冬の八甲田山の特徴と見どころ
八甲田山という山名は、青森市南部にある連峰の総称です。八甲田山は南に2つの山群があり、主峰の八甲田大岳や高田大岳などがある「北八甲田」と、櫛ヶ峰(くしがみね)をはじめとする「南八甲田」に分かれます。八甲田山は日本百名山にも選ばれ、岩木山と並び青森県を代表する山です。
山名 | 八甲田山(はっこうださん) |
場所 | 青森県青森市 |
標高 | 1,585m |
日本三大樹氷に選ばれる八甲田山の樹氷
八甲田山の樹氷は、蔵王(山形県・宮城県)や森吉山(秋田県)の樹氷と並び、『日本三大樹氷』と呼ばれています。厳しい風・雪に耐えた八甲田の木々は、スノーモンスターと呼ばれるような大きな樹氷へと成長します。あたり一面にスノーモンスターがそびえ立つ景色は、まさに圧巻。八甲田山の樹氷の見頃は、例年1~2月ごろです。
白雪と青海原が織りなす頂の景色
八甲田山の山頂は、360度見渡せる大パノラマ。高田大岳や櫛ヶ峰などの八甲田の山々、雄大な岩木山や青森市の市街地、さらに陸奥湾まで望める好展望です。白雪に染まった山々と陸奥湾の青海原という、素晴らしい景観を堪能できます。
冬の八甲田大岳周回ルート紹介
こちらは、酸ヶ湯(すかゆ)温泉付近にある登山口から八甲田大岳を周回するルート。冬シーズンの八甲田山は雪深いので、スノーシューは必携です。
はじめは樹林帯の道を進み、トレース(踏み跡)を辿りながら仙人岱(せんにんたい)方面へ向かいます。もし天候のコンディションがよくないようであれば、仙人岱ヒュッテのあたりで進むか撤退するか検討するようにしましょう。仙人岱ヒュッテから山頂までは急登が続きますが、スノーモンスターが一面に立ち並ぶ圧巻の景色が広がります。
登頂したあとは、毛無岱(けなしたい)方面を周って、酸ヶ湯温泉付近の登山口へ下ります。トレースがない場合はGPSやコンパスを利用し、コースを確認しながら進みましょう。
八甲田大岳周回ルートの詳細はこちらから
八甲田山 八甲田大岳〜毛無岱 周回コースの地図・登山ルート・登山口情報 | YAMAP / ヤマップ
※歩行時間は、積雪量や天候にかなり左右されます。時間にゆとりをもてる登山計画を立てましょう。
八甲田大岳登山口へのアクセス方法
・マイカー
東北自動車道 青森中央I.C.より車で約40分(約25㎞)
東北自動車道 黒石I.C.より車で約45分(約26㎞)
※冬期間は道路が閉鎖になる区間があります。通行規制の詳細は、下記のリンクをご参照ください。
雪道安全マップ|青森みち情報 (koutsu-aomori.com)
駐車場情報
名称 | 酸ヶ湯公共駐車場 |
場所 | 青森県青森市荒川南荒川山 国有林酸湯沢50番地 |
駐車可能台数 | 約150台 |
備考 | 公衆トイレ有、タイヤチェーン装着推奨 |
・ バス
青森駅~酸ヶ湯温泉前/JR路線バスで約1時間15〜40分
新青森駅~酸ヶ湯温泉前/JR路線バスで約1時間10〜25分
JR路線バスの時刻表はこちらから
青森ー八甲田ロープウェー・酸ヶ湯温泉(みずうみ号)の時刻表 | 路線バス|JRバス東北【公式HP】
八甲田山の冬山登山で準備したいもの
冬シーズンの登山は、低体温症や凍傷、雪崩などの危険があります。八甲田山のある青森県は、北国ということもあり気温が低く、さらに豪雪地帯です。リスクのある冬山登山だからこそ、入念に準備をして登山に臨みましょう。以下、冬山登山で準備しておきたいものをご紹介します。
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小物を活用して防寒対策をしよう
冬山登山において、一番大切なのが防寒対策。とくに、肌が露出する顔や末端の手足が冷えやすい傾向にあります。そのため、顔を覆うバラクラバやネックゲーター、厚手のソックスやグローブなど、小物を利用して防寒対策をします。また、濡れてしまう可能性も考えて、替えのソックスやインナーグローブなども用意しておくとよいでしょう。
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雪崩対策にセーフティギアを携行しよう
雪崩の危険性のある雪山では、「アバランチセーフティギア(雪崩対策装備)」を携行するのがおすすめです。アバランチセーフティギアとは雪崩に遭遇したときの救急用具で、ビーコン・プローブ・ショベルの3点セットのこと。
とくに、ビーコンは雪山登山の必需品。雪崩に巻き込まれてしまった際、ビーコンにより位置を特定できるので、雪崩からの生還率が上がります。また、ショベルは風よけの雪洞を設営するのにも使用でき、天候が急変した際に重宝します。
【アバランチセーフティギアの詳細】
名称 | 用途 |
ビーコン | 雪崩時に居場所を特定する送受信装置 |
プローブ | 雪崩埋没者の位置を知らせる棒状の印 |
ショベル | 雪崩埋没者を雪の中から掘り出す |
八甲田山登山後に立ち寄りたい【酸ヶ湯(すかゆ)温泉】
古くから地元の人々の湯治場として親しまれてきた、「酸ヶ湯温泉」。海抜約900mに位置することから、酸ヶ湯温泉は「雲上の霊泉」とも呼ばれます。
酸ヶ湯温泉は、療養に適した療養泉としての効能が認められていて、酸性の強い泉質が特徴です。なかでも『ヒバ千人風呂』と呼ばれる混浴の大浴場は、160畳もの広さの浴室に4つの異なる源泉があり、手軽に湯めぐりを楽しめます。
名称 | 酸ヶ湯 |
住所 | 青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地 |
泉質 | 酸性硫黄泉 |
日帰り入浴料 | 大人1,000円、小人(小学生)500円 |
酸ヶ湯温泉の詳細はこちらから
国民保養温泉地 酸ヶ湯温泉旅館【公式サイト】 (sukayu.jp)
冬シーズンにおける八甲田山の見どころや、八甲田大岳を周回する登山ルートをご紹介しました。八甲田山の樹氷は日本三大樹氷と呼ばれるほど規模が大きく、壮観な景色を構成しています。八甲田大岳周回ルートでは、大きく成長した樹氷を間近で見られるのが魅力です。しかし、冬シーズンの八甲田山は低体温症や雪崩のリスクがあるので、防寒対策やセーフティギアなどの装備を準備して登山に臨むようにしましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。