ウィンタースポーツを楽しむ前に♪雪山&登山について知っておきたい雪崩のメカニズムと対処法

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ウィンタースポーツを楽しむ前に♪雪山&登山について知っておきたい雪崩のメカニズムと対処法

スキー、スノボー、雪山登山。ウィンタースポーツの本格的なシーズンを待ち望んでいる人も多いことでしょう。冬山で最善の注意しなければならないのが雪崩です。雪崩は毎年、全国の雪山で起こっていて時に痛ましい悲劇も報告されます。雪崩への知識と対処法を身に付けて、もしもの時に備えましょう。

雪崩の種類とメカニズム

雪崩とは、雪山に積もった雪が滑り落ちることを指しますが、大きく分類すると積雪した表面上の雪が滑り落ちる表層雪崩と、積雪の全てが滑り落ちる全層雪崩に分けられます。

 

 

・表層雪崩

雪崩 雪山&登山

表層雪崩は、古い積雪面に新しい雪が積もった場合などに見られ、その発生時期は1月~2月の厳寒期に多くなります。

滑走スピードは時速100Km~200Kmとも言われるほど速く、到達距離が長く、滑走範囲も広いのが特徴です。

 

・全層雪崩

雪崩 雪山&登山

全層雪崩は、積雪が地表面を滑り落ちるもので、春先などの融雪期に多く見られます。

表層雪崩と比べると滑走速度、範囲などは少なくなりますが、滑り落ちる雪の容量が多く、重たい雪や氷が含まれているため、パワーが強いのが特徴です。

 

・メカニズム

力学 雪山&登山の雪崩

山の斜面に積もった積雪は、重力により滑り落ちようとする駆動力と、地面、雪、氷などの結合による支持力のバランスによって支えられています。

このバランスが崩れることで雪崩が発生します。

雪崩が起きる原因は、降雪が急激に増えたりしたことによる駆動力(重力)の増加、もしくは融雪や気温上昇、外部的起因による支持力の低下により引き起こされると考えられます。

 

 

 

雪崩発生の予兆

雪崩 雪山&登山

雪崩発生のメカニズムが理解できると、雪崩が起きる可能性のある場所や状況を予測することができます。

予期 雪山&登山の雪崩

 

 

立入禁止区域の危険

ゲレンデ 雪山&登山の雪崩

雪山の雪崩事故のほとんどは、山岳地帯や立入禁止区域で起きています。

近年、バックカントリーと呼ばれ、山岳エリアでスキーやスノーボードを楽しむスポーツが盛んになってきました。

しかしバックカントリーは、事前のコース申請の届け出も必須ですし、初心者が簡単にできるものではありません。

立入禁止エリアに無断で入ることがバックカントリーではありません。

新雪の中を誰もシュプールを付けていない場所を滑るのは、気持ちいいかもしれませんが、雪崩の危険が常に伴います。

自分が雪崩に巻き込まれるだけではなく、新雪の中を滑ったり歩いたりすることが雪崩を誘発することにもなりかねません。

スキー場のコース内は、管理者によるパトロールや安全対策がなされており、雪崩の危険はほとんどないと言っても過言ではありません。

一方立入禁止エリアは、雪崩や滑落の危険があるので禁止エリアなのです。

立入禁止エリアに、シュプールが残っていたとしても、スキーパトロールなど安全管理者の跡である可能性が高いので、一般のスキーヤーやボーダーは決して入ってはいけません。

 

 

雪崩に遭遇したら…

雪崩 雪山&登山

雪崩事故に遭わないためには、事前に情報を収集して、雪崩の起こるような場所には近づかないことが鉄則ですが、万が一雪崩に遭遇してしまったら、できる限り冷静な対処が必要です。

以下、内閣官房内閣広報室発表の雪崩対応安全ガイドブックから抜粋します。

 

・雪崩が自分の近くで起きた場合

1.流されている人を見続けること。

2.仲間が雪崩に巻き込まれた地点(遭難点)と、見えなくなった地点(消失点)を覚えておく。

3.雪崩が止まったら見張りを立て、遭難点と消失点にポールや木などの目印をたてる。

4.すぐに雪崩ビーコン(無線機)などを用いて、捜索する。

5.見つかれば、直ちに掘り起こして救急処置を行う。

 

・自分が雪崩に巻き込まれた場合

1.雪崩の流れの端へ逃げる。

2.仲間が巻き込まれないように知らせる。

3.身体から荷物を外す。

4.雪の中で泳いで浮上するようにする。

5.雪が止まりそうになったとき、雪の中での空間を確保できるよう、手で口の前に空間を作る。

6.雪の中から、上を歩いている人の声が聞こえる場合があるため、聞こえたら大きな声を出す。

 

参照:全国地すべりがけ崩れ対策協議会「雪崩対応安全ガイドブック」

 

 

 

講習会・セミナー

雪山の安全対策を目的として、毎年、雪崩についてのシンポジウムや雪山に従事する人を対象にした研修会などが開かれています。

主なセミナー、研修会をご紹介します。

 

〇雪崩事故防止研究会

雪崩事故防止研究会

1991年に設立された任意団体で、登山者、スキーヤー、スノーボーダー、スキー場関係者などの人を対象として、「雪崩事故防止セミナー」や講演会を開催しています。

セミナーは2日間に及び、実際に雪山で行う実技と講義があります。

また、不定期に様々な講習会も開かれています。

過去の後援会の詳細:第25回講演会「雪崩から身を守るために」ポスター

 

〇日本雪崩ネットワーク

日本雪崩ネットワーク

冬季レクリエーションの雪崩安全に係わる非営利の専門団体。

雪崩教育・雪崩情報・雪崩事故調査・雪崩関連リソースの提供を主な活動としていて、山岳ガイドやスキーパトロール、救助隊員など現場プロや雪崩研究者あるいは訓練を受けた一般山岳利用者など幅広い会員で構成されています。

セミナーは実際の雪山で行い、4つのコースがあります。

「ベーシック・セイフティキャンプ」

「アドバンス・セイフティキャンプ」

「雪崩業務従事者レベル1」

「雪崩業務従事者レベル2」

 

それぞれ参加者のスキルや目的によりコースが違います。

セミナー・講習会の詳細:日本雪崩ネットワーク セミナー&講演会

 

 

まとめ

最近のアウトドアブーム受け、冬山での登山やスキー、スノボーなどのウィンタースポーツも盛んになってきました。真っ白で壮大な景観の雪山で、大自然を満喫することは、このうえない幸福な時をもたらせてくれます。しかし雪山は夏場の山よりもさらに危険度が増し、素晴らしい景観は時として凶器と化します。安全に雪山を楽しむために雪崩を代表とする自然への畏怖を忘れてはいけないと思います。

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