夏本番、川で遭遇する虫たち
虫さされといえば蚊が代表的ですが、川にはほかにも刺されたり咬まれたりする虫がたくさん生息しています。川でのアクティビティの際、遭遇しやすい虫は次の4種類です。
蚊 活動時期 4月〜11月 日中、夕方
蚊というと夏のイメージがありますが、実は寒くなるまで活動しています。しかし、吸血がもっとも盛んになるのは気温が26〜31℃のとき。まさに川遊びのシーズン中ですね。
日本に生息している蚊は100種類もいるそうです。日常よく見るポピュラーな蚊は、赤褐色のアカイエカと白黒の縞模様のヒトスジシマカの2種類です。
川で刺されやすいのはヒトスジシマカで、一般的にはヤブ蚊と呼ばれています。
蚊に刺されると腫れや痒みを引き起こすのは、刺された際に残された蚊の唾液にアレルギー反応を起こすからです。特にヤブ蚊はイエカよりも強く痒みを感じます。
ブヨ(ブユ・ブト) 活動時期 3月〜9月 朝、夕方
ブヨは蚊のように刺すのではなく、噛み付いて皮膚を切り裂き、流れた血を吸う吸血昆虫です。
曇りや雨の日も活発に動き回ります。2mm程度の小さなハチのような見た目をしていますが、これに咬まれると結構厄介です。
咬むときに麻酔成分を注入するため、咬まれたことに気づきにくく、最初は痒みも感じません。
出血しているのに気がついて、「もしかしてブヨ?」となるケースが多いです。数時間〜1日たってから、猛烈に痒くなりはじめ、どんどん腫上がります。
だいたい1週間ほどで痒みや腫れは収まりますが、重症になると何ヶ月も長引くことも。症状が出ないうちから、先手を打って処置しておくほうがいいですよ。
アブ 活動時期 7月〜9月 早朝、夕方
アブの活動期間はほかの虫に比べて短いですが、インパクトは負けていません。まず、体長は2~3cmと、蚊やブヨに比べかなり大きめ。ハチとハエが合体したような風貌で、集団で囲み攻撃してきます。
アブの最盛期は川によって変わりますが、2週間くらいつづきます。その時期の川遊びは避けたほうがいいでしょう。
アブもブヨと同じく噛み付いて皮膚を食いちぎり吸血します。ブヨのように麻酔成分を注入しないので、咬まれた瞬間にチクッとした痛みを感じます。
その後すぐに熱を持って腫れ、痛痒い感じが1週間程続きます。患部は固くなり、痕が残りやすいです。
ハチ 活動時期 4月〜11月 朝〜日中
ハチの活動は8月〜10月がピーク。特に気をつけなければいけないのは、アシナガバチとスズメバチです。間違っても巣には近づかないこと。
気づかず巣に近づいてしまうと、偵察隊がやってきて「これ以上来たら攻撃するぞ」と威嚇されるはずです。
大きい羽音で近くを飛び回られたり、スズメバチの場合はカチカチという威嚇音を出してきます。その場合は、ハチを刺激しないようにじっと静かにし、姿勢を低くしてゆっくり後ずさりしましょう。
手を振りまわして追い払おうとしたり、パニックになって大きい声を出したりしないでください。
虫さされを最小限に抑えるために
虫さされを完璧に防ぐ方法ははっきり言ってありません。わたしたちにできることは、虫除けスプレーをとにかく吹きかけること。
それから、なるべく長袖長ズボンを着用し、肌の露出を少なくすることです。虫除けスプレーは、川遊びをしているとすぐに水や汗で落ちてしまうので、こまめに塗り直してください。
虫除けのリストバンドなどもありますが、それだけではあまり効果が高くありませんので、スプレーなどと併用するといいでしょう。
虫は匂いにも敏感です。整髪料や香水などは絶対にNG。また、汗をかいていると虫に刺されやすいので、こまめに拭くようにしてください。
刺されてしまったらどうする?
まずは刺された、咬まれた部分をきれいに洗ってください。掻いてしまうと痕が残ったり、水ぶくれになってしまうこともあります。
抗ヒスタミン成分が配合された外用薬を塗り、痒みを抑えましょう。症状が強い場合は抗ヒスタミン剤のほかに、ステロイド外用薬をつかうと治りが早い場合があります。
強い薬なので子どもに使用する場合は病院や薬剤師に相談してください。
ハチに刺された場合は、患部を洗う前にまず針を除去することが大切です。毛抜きや粘着性のあるものなどで優しく抜いてください。
その後、ポイズンリムーバーを使って毒を取り除き、薬を塗ります。毒を抜くとき、口で吸引するのは非常に危険なのでやめましょう。
アブやブヨに何十箇所も咬まれたり、スズメバチに刺された場合は、最悪の場合死亡するケースもあります。応急処置をしたあと、早急に病院に行ってください。