蜜蝋ラップは、自然由来の素材で作られた、洗ってくり返し使えるエコなラップです。実は、材料さえそろえば自宅で手軽に手作りできるアイテム。所要時間は約10分と、初心者でも失敗なく作れます。この記事では、蜜蝋ラップの作り方を、材料・手順・失敗しにくいポイントまで丁寧に紹介します。ぜひ気軽に挑戦してみてくださいね。
サステナブルな暮らしのアイテム「蜜蝋ラップ」

蜜蝋ラップは、コットンなどの布に蜜蝋(みつろう)を染み込ませて作る、天然素材の食品用ラップです。抗菌性・保湿性・通気性に優れており、野菜や果物の保存はもちろん、パンやおにぎりを包んだり、アウトドアでの食材を持ち運んだりと、幅広く活用できます。
また、一般的な食品用ラップと違い、水洗いして繰り返し使えるため、節約やエコにもつながります。
蜜蝋ラップの使い方について詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
手作り蜜蝋ラップの材料・道具

蜜蝋ラップ作りに必要な材料は、どれも手に入りやすく、特別な道具や準備は必要ありません。手芸店やオンラインショップでは、布や蜜蝋がセットになった「手作りキット」も販売されているため、初めての人はキットから始めてみるのもおすすめです。
【材料】
- お好きな布(綿100%の薄手のもの)
※20〜25cm角の正方形が初心者には扱いやすいサイズ - 蜜蝋(ビーズワックス)
※ビーズ状の蜜蝋がおすすめ。布1枚(20〜25cm角)につき、約10〜15gが目安
【道具】
- クッキングシート(2枚)
※蜜蝋ラップよりひとまわり大きいサイズ - 新聞紙(4〜5枚)
- アイロン
- アイロン台
今回は、アイロンを使った蜜蝋ラップの作り方を紹介します。
アイロンがない人には、トースターを活用して蜜蝋ラップを作る方法もあるので、後ほど紹介します。
簡単3STEP!蜜蝋ラップの作り方
蜜蝋ラップ作りは、たった3つのステップで完成します。所要時間は10分ほど。作業にはアイロンを使用するため、取扱いには十分注意しましょう。
STEP1:布の上に蜜蝋をムラなくのせる

作業台(アイロン台)に新聞紙を4〜5枚重ねて敷き、その上にクッキングシート 、 布の順でセットします。次に、蜜蝋を布全体にまんべんなくふりかけましょう。
ムラにならないよう、均一に配置するのがポイントです。とくに角や端までしっかりカバーするよう意識すると、きれいに仕上がります。
STEP2:アイロンで蜜蝋を溶かし、布に染み込ませる

布の上にもう1枚のクッキングシートを重ねたら、低温(80〜120℃)のアイロンでゆっくりと熱を加えます。※スチーム機能はオフにしてください。
アイロンはすべらせず、軽く押し当てるようにして蜜蝋を溶かしていきましょう。蜜蝋が溶けて、じんわりと布に染み込んでいく様子が見えたらOK。全体にまんべんなく染み渡るように、ときどきクッキングシートをめくって様子を見ながら、足りない部分には蜜蝋を追加して調整しましょう。
STEP3:冷まして固めたら完成
全体に蜜蝋が染み込んだら、クッキングシートをはがして熱が取れるまで、数分待ちます。
しっかり冷めて蜜蝋が固まったら、底面のクッキングシートを外して完成です。
番外編【アイロンを使わない方法】
アイロンが手元にない人や、アイロン作業に不安がある場合は、トースターを利用しても蜜蝋ラップを作れます。
- オーブントースターの中に、クッキングシート、布 、 蜜蝋の順で重ねてセットします。蜜蝋は布全体にまんべんなく散らしましょう
- オーブントースターで、160℃約2分加熱します
- 蜜蝋が溶けてきたら、スプーンやフォークの背で全体を均一にのばし、冷やし固めれば完成です
オーブントースターによって加熱具合に差が出やすいので、加熱ムラや焦げに注意しながら、目を離さずに作業してくださいね。
初めてでも大丈夫!蜜蝋ラップをより上手に作るためのコツ

蜜蝋は溶けて布に浸透するので、表裏どちら側からでもOK。最終的には布全体に行き渡ります
初めて蜜蝋ラップを作る人のために、よくある失敗を防ぐ2つのポイントを紹介します。少しのコツで長く使える蜜蝋ラップに仕上がりますよ。
布は薄手の綿100%がベスト
厚手の布やポリエステル混の生地は、蜜蝋がうまく染み込まず、ムラになりやすいため不向きです。タオル生地も厚みがあるので避けた方がいいでしょう。
一方、薄手のコットン生地なら、蜜蝋が馴染みやすく、初心者でも均一に仕上がります。使わなくなったハンカチや、端切れを活用すれば、よりサステナブルな蜜蝋ラップになりますよ。
蜜蝋の量は少しずつ様子を見ながら調整
蜜蝋を一度にたくさんのせると、布がベタついたり、固くなりすぎることがあります。量を悩む場合は、最初は少なめにふりかけて、溶かしながら足りないところに追加するのがいいでしょう。
とくに角は蜜蝋が行き渡らないことがあるため、アイロンを当てながら確認してみてくださいね。少しずつ調整しながら作れるのも、蜜蝋ラップが初心者でも扱いやすく、失敗しにくい理由のひとつです。
蜜蝋ラップを手作りするメリット

蜜蝋ラップは、市販でも手に入りますが、自分で作るからこその魅力があります。
コストを抑えられる
市販の蜜蝋ラップは、1枚で1,000円前後するものもありますが、手作りなら数百円で1枚作れることも。蜜蝋と布のストックがあれば、必要なサイズを、必要なだけ作れるのも手作りのメリットです。
さらに、お気に入りの布で作れば、使うたびに気分が上がり、愛着もひとしお。市販品ではなかなか好みの柄が見つからないという人にもおすすめです。
自分でメンテナンスして長く使える
使っていくうちに、蜜蝋が少しずつ剥がれてきますが、蜜蝋をもう一度溶かして染み込ませれば、再び快適に使えるようになります。
方法は簡単。手作りしたときと同じように、新聞紙の上にクッキングシート、蜜蝋ラップ、さらにクッキングシートを重ねて、低温のアイロンでゆっくり蜜蝋を溶かすだけです。様子を見ながら、必要に応じて蜜蝋を少し足すとよいでしょう。
蜜蝋ラップの寿命は、一般的に半年〜1年ほどといわれていますが、メンテナンスを取り入れることで、より長く愛用できます。
市販の蜜蝋ラップでも、同じようにお手入れできるものがありますが、使用上の注意を確認し、不明な点があれば販売元に問い合わせてみるのがおすすめです。
親子や仲間で作る楽しさがある
蜜蝋ラップ作りは、工程がシンプルでわかりやすいため、親子でも、友人同士でも楽しめる手仕事です。
子どもと一緒に取り組む場合は、アイロン作業で大人のサポートが必要ですが、蜜蝋を布の上に並べる工程など、夢中になって取り組んでくれます。
一緒に手作りすることで、「エコ」や「ものを大切に使うこと」について、親子や仲間同士で自然と話す、良いきっかけにもなりますよ。
ライター
AYA
静岡県出身。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育ち、結婚後に、タイ・バンコクへ移住。病気がきっかけで、ヴィーガンのライフスタイルに目覚める。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら、人と環境にやさしいサステナブルな暮らしを実践中。自身の経験をもとに、ヴィーガン、環境問題、SDGsについて情報を発信している。