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冬は四季の中でもっとも乾燥して気候も安定し、クライミングに適した季節。自分自身のクライミングレベルを上げようと岩場に通うクライマーも多くなります。今回、冬ならではの怪我のリスクと予防方法を紹介します。冬クライミングの参考にしてみてください。
 

冬におすすめの準備運動

冬クライミング 怪我予防

準備運動を行うもっとも大きな理由は、本格的な運動の前に体を温めることです。

体温というのは多くの人が概ね一定ですが、体感温度は季節の影響を受けます。そのせいで、夏と同じ量、同じ負荷の準備運動を冬に行っていても体は満足に温まらないことがあります。

冬は体感温度が低い分、体を温める為の時間を多く要するので入念な準備運動が必要なのです。ではどんな準備運動を行えば良いのでしょうか。

これは日本人なら誰でも知っているラジオ体操がおすすめです。足の屈伸や手の屈伸に始まり、徐々に体が温まってきた頃合いに飛び跳ねる動作が入ります。

ラジオ体操は、静的な動きから動的な動きへの移行が実にバランスが良く、多くの方にとって無理のない運動として優れています。また飛び跳ねる動作はボルダリングや難易度の高いクライミングでは頻繁に行います。

ルートが登れずにクラッシュパッドに飛び降りる際や、難易度の高いルートで飛びつく動作の入るものなど、これらの動作を準備運動なしで行うと怪我のリスクは一気に増加してしまいます。

準備運動の段階においても、始めに飛び跳ねる動作を行ってしまうと、これも怪我の元となりますので、やはりラジオ体操は非常に優れているといえます。

 

ウォームアップは十分行う

冬クライミング 怪我予防

準備運動が終わったら、次はボルダリング壁などを使って十分にウォームアップを行います。準備運動の目的が体を温めることに対し、ウォームアップは温まった状態を保ちながら最大のパフォーマンスを発揮できるように試運転するイメージです。

クライミングセンターなど屋内の施設であれば、ボルダリングエリアで登ってクライミングを行うことができますが、自然の岩場ではなかなか難しいです。

おすすめは、踵が地面についた状態で爪先を岩に押しつけるようにルート下部をトラバースします。これを他のクライマーの迷惑にならない範囲で何往復か繰り返します。

またウォームアップには呼吸も重要な役割を果たします。深く長い呼吸は血流を良くし、筋温度を上げ、動きを滑らかにします。これは室内のクライミングセンターでも、自然の岩場でも共通することなので意識してウォームアップを行ってみてください

最後に動作に関することですが、なるべく滑らかにゆっくり動きましょう。前腕がわずかにパンプして体が温まってきたらウォームアップは完了です。

 

クライミング中は体温調節が大切

冬クライミング 怪我予防

準備体操も、ウォームアップも体温を上げることが目的です。クライミング中は運動をしているので血流も良く、呼吸も早くなるので体温は高く保たれます。

しかし、クライミングを終えて休憩をしている間は徐々に体は冷えていきます。入念な準備体操とウォームアップで体温を上げて最高のパフォーマンスができる状態にしても、休憩中に体を冷やしてしまっては良くありません。

登り終えたらすぐに上着を着用しましょう。できれば厚手のダウンなどで、風にも対応できれば体感温度低下も防げます。

風速1mあたり、体感温度はだいたい1度下がると言われています。周辺の気温だけではなく、風にも対応できる服装で冬のクライミングに出かければ、快適に過ごせるうえ、パフォーマンスの維持にも対応できます。

また、冬の岩肌はたいへん冷たく、指がかじかんで動かないことがあります。こういう時には、粘着しないタイプのホッカイロをチョークバッグに入れておきましょう。

手を温める効果があるのはもちろんですが、チョークボールの役割もあるのでチョークが手に馴染みやすく便利です。岩場に着く30分前に開封しておけば、実際にクライミングを行う時にはチョークバッグの中が十分温かい状態になっているので安心です。

 

細かいホールドには気をつけよう

冬クライミング 怪我予防

冬は他の時期に比べてホールドがとても乾燥します。その為、難易度の高いルートのトライには適期といえますが、細かく指を痛めやすいホールドもよく乾燥した環境では持ててしまう事があります。

「持ててしまう」と書いた理由は、細かく指の怪我を引き起こす恐れのあるホールドというのは、持ち方はもちろん、体幹を基礎とした正しいフォームがあります。

そういった事を知らないクライマーが力だけで持ててしまう事が怪我を引き起こす要因に繋がっています。ですから、自分自身のレベルや過去に登れたことのあるグレードなどを考慮して、細かなホールドを持つようにしましょう。

また、乾燥した時期はクライミングシューズのソールが岩肌によく食いつきます。クライミングシューズの特性を十分に生かして、手への負担を減らすことが出来れば、より難易度の高いクライミングも可能となります。

冬は自分自身のクライミングレベルを上げるチャンスの時期です。怪我をしてしまうと、クライミングが出来なくなるばかりではなく、長期のリハビリによる感覚の鈍化も無視できない影響として残ってしまいます。

練習を再開して、元のパフォーマンスに戻すことは勿論可能ですが、怪我をしないように楽しむのが一番です。

 

冬はよく乾燥していて、クライミングの適期でもありますが、寒さとの付き合い方に気を配る必要があります。また、冬特有の怪我などもあり、クライミング前の準備や、指のケアなど細かな部分への配慮が欠かせません。今回の記事を参考に、怪我のない冬のクライミングを楽しんでください。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。