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UIAA国際山岳連合医療部会は、登山者に役立つ知識を提言しています。今回は「公募トレッキング登山隊の質を判断する方法」という提言のご紹介です。海外のトレッキングツアーや遠征登山に参加する際、どのツアー会社が信頼できるのか迷いますよね。この提言は質の高いツアー会社を見きわめる方法についてわかりやすく解説しています。

UIAA国際山岳連合医療部会の提言「公募トレッキング登山隊の質を判断する方法」

UIAA国際山岳連合医療部会の提言「公募トレッキング登山隊の質を判断する方法」

 

海外の公募トレッキングや登山隊に参加する人が毎年増加しています。

その一方で、公募トレッキングや海外遠征登山隊に参加した人が現地で病気になる、または事故に遭うといったケースも増加し続けています。

海外の登山やトレッキングで発生した事故のうち、約8割近くが公募トレッキングツアーや遠征登山ツアー内で発生しています。

どのツアーに申し込むのかで事故のリスクが増減するといっても過言ではありません。

いかにして信頼のおけるツアー会社を見きわめるのかが問われています。

これには、ツアーの主催者がいかにしてツアー参加者の健康や事故のリスクを考慮しながら計画を立てているかをチェックすることが重要です。

以下で紹介するチェック項目が、信頼できるツアー会社なのかそうでないのかの判断基準になります。

 

海外ツアーに申し込む前に自身で考えなくてはいけない項目

海外ツアーに申し込む前に、以下の項目を明確にさせておく必要があります。

  • 登る山はどの程度の標高を希望するのか。
  • 山の頂上までどのくらいの時間をかけて登るのか。特に車などでいきなり高所から歩き出すトレッキングには注意が必要です。ツアーのスケジュールに高度に順化する日程がキチンと組まれているのか確認しましょう。
  • 標高2500m以上の山小屋で宿泊する場合、当日の宿泊地と翌日の宿泊地の標高差が300m~500mを越えていないか。

 

信頼できるツアー会社かどうかのチェックポイント

UIAA国際山岳連合医療部会の提言

 

ツアー主催者が現地の様子やツアーの日程をしっかり把握しているか?

こちらの質問に対して明確な回答が返ってくるか?

明確な回答が得られないツアー会社に申し込むのはやめましょう。

こちらの質問に対して「ノー・プロブレム」だけで返答するツアー会社も要注意です。

返答があったとしても、詳細な内容を欠く回答である場合も注意しましょう。

 

以下では信頼できるツアー会社かどうかを判定するチェックポイントをまとめました。

☑登山する山の標高などの詳細なプロフィールを把握しているか。

☑要求される習熟度をキチンと説明できるか。

☑緊急時の計画が策定されているか。最寄りの病院への搬送方法。薬や医療器具を備えたスタッフの同行について正確な説明が得られるかどうか。

☑ツアーに参加する前の予防接種などの説明があるか(「高所医学に詳しい専門医に相談するように」といった指示が行われているか)。

☑旅行医療保険の助言はあるか。質問に対して曖昧な回答ではなく正確で詳細な回答が得られるかどうか(旅行保険の中には、登山における捜索や救助費用は対象外としているものがある)。

☑ガイドやツアーリーダーに高所における救助法の知識を持つ資格保持者がいるのか。高所医学の専門家が同行するかどうか。

☑緊急時の通信手段は現実的か(例:ガイドが衛星電話を備えているか)。

☑ツアー会社による出発前の説明会は実施されるのか。

 

このようなツアー会社は避けるべき

☑質問に対して「ノー・プロブレム」で返答するツアー会社。

☑リスクは存在しないという説明をするツアー会社。多かれ少なかれリスクは存在するはず。

☑明確なツアーの情報を提示しないツアー会社。特に山の高度プロファイルを明らかにしないケースには注意。

 

参考:公募トレッキング・遠征登山隊の質を判断する方法

 

絶景! 世界の山小屋 /グラフィック社編集部
絶景! 世界の山小屋 /グラフィック社編集部

 

 

トレッキング遠征登山における健康管理と準備

トレッキング遠征登山における健康管理と準備

 

☑現地での日程や山の標高、現地の風土病などを下調べして、出発する前に対策を整えておきましょう(予防注射など)。

☑持病がある人は、事前に主治医に相談して無理がないか確認しておきましょう。

☑自分の登山習熟度と見合っているかどうか、ツアー会社に確認しておきましょう。

☑現地ではしっかり睡眠と栄養をとって、高山病にならないように健康管理に注意してください。

☑飲酒は帰国するまで控えるようにしましょう。

☑飲料水の安全性に注意してください。脱水症状をひき起こす下痢は、高山病の原因になります。

☑2500m以上の高地に数日間滞在する場合は、前日の宿泊場所と当日の宿泊場所との高度差が300m~500mを越えていないことが重要です。

☑包括的な旅行健康医療保険に加入しておきましょう。保険証書のコピーを高所医学の専門家などに見てもらい、緊急事態に対応できる補償内容であることを確認しておきましょう。

 

参考:UIAA国際山岳連合医療部会提言集

 

ワールド・トレイルズ 世界は歩いてみたい「道」にあふれている/GESTALTEN, ゲシュタルテン, ロバート・ムーア
ワールド・トレイルズ 世界は歩いてみたい「道」にあふれている/GESTALTEN, ゲシュタルテン, ロバート・ムーア

 

今回は、UIAA国際山岳連合医療部会提言集の中から「公募トレッキング登山隊の質を判断する方法」という提言をご紹介しました。UIAA国際山岳連合医療部会の提言に何度も登場するのが2500m以上の高地で宿泊する際の宿泊場所の高度差です。前日と当日の宿泊場所の高度差は300m~500m以内になるようにしなくてはいけません。質問に対して「ノー・プロブレム」だけで回答する会社は要注意とありました。これは公募トレッキングと遠征登山隊に限ったことではないですね。今回の記事を信頼できるツアー会社選びに役立ててください。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。