では雨の渓流釣りにはどのような装備が必須なのでしょうか。
今回は雨の渓流釣りに特に必要になる装備と、それぞれの選び方を解説します。
釣り専用ウェーディングシューズ
渓流釣りでは水に入ることも多いので、釣り専用のウェーディングシューズを使用します。
とくに雨の渓流では川底の状態が悪く、異物を踏んでしまったり、浮いた泥で滑りやすくもなるので、ウェーディングシューズの性能を重視する必要があります。
これは、靴と胴付きが合体しているタイプのウェーダー選びでも共通します。
ウェーディングシューズはソールの素材と硬さに注意
ウェーディングシューズは足場の状況に合わせたソール選びが命です。
ウェーディングシューズのソールの種類には、おもに以下の4種類。
- ラジアル
- ラジアルスパイク
- フェルト
- フェルトスパイク
それぞれメリットがあります。
足場が濡れて滑りやすい雨の渓流では、スリップしにくいフェルト、もしくはフェルトスパイクのソールがおすすめ。
泥が乗ったり、コケの生した足場では、圧倒的にフェルトのほうがグリップ力が高いからです。
ただし水に入ることを考えると、濁った水の底に鋭い流木などが流れ付いていることもあるので、ソールの硬いラジアル・ラジアルスパイクのほうが安全な場合もあります。
フェルトソールを選ぶ場合も、靴底の厚さに注意して選ぶことをおすすめします。
渓流釣り必須の装備ウェーダー
ウェーディングシューズと同じく、水に入るために必要な装備がウェーダーです。
胴付きとも言われ、川に入る渓流釣りやフライフィッシングでは必須の装備ですが、ウェーダーも雨で増水している場合には選び方にコツがあります。
水の抵抗を重視した密着タイプ
渓流釣りでは、少し増水しているようなシチュエーションが好機です。
このため、深くなった水に入る機会も多くなりますが、増水した渓流には危険がつき物。
とくに増水し勢いを増した水に足をとられて転倒したり、流されてしまうと大変です。
ウェーダーは服の上に着ることもあり、浸水してしまったときも脱ぎやすいようにサイズに少し余裕のあるものが多いです。
しかし、水を受ける面積が広いと、その分水流による負担も大きく、足をとられて自由に動けなくなってしまうこともあります。
立っているときにバランスがとりにくければ、せっかくシューズのグリップに注意しても転倒するリスクが大きくなってしまいますよね。
このため、渓流釣りメインで使用するウェーダーに関しては、比較的細身で密着するスリムタイプを選ぶと安心でしょう。
スリムタイプだと冷たい水温が伝わりやすくなるデメリットがあるので、インナーなどで体温調整できるように準備しておくようにするとより快適に釣りができます。
ベターな装備フィッシングベスト
さまざまな釣りでベターな装備がフィッシングベストです。
プライヤーや仕掛けなど、ちょっとしたものを取り出しやすい位置に準備しておくのに便利ですよね。
荷物を足元に置きにくい渓流釣りでは、もはや必須とも言えるフィッシングベストですが、初めて買うときには注意点があります。
浮力材入りが必須!
フィッシングベストは機能性だけでなく、安全性にも注意する必要があります。
初心者の方だとフィッシングベスト=救命胴衣と思う方も多いです。
しかし、フィッシングベストと救命胴衣は別物。
最大の違いは着用しているときに、水に浮くか、浮かないか。
通常のフィッシングベストは、川に落ちても水に浮くとは限りません。
浮かないフィッシングベストは逆に錘になってしまい、むしろ水中では危険になることも。
このため、増水した川に入るのであれば必ず浮力材入りのフローティングベストを用意しましょう。
渓流ではフローティングベストが必要ないという方もいます。
しかし、ウェーダーを着用している場合はフローティングベストの有無が生死に関わります。
ウェーダーには少なからず空気が入るので、急に深場に入ったときや、転倒したとき足が浮き上がり、頭が水に沈んでしまうことがあります。
とくに水が濁った雨上がりなどでは、足場が確認できずリスクが上がります。
万が一、深場で転倒したときに頭を沈ませないため、川に入るときにはフローティングベストを着用したほうがいいでしょう。
筆者も一度、深場に足を取られて転倒し、数メートル流された経験があります。
パニックになって、なにもできないうちに体が浮き上がり、身動きが取れなくなってしまいました。
最近主流になりつつある手動膨張タイプではなく、水に入った瞬間機能する浮力材の入ったベストを強くおすすめします。
とくに釣果が上がりやすい雨では危険度も上がるので、安全装備は十分に用意して挑戦してくださいね。