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冬は登りやすい時期ですが、雪が積もってしまったり、太陽の光が届きにくい沢筋など、あまりに寒い場所は不向きです。そのため、岩場は南向きが好まれます。今回は首都圏からアクセスしやすく、またルートの難易度もやさしいものが揃うエリアをご紹介します。
 

長野県尼厳山

クライミングスポット 冬おすすめ

長野県尼厳山(あまかざりやま)は、長野県松代町にある冬でも登れる貴重な岩場です。岩場へは尼厳山登山口から徒歩30分ほどで到着します。

日本の岩場ではよくあることですが、尼厳山のクライミングエリアは私有地となっていますので、ゴミや排泄物を残さない事や、ハイカーや地元の方々の迷惑にならないようにクライミングを楽しむなど、マナーを守ることが大切です。

アクセスはマイカーのみとなります。池田の宮登山口の鳥居前に駐車可能ですが、参拝者以外は駐車禁止と書かれた看板が立てられています。

大勢で行く場合は、乗り合いなど車の台数を減らす工夫が必要です。

岩場は柱状節理でグレードはやさしいものが多く、幕岩状になっているためルートも横並びでコンスタントに登るには適した場所です。

ただ、プロテクションがカムやナッツといったトラッドプロテクションを用いるので、登る前には十分なトレーニングが必要です。

尼厳山のクライミングエリアは2段に分かれています。2段目のテラスでの行動はよく注意しておかなければ落下してしまいます。

特に、ビレイヤーはセルフビレイをとるなど、リードクライマーの不意の墜落に備えておきましょう。

 

Grivel 登山 クライミング ヘルメット ジャパンフィット サラマンダ―2.0 
Grivel 登山 クライミング ヘルメット ジャパンフィット サラマンダ―2.0 

静岡県城山

クライミングスポット 冬おすすめ

城山は、静岡県田方郡大仁町にあるクライミングエリアです。ここは「城山」の名前で地元の方やクライマーから親しまれている岩場で、狩野川沿いの国道からも岩場がよく見えます。

城山は非常に日当たりが良く、静岡県という環境もあり夏場はあまりの暑さに登る事はできません。冬でも暖かい日などはTシャツ姿で登るクライマーの姿をよくみかけます。

クライミングエリアは城山を取り巻く様に、西壁、南壁、東南壁、北壁、と分かれており、初心者に人気があるのは南壁です。

初心者にとって城山の嬉しいところは、簡単なグレードのマルチピッチクライミングがすべてボルトによるプロテクションで登れるという点です。

日本の岩場に限らず、マルチピッチクライミングというのは多くの場合がトラッドプロテクションを使用します。

ボルトプロテクションの場合はカラビナ(クイックドロー)をかけてロープを通すだけですが、トラッドプロテクションは岩の隙間のサイズに合わせて用具を選択し、的確にセットしなければなりません。

その点、城山であればマルチピッチクライミングの高度感を少ないプロテクションの使用で味わうことができます。

初心者のマルチピッチクライミングデビューの岩場としては最適です。

ペツル (PETZL) P42 キャリツール
ペツル (PETZL) P42 キャリツール

 

いわき青葉

クライミングスポット 冬おすすめ

青葉の岩場は、福島県いわき市にある日本では比較的珍しい砂岩のクライミングエリアです。

東日本大震災直後にクライミングエリアで何箇所かの崩落がみられ、入山禁止の措置が取られましたが、しばらくしてクライミングエリアとして再開されました。

しかし、今現在も崩落個所は迂回して歩かなければなりませんので、いま安全と言われているエリアであっても、十分な注意が必要です。

福島県というと「雪国」「寒い」といったイメージがありますが、青葉は冬でも半袖で登って汗ばむほどの暖かなクライミングエリアです。

また、砂岩のクライミングエリアは日本にはほとんど無く、あったとしても大変脆くトップロープ限定のクライミングエリアだったりします。

青葉の特徴のもうひとつとして、ルートが短く、ホールドはスローパーが主体ということが挙げられます。スローパーの保持は体幹や体重移動によってポジションを安定させます。

またルートが短いということは、それだけグランドフォールの危険も高いということです。丸みを帯びた砂岩のホールドの連なりは、短いルートの中に多彩な動作を加えます。

青葉の岩場で登れば、ルートのスケール以上の充実感を味わうことができます。

 

PD9 クライミング液体チョーク
PD9 クライミング液体チョーク

 

湯河原幕岩

クライミングスポット 冬おすすめ

湯河原幕岩は、神奈川県足柄下郡湯河原町にあるクライミングエリアです。伊豆半島の根本にあって日当たりが良く、冬はとても暖かなクライミングエリアです。

クライミングルートの取付きが平らであることや、グレードが比較的やさしいものが揃っていること、ルートの傾斜がゆるくスケールも手ごろなことから、冬になると関東を始め様々な場所からクライマーが集まってきます。

ただ、湯河原幕岩は一般の観光客もよく訪れる観光地なので、マナーの面では特に注意が必要です。

また、毎年2月上旬から3月中旬にかけて、幕岩公園で梅の宴とよばれる広大な梅林の開花を楽しむイベントが開催されます。

この期間は飲食店やお土産、地元の特産品の店なども出店され、大変な賑わいとなります。

必ずトイレで用を足す、ごみは持ち帰るなどのマナーの厳守はもちろん、時期を外して訪れるなどの配慮が必要です。

湯河原幕岩の人気のクライミングエリアは、正面壁と茅ケ崎ロックです。

こちらはトップロープクライミングを楽しむクライマーや講習会などで使用されることも多いので、ルート最上部の支点を独占して使用しないなど、混雑しているクライミングエリア特有のマナーをしっかり守りましょう。

 

FOOTMAX クライミングモデル FXC013

(フットマックス)FOOTMAX クライミングモデル FXC013
(フットマックス)FOOTMAX クライミングモデル FXC013

 

冬の岩場は、暖かく南向きであることが求められます。条件があえば東北でも暖かく登れますが、条件が悪ければ南の地方でも寒くて登れません。このことから、冬のクライミングエリアはとても貴重だということが分かります。お互いに譲り合ってクライミングを楽しみましょう。

ライター

Greenfield編集部

自然と向き合い、環境に配慮しながらアウトドアスポーツを楽しむ人に向け、自分や周囲のウェルビーイングの向上につながる情報をお届けします。