クロスバイクがキャンプに適している理由
クロスバイクといえば、主に街乗りにつかわれる自転車というイメージがあり、キャンプに適しているというのは少し意外かもしれません。
しかし、そもそもクロスバイクは、ロードバイクの軽快さと、マウンテンバイクの頑丈さを両立させるというコンセプトで生まれた自転車。快適性とタフネスの双方が要求されるキャンプツーリングには、実はクロスバイクがピッタリなんです。
クロスバイクがキャンプに適している理由を、機能面から具体的に説明しますね。
ブレーキの制動力が高い
クロスバイクはブレーキ力が高いため、キャンプツーリングに向いています。荷物が重くなりがちなキャンプツーリングでは、ブレーキの性能は重要なポイントです。
クロスバイクのブレーキには、主に「Vブレーキ」と「ディスクブレーキ」という2つの種類があります。どちらのブレーキも、一部のロードバイクにつかわれている「キャリパーブレーキ」に比べて、高い制動力をもつのが特徴です。
また、クロスバイクのブレーキレバーは、ドロップハンドル車のブレーキレバーと比較すると、とっさに握りやすい形状になっています。
総じて高いブレーキ力をもつクロスバイクは、荷物の多いキャンプに適しているといえるでしょう。
キャリア(荷台)が取りつけられる
キャンプ道具を運ぶのに便利なキャリア(荷台)を取りつけられるのも、クロスバイクの特徴です。ほとんどのクロスバイクには、キャリアを取りつけるための「ダボ穴」と呼ばれるネジ穴がついています。
一方、スピードを重視して設計されるロードバイクの場合は、ダボ穴がついていないか、耐荷重が大きくない場合がほとんど。荷物が多くなるキャンプツーリングでは、クロスバイクのようなキャリアが取りつけられる自転車が便利です。
タイヤが太い
ほとんどのクロスバイクには、28C以上の比較的太いタイヤが取りつけられており、キャンプツーリングに適しています。対パンク性能が高く、安定して走行できるためです。
さらに、太めのタイヤを選べば、乗り心地が向上するという大きなメリットも。クロスバイクなら、快適にキャンプツーリングができるでしょう。
価格が比較的安い
価格が比較的安いのも、クロスバイクがキャンプに適している理由です。キャンプツーリングでは、未舗装路を走ったり、荷物を満載したりと、自転車に負担をかけてしまう場面が多くあります。
また、あまりに高価な自転車だと、買い出しのときにスーパーの前などに停めておけませんね。テントの外に放置するのも気が引けてしまいます。価格が安く、よい意味で「雑に扱える」クロスバイクなら、気軽にキャンプツーリングに出かけられますよ。
クロスバイクに荷物を積む2つの方法
クロスバイクに荷物を積む方法には、大きく分けて2つあります。それぞれの方法のメリット・デメリットと、必要になるものを説明しましょう。
①従来どおりの「キャリア」をつかう方法
自転車での旅行で伝統的につかわれてきたのが、キャリアに荷物を積載する方法です。キャンプツーリングときくと、こちらの方法をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
メリット | ・大量の荷物を積める ・積み下ろしの手間が少ない |
デメリット | ・総重量が大きくなる ・輪行時には、キャリアを取り外す手間がかかる |
キャリアで荷物を積むためには、以下のものが必要となります。
パニアバッグ
キャリアのサイドに取りつけるバッグです。キャンプにつかう場合は、容量がなるべく大きく、防水性のものがおすすめですよ。
ネット
キャリアの上に積む荷物を、固定するために使用します。100円ショップでも入手可能です。
②軽量で新しい「バイクパッキング」スタイル
キャリアではなく、自転車本体に複数のバッグを取りつけて荷物を積む方法を「バイクパッキング」といいます。キャリアが取りつけられない自転車で長期間のツーリングを行うために、新しく登場したスタイルです。
メリット | ・キャリアをつかう方法に比べて軽い |
デメリット | ・容量が小さめ ・荷物の配置が難しい |
バイクパッキングの積み方で、必要なものを挙げてみましょう。
サドルバッグ
サドルの後ろに取りつけるバッグです。ほかのバッグと比べて容量が大きいので、かさばるものを入れられます。
フレームバッグ
トップチューブの下、車体の中央に取りつけるバッグです。
ハンドルバーバッグ
ハンドルの前の部分に取りつけるバッグです。
トップチューブバッグ
トップチューブの上に取りつける、小さめのバッグです。スマートフォンや補給食、よくつかう小物などを入れます。
キャンプツーリングにおすすめのクロスバイク4選
ほとんどのクロスバイクはキャンプツーリングに十分なスペックを備えていますが、とくにキャンプとの相性がよいものをピックアップしてご紹介します。
①長距離ライドも快走/MARIN「NICASIO SE」
MARIN(マリン)が開発した「NICASIO SE(ニカシオSE)」は、街乗りからアドベンチャー、長距離ライドまで、幅広い用途につかえるクロスバイクです。
マウンテンバイクに強みをもつマリンならではの装備が充実。たとえば、ハンドリングしやすい650Bサイズのホイールや、衝撃でのチェーン落ちを防ぐナローワイドチェーンリングなどを備えています。
さらに、衝撃の吸収性に優れたクロモリ(クロム・モリブデン鋼)のフレームと、雨の日でも高い制動力を保つ油圧ディスクブレーキを装備。キャンプに最適なクロスバイクです。
②大人気シリーズのクロモリモデル/GIOS「MISTRAL CHROMOLY」
「MISTRAL CHROMOLY(ミストラル クロモリ)」は、イタリアの老舗ブランド、GIOS(ジオス)が展開するミストラルシリーズのクロモリモデルです。
ミストラルシリーズの特徴は、ホイールとコンポーネント類にすべてシマノ製のものが使用されていること。シマノは日本の大手自転車パーツメーカーで、製品の品質と耐久性に定評があります。
フルシマノパーツの安定感と、ジオスらしいシックなデザインが魅力の一台です。
③気軽なオフローダー/GIANT「GRAVIER」
世界最大のスポーツ用自転車メーカー、GIANT(ジャイアント)が販売する「GRAVIER(グラビエ)」。街乗りを中心とした使い方を想定しながらも、ある程度の悪路を走破できるように設計されたクロスバイクです。
フレームには剛性と快適さのバランスが取れたALLUXグレードのアルミを採用。オフロードでの走行を考慮しつつも、非常にキビキビと走ってくれる自転車です。普段は通勤・通学用に、週末は近場へのツーリング用にという使い方はいかがでしょうか。
④カジュアルなグラベルバイク/JAMIS 「SEQUEL S3」
「SEQUEL S3(セクエル S3)」は、オフロード車に強みをもつアメリカのメーカー、JAMIS(ジェイミス)が展開する自転車です。店頭ではクロスバイクとして販売されていますが、厳密にいうと「フラットバーグラベルバイク」というジャンルに属します。
これまでのグラベルバイクには、ロードバイクなどと同じドロップハンドルが採用されることが普通でした。しかし、より操作がしやすく、カジュアルに乗れるフラットバーハンドルのグラベルバイクが登場。現在、じわじわと人気を広げています。
油圧式ブレーキ、650Bタイヤなどの頼もしい装備と、オフローダーらしい剛健なデザインが印象的なバイクです。本格的なグラベルバイクにも劣らない、悪路への走破性を備えたセクエル。キャンプツーリングの頼れる相棒になるでしょう。
クロスバイクを選ぶときの注意点
ネット通販などで、クロスバイクとして低価格で販売されている自転車のなかには、いわゆる「ルック車」と呼ばれるものがあります。品質が粗悪なものもあるため、注意が必要です。
初めてクロスバイクを購入する際は、一度店舗でどのようなタイプが欲しいのかを相談してみるとよいでしょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。