夏登山の服装は2つの変化に備えることが大切
夏登山では、おもに2つの気候変動を想定して服装を準備することが大切です。
その1つは寒さ。
まずは、寒さ対策を考えて服装を準備するようにしましょう。
2つ目は、雨や雪に関する対策です。
いくら暖かい服装をしていても、濡れてしまってはどうしようもありません。
雨に濡れると低体温症になる恐れがあるので、雨対策は入念に行う必要があります。
山の寒さに備える
登山の服装選びで大切なことは、登る予定の山の気温を知ること。
日本気象協会「山の気温」などを見ると、山の標高別の午前9:00と午後15:00の気温予想が参考になります。
登る予定の山が日本気象協会「山の気温」にない場合は、近くの山の情報を参考にして気温を予測するようにしましょう。
山の雨(時には雪)に備える
雨に備える服装としては、一番外に着るアウター用のジャケットなどがありますが、上半身だけでなく下半身や足元、ザックの雨対策も必要です。
代表的なものとして、レインパンツ、ザックカバー、シューズカバーなどが挙げられます。
どれもかさばらないアイテムなのでザックの中に準備しておきましょう。
夏登山でのレイヤリングについて
登山の服装の基本は、レイヤリングだとよく言われます。
レイヤリングというのは重ね着したものを脱いだり、着たりして体温調節をすることを意味しています。
基本となるレイヤリングは、肌に触れるベースレイヤー、その上に着るミドルレイヤー、そして一番外側のアウターレイヤーの3層です。
基本的な3層のレイヤリングで、山の変わりやすい気候変動に対応できるようにしましょう。
たとえば、5層も6層ものレイヤリングだと、山登りをしている最中に衣類を着たり脱いだりするのが大変です。
最小限のレイヤー3層で対応できるように、衣類の素材や機能性について、入念に調べるようにしてください。
以下では、主なレイヤー別のおすすすめできる素材をまとめてみました。
ベースレイヤー
ベースレイヤーは直接肌に触れて汗を吸収するため、汗をよく吸って、外へ放出する機能が重視されます。
速乾性のある化学繊維(ポリエステル)や、天然の素材ではメリノウールやシルクがおすすめです。
木綿は、乾きにくい性質があるので避けた方が無難でしょう。
最近では、ハイブリッド素材と呼ばれる化学繊維と天然繊維を混ぜることで、軽量化や速乾性といった機能性を発揮させた素材も登場しています。
モンベルから出ている、ジオラインという素材を使用したベースレイヤーなどもおすすめです。
ミドルレイヤー
ミドルレイヤーもベースレイヤーと同じく、素早く汗を外に放出する機能が求められます。
吸水性が高く、速乾性のあるポリエステル素材が良いでしょう。
また、ミドルレイヤー予備としてフリースをザックに用意しておくと、急激な天候の変化に対応できるので安心です。
アウターレイヤー
アウターレイヤーは、雨などを防いで湿気を外に放出するなどの機能性重視で、選ぶようにしてください。
今ではアウターの代名詞的な存在になった、ゴアテックスという素材がおすすめです。
ゴアテックスの大きな特徴は、しっかりとした防水性の機能を持ちながら、内部の水分を外へ排出して蒸れを防ぐ「防水透湿性」にあります。
雨などの外からの水の侵入を防ぎながら、内側の汗を外へ発散させる機能を持っているため、蒸れにくいというのが一番の特徴です。
夏登山チェックリスト
おおよその気温が予想できたら、服装を決めましょう。
登山の服装の基本は、レイヤリングです。
肌着に着るベースレイヤーと中間のミドルレイヤー、外に着るアウターレイヤー、想定する気温に耐えられる服装を選ぶようにしましょう。
雨対策のチェック
山の気候において、雨が降ったため急激に気温が下がるということはあまりありません。
注意しなくてはいけないのは、濡れることで体温が急激に下がる危険性です。
雨対策はしっかりおこなうようにしてください。
【雨対策リスト】
・レインパンツ:下半身からの水の侵入を防ぎます。
・ザックカバー:荷物の濡れを防ぎます。
・シューズカバー:靴の濡れを防ぎます。
・ビバーク用のタープ:身動きが取れないほどの悪天候の際に役立ちます。
※軽めのかさばらないタープにしましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。