MTB(マウンテンバイク)のタイヤは規格がさまざま
MTBは、もっとも幅広い規格のタイヤを使う自転車です。
ロードバイクのインチ数はすべて同じで、違いは若干の太さとタイヤパターンなどです。
一方MTBは、インチ、太さ、タイヤパターンすべて違い、それぞれにメリットがあります。
これは、MTBが走るオフロードフィールドでは路面状況が複雑で、競技別に想定されるシチュエーションに合わせたスペックが必要だからです。
タイヤの交換でスペックを変えることも可能ですが、規格ものなので守らなければならないルールがあります。
取り付けられないならまだしも、場合によっては走行中の危険が伴うものもあります。
MTBをタイヤ交換するにあたって、注意しなければいけないポイントを確認してみましょう。
タイヤ径(インチ)
MTBには、以下の3種類のタイヤ径があります。
- 26インチ
- 27.5インチ(650B)
- 29インチ(29er)
これらはそれぞれホイールに対する互換性はなく、ホイールを流用する場合はかならず適合するインチのタイヤを選ばなければいけません。
ホイールそのものを変えれば多少のインチアップ、インチダウンは可能ですが、フレームの設計上適したタイヤに比べると乗り心地はよくないので注意が必要です。
競技によって適したタイヤ径が変わる
タイヤ径の違いで、乗り心地や性能に大きな違いがあります。
タイヤ径が大きいと、出せるスピードの限界が小さいタイヤに比べて速くなるので、クロスカントリーなどトップスピードを求められる競技で好まれます。
直径が大きくなることで、大きな段差も乗り越えやすくなるメリットもありますが、重心が高くなるので制御はむずかしくなります。
逆にタイヤ径が小さい場合は、重心が低いのでバランスが取りやすく、トリックを決めやすいのでストリート系競技で好まれます。
直径が小さくなると段差には弱く、トップスピードも遅いので、タイムや着順を競う競技では近年ほとんど見かけなくなりました。
タイヤの太さ
MTBの特徴として、非常にタイヤが太いというのも大きなポイントです。
タイヤを太くすることで、グリップ力が上がり、エアボリュームでサスペンション効果が生まれるなどのメリットがあります。
最近では、標準装備で太いタイヤ(セミファットタイヤ)を装備しているモデルもあります。
細いタイヤを装備していても、タイヤ交換である程度は径を太くすることも可能です。
また、インチアップができないフレームでも、太いタイヤを履くことで外径を大きくすることができます。
ただし、仮に取り付けられても安全に走れるとは限らないので、ホイールに対する適正規格を調べる必要があります。
リム幅によって取り付けられるタイヤ幅が変わる
タイヤを太くする場合、ホイールのリム幅によって取り付けられるタイヤの幅が決まります。
リム幅とは、ホイールにタイヤを取り付ける部分の規格のことです。
対応するものを選ばないと、走行中にタイヤが外れたり、タイヤがよれてスリップする危険があります。
MTBタイヤに関しては、この互換性はタイヤの説明書やメーカーサイトに明記してあります。
リム幅はホイール本体に記載がある場合もありますが、基本的にはないものと考えてよいでしょう。
この場合は、ノギスでリム幅の内径と外径を測れば問題ありません。
フレームのクリアランス
せっかく選んだタイヤも、フレームに取り付けられなければ意味がありません。
MTBのフレームはある程度の余裕を持って設計されたものが多いので、太いタイヤでも流用できる場合が多いです。
しかし、万が一適合しない場合は、タイヤがフレームに干渉して回らなかったり、走行中タイヤがよれることによって干渉して急ブレーキがかかり大変危険です。
この部分に関しては決まった規格がなく、太くする場合にはフレームの幅を実際に計って、取り付けた際、十分なクリアランスがあるかを調べる必要があります。
インチダウンでクリアランスに余裕を持たせる
もしタイヤとフレームが干渉してしまう場合、インチダウンでクリアランスに余裕を出すことができます。
フレームはホイールの軸部分(ハブシャフト)から、シートに向かって細くなっていく形です。
このため、タイヤが小さくなれば幅が広い部分にタイヤが位置するので、インチダウンすればクリアランスに余裕を持たせることができます。
ただし、ブレーキの種類によってはブレーキシューがリムに届かなくなってしまいます。
基本的にはディスクブレーキのMTBのみでできる方法です。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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