガイドは道を案内するだけでなく、天候や同行者の体力、体調などを考慮し、危険時に正しい判断ができ、安全確保ができる能力が求められます。これはとにかく、今までどれだけ山を登ってきたか、という経験に勝るものはありません。

実は、ガイドになるには資格の取得は必須ではありません。「今日から登山ガイドです」と言って起業することもできてしまうのです。島の旅館や民宿などのサービスで、地元の山を案内するネイチャーガイドなどはこれに当てはまります。

しかし、ガイドを本業として生計を立てていくなら、ガイド協会やガイドクラブに所属するのが賢明です。どの協会も、入会には資格の取得が必須となっています。現在、国内で山のガイド資格の認定を行っているもっとも大きな組織が、日本山岳ガイド協会です。

 

公益社団法人日本山岳ガイド協会とは

 

公益社団法人日本山岳ガイド協会は、1971年に社団法人日本アルパイン・ガイド協会として設立されました。設立時の会長は、熱心な登山家としても知られる故橋本龍太郎元首相です。

さまざまなガイドグループや協賛グループを統括している国内最大の山岳ガイド協会で、国際山岳ガイドを認定できる日本での唯一の機関でもあります。登山の安全と自然保護に関する教育指導者を育成し、正しい登山を普及させ、自然保護活動の推進を図っています。

もっとも力を入れているのが山岳ガイドの養成、認定、研修です。ほかにも、山岳スポーツにおける安全に関する調査や、書籍の出版、山岳スポーツ施設の管理、運営なども行っています。

認定している資格の種類

自然ガイド 登山ガイド 山岳ガイド

日本山岳ガイド協会が認定している登山に関する資格は以下の通りです。

  • 自然ガイド(ステージⅠ・Ⅱ)
  • 登山ガイド(ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ)
  • 山岳ガイド(ステージⅠ・Ⅱ)
  • 国際ガイド

ほかに、フリークライミングインストラクター、スキーガイドなどもあります。上から下の順に資格取得の難易度が高くなります。名前の雰囲気が似ているので、どう区別されているのか分かりにくいですが、簡単に説明すると、案内できる山の範囲で分けられます。

【自然ガイド】雪の無い時期の高原、山野、里地里山などが活動エリアで、山頂へ行く登山は行えません。

【登山ガイド】夏山の一般登山道を案内することができますが、ザイルを使うような難易度の高い山は不可です。

【山岳ガイド】ステージⅡまでいけば、日本国内で季節を問わず、どんな山でも案内することができます。

 

そのほかの山岳関連の認定資格

登山 ガイド 資格

日本山岳ガイド協会が認定する資格のほかにも、山に関わる方向けの新たな資格があるのをご存じですか?今回は、2019年に発足した日本アウトドアトレーニング協会が認定する「JOTA-OMT(アウトドア マウンテン トレーナー)」を紹介します。

日本アウトドアトレーニング協会とは

日本アウトドアトレーニング協会は「アウトドアを、ずっと健康に。」を合言葉に、一般市民の健康の維持増進を図るために設立されました。

野外で行うスポーツやアクティビティを、健康になるためのトレーニングと捉え、その知識や技術を習得した専門家を生み出すことを目的として活動しています。現役でアウトドアフィールドの最前線に立つ方からの指導を受けられる場を設け、「アウトドアで健康になり、趣味を楽しめるように指導する人材」を育成しサポートします。

日本アウトドアトレーニング協会認定資格

日本アウトドアトレーニング協会が認定している、登山に関する資格に「JOTA-OMT(アウトドア マウンテン トレーナー)」があります。

アウトドアマウンテントレーナーは、登山やハイキングなどに向けた準備やアクティビティそのものを、安全かつ効果的に指導する専門家のための資格です。既にガイド資格を持つ方が、トレーニング理論などの指導者が身につけるべき能力を補うために受講するケースも。

前述のトレーニング理論に加え、登山理論や法令遵守など幅広いカリキュラムを基礎から学べるため、はじめて専門知識を学ぶ方もチャレンジできます。また、資格取得にかかる費用や時間も、比較的受けやすい設定になっています。

 

資格取得の流れ&資格更新

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各資格の取得方法を紹介します。

公益社団法人日本山岳ガイド協会認定資格の取得方法

まずは一次試験を受けます。自然・登山ガイドは筆記のみ、山岳は筆記に体力・適性試験も加わります。一次に合格すれば、二次試験&義務講習を受けられます。

登山ガイドは3~4つほど、山岳ガイドになると6~7つほどの検定試験と講習を受けなければならず、1回の講習は2~5日かかるため、1年くらいかけて取得する人が多いようです。

ただし、1年間で取得しなくてはいけないわけではなく、最大3年間まで有効期間があるため、スケジュールは組みやすいでしょう。

日本アウトドアトレーニング協会認定資格の取得方法

15時間の資格取得講習会内で、筆記試験と実技試験(運動指導)を受け、課題を提出します。

3連休などのタイミングでいっきに受講・資格取得ができるよう、講習会日時の設定がされることが多いため、事前にスケジュール確保をすれば短期間で取得できます。

試験の出題範囲が広いため、指導未経験の方は覚えなければならない知識が多いですが、会期中に努めれば決して合格率は低くないそうです。詳しくは公式HPよりお問合せください。

自分に合ったガイドの資格を取ろう

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資格の種類が多いため、いざ思い立っても、どれを受けたらいいのかわからないかもしれません。大事なのは、どんなガイドになりたいのか、ということです。今まで山をどの程度やってきたか、どのくらいのスキルがあるのかも重要ですが、中にはスキルがあっても上級資格を目指さない人もいます。難しい山はプライベートで楽しみ、ガイドは中級クラスの山までという考えなんだそう。

上級の資格取得にはお金も時間もかかりますし、山の難易度が上がれば上がる程、ガイドの負担は重くなっていくため、無理に上を目指さなくてもいいというわけです。一般的な日本の夏山ガイドであれば、登山ガイドのステージⅠがあれば十分かと思います。もちろん、世界中の山を案内したい!という夢をお持ちの方は、是非国際ガイドを目指して頑張ってくださいね。

詳しくは、公式HPでご確認ください。

山のガイドは、お客様の命を預かる大変な仕事であるとともに、自然の美しさや楽しさを伝えることができる素晴らしい仕事です。やはり、モチベーションの原点は、「山が好き」ということ。その気持ちがあれば、厳しい試験も乗り越えられそうですね。是非、自分のスタイルに合ったガイド資格を取得してください。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。