子どもの雪との関わり方
せっかく冬になったのに子どもが家の中ばっかりで遊んでいる…自分は得意じゃないけれど、子どもには雪遊びができるようになってほしい!
子どもがスキー・スノーボードを始めたいと言ってきたけれどどうしたらいいかわからない…
今回はそんな思いを抱えたみなさんが、経験の有無にかかわらず子どもと一緒に冬を楽しむ秘訣をご紹介したいと思います!
初めは小学校入学前2~5歳ぐらいのお子さんを持つ「みなさん」の心の準備から、さらにお子さんの経験や好奇心に応じたポイントを紹介していきます。
2~5歳といえば、雪遊びの経験も遊び方の成長にも個人差がありますね。個人差はあっても、この年代は基本的に「遊ぶ」ことが主になります。
今は早期教育や家庭が教育にかけるお金が増えたことにより、物心つく前から子どもに本格的な指導をすることをよしとする風潮がみられます。
実際、そのような目的の幼児教室も数や環境が非常に充実していますし、親が子どもにかける期待を全て否定するつもりはありません。
しかし、大きな「外遊び離れ」「雪遊び離れ」の原因にもなっている一つに、「子どもの自主性の不足」が挙げられます。
子ども自身が意思・興味のないところでの努力・成果を求められる。これが過剰になると、親の好奇心や要望が終わった瞬間に子どもたちの「〇〇離れ」が始まるのです。
「子どもが将来にわたってスキーやスノーボードに対して苦手意識を持つことなく、楽しめるようになってほしい」
そのようなことを子どもに願っているのであれば、幼少期に必要なものは「雪で遊ぶのが楽しい」という子どもの気持ちを引き出してあげることだけです。
また、多くの研究で「幼少期に自然の中で遊ぶ」ことにより、子どもは主体的に行動し、成長発達に欠かせない能力も身につけていくことが証明されています。
実際に教育先進国の北欧スウェーデンやフィンランドでは、「幼少期の遊び」を何よりも重要視しています。
冬の時間が長く日照時間が非常に短いという過酷な環境の中でも、子どもは積極的に外で遊びますし、むしろそれを楽しむかのような教育の環境が整っています。
子どもには「時間」と「環境」を整えてあげるだけで楽しめるものです。親のできる最高のサポートでしょう。
親の心得
子どもの雪遊びはスキーやスノーボードだけではありません。スキーやスノーボードは、あくまでも子どもが興味を示してから楽しませてあげるくらいのタイミングで十分でしょう。
スキー場でみかけるリフトや、少し上のお兄さんお姉さんがスキーを楽しむ姿を見るだけでも「大きなきっかけ」となるでしょう。
「私もやってみたい!」「あの乗り物(リフト)に乗ってみたい」となれば、自主性からスキー&スノーボードを始める事になりますね。
子どもにとって実りのある遊びになっているかどうか、以下の3つのポイントをチェックしてみましょう。
- 遊びの中でいかに子ども自身が「自主性」を持って「自由」に遊んでいる。
- 自分で遊びを「考え」て、自分で「選択」している。
- 「没頭」して遊び、「笑顔」になっている。
このあたりが本質であり、スキーやスノーボードは一つの手段にすぎません。早く板を履かせて滑らせたい・・・が先行してしまわないように慎重にリードしてあげてください。
ソリでも雪だるま作りでも、雪の中をただ歩くだけでも、お子さんが好きなことに夢中になれるような環境を整えてあげることが一番です。
子どもたちは一つの遊びに夢中になると、「おしまい」といってもやめようとしませんよね。
また、2-5歳のお子さんは保護者が安全管理を行わなければならず、どうしても制約を設けてしまいます。
ですが、子どもをじっくり理解し、何に興味を持っているのかを見つけ、その子どもに応じた経験をサポートしてあげることが親に求められるサポートになります。
子どもが夢中になる環境を整えよう
こちらでいう「環境」は、「物的環境」と「精神的環境」があります。
子どもが思いっきり遊べるところがどんどん減っていく中で、最近のスキー場は、親子で遊ぶことを前提とした施設も充実しています。
保護者が楽しんでいる間にレッスンに預けることを前提に、スキー教室も非常に幅広いレベルと年齢層に対応している教室が多いのも確かです。
そういった意味では、子どもの遊びの環境は悪くないかもしれません。
課題となるのはそういった機会を作り、子どもが試行錯誤をしたり満足できるような十分な時間が確保できているか、ということでしょう。
心も体も成長真っ盛りの幼少期に、子どもがのびのびと成長できるようにサポートしていきましょう。
また、子どもたちを取り巻く精神的環境の面では、昨今のスポーツビジネス分野は幼少期の子どもは格好のターゲットになりやすいというのも事実です。
もちろん科学的根拠に基づいた指導法をしているスクールなどが、ジュニア層のアスリート育成に一役買っているのは皆さんもご存知の通りです。
しかし、残念ながら「子どもにスポーツが得意になってほしい」という親の気持ちに漬け込んだ幼少期児童向けの何かに煽られて、子どもに過度なサポートをしてしまうという事例も多く見られます。
過度な熱中や親の期待が子どもの「燃え尽き症候群」や「やらされている感」につながるということも知識として理解した上で、子どもがのびのびと夢中になれることに「サポート」できるように心がけましょう。
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ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。