マウンテンバイク(MTB)はタイヤサイズがなぜ違う?
マウンテンバイク(以下MTB)とひとくちにいっても、いろいろなモデルがあります。
これはオフロードフィールドでは特定の設計では対応できないことがあり、それぞれの特性が生きるシーンがあるからです。
なかでも、乗っていて違いを感じやすいのがタイヤのサイズです。
MTBのタイヤのサイズは以下の3種類です。
- 29er(29インチ)
- 27.5インチ(650B)
- 26インチ
以前は、目的のなかでそれぞれのサイズを選ぶこともありましたが、現在は用途に合わせてタイヤサイズを選ぶのが当たり前になっています。
それぞれ互換性がない場合も多く、インチダウンする場合にもフレームの設計に無理がでて、乗り心地が悪くなる場合もあります。
このため、購入するときに用途に合ったタイヤサイズを選ぶことが重要です。
29er(29インチ)の特徴
29インチは、トゥーナイナー(29er)という愛称で呼ばれます。
競技用MTBで、現在まで主流で使われている規格です。
ホイールの直径はロードバイクの700c規格と同じで、場合によっては互換性もあります。
MTBタイヤでもっとも大径
29erはMTBに採用されているタイヤのなかで、もっとも直径の大きい規格です。
タイヤが大きいメリットは、オフロードにおいては凹凸を乗り越えやすいことにあります。
タイヤの軸が高い位置にあるほど、大きな障害物も乗り越えやすくなります。
また、径が大きいと1周したときに進む距離が長く、スピードに乗りやすいメリットもあります。
XC系でとくに人気
こういったメリットから、29erはXC(クロスカントリー)系の競技で好まれます。
XC系競技では、比較的、路面状況がいいセクションでの加速性が重視されます。
そのため、オフロードセクションで凹凸を乗り越える走破性も重視されるのです。
また、29erは接地面積が広いことでグリップ力も高く、高速走行での安定感もメリットになります。
このメリットは、長距離のツーリングでも重要なポイントになるので、長距離のツーリングには29erのXCマシンがおすすめです。
27.5インチ(650B)の特徴
27.5インチは2010年ごろに登場した新しい規格のタイヤです。
登場から爆発的にシェアを伸ばし、MTBの標準の規格と言ってもいいほどに拡大しています。
27.5インチタイヤは650B規格と同じリム径のため、27.5インチタイヤを650Bと呼ぶことがあります。
幅広い用途に有効
27.5インチタイヤのメリットは、なんといってもバランスのよさにあります。
26インチタイヤに比べて加速性がよく、障害物を乗り越える能力が高いです。
そして29erよりも走り出しが軽く、小回りが利くメリットもあります。
とくに、日本人視点で見ると重心の位置がちょうどいいので、乗りやすいのもメリットです。
多くの競技では26インチよりもメリットが多く、現在ではほとんどの競技で27.5インチ、もしくは29erが使用されています。
27.5+もおすすめ
27.5インチは2010年代に普及した新しい規格ですが、そこから発展したさらに新しい規格があります。
それが「27.5+」と呼ばれる規格です。
リム径は27.5インチと共通していますが、太さが2.8インチ以上のセミファットタイヤを採用した規格です。
ファットバイクの登場もあり、近年タイヤの太さやエアボリュームに注目が集まっていて、そのメリットを27.5インチにフィードバックしたものです。
27.5インチのホイール27.5+のタイヤを取り付けることは可能です。
ただし、まれにハブ(ホイール中心にあるパーツ)の規格が違う場合があるので、ホイールの互換性には注意が必要です。
26インチの特徴
26インチタイヤはMTB用として古くから使われる規格です。
27.5インチタイヤの登場で影を潜めていますが、根強い人気があるのもたしかです。
上りに強く小回りが効く
小径タイヤが大径タイヤに勝るのは、上りの強さです。
小径タイヤはパワーが伝わりやすく、走り出しや上り坂ではメリットになります。
またタイヤの直径が小さく、ホイールベースが短く設計できるため、回転半径が小さくなるメリットもあります。
ストリート系で人気
こういったメリットが生きるのは、ダートジャンプやストリート系のトリックを決める競技です。
27.5インチや29erなど大き目のタイヤでもできないわけではありませんが、やはり26インチの取り回しのよさにはかないません。
ストリート系以外では、4Xなど小回りと加速性を重視される競技でも26インチをよく見かけます。
販売数が落ち込みタイヤのラインナップが減っているので、カスタマイズの幅が狭くはなっているのは事実です。
しかし、こういった26インチ特有のメリットは欧米を中心に人気があり、今後も根強く生き残っていくと考えられます。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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