今回は最低限の道具と、ウェーディングに必要なギアを紹介します。
フライボックス
フライを収納するケース。スリットの入ったフォームが付いているものが一般的です。
スリットに挟むと潰れてしまう大きなフライや、ニンフ用のインジケーターなどを収納できるコンパートメントも付いていると、使い勝手がいいですよ。
実際に店舗で触ってみて、手が水に濡れていても滑りにくそうで、軽いものを選んでください。
あまり大きすぎるとベストやバッグのポケットに入りきらないこともありますし、最初はそこまで多くのフライを持っていく必要はないと思うので、SかMサイズが一個あれば十分でしょう。
クリッパー
リーダーやティペットを切る時に使うクリップ式のハサミです。ニッパー、ラインカッターと呼ばれることもあります。
さびに強いセラミック製のものは切れ味が長持ちしますが、刃が欠けやすいため、耐久性に優れたステンレス製がおすすめです。
刃の反対側に付いている針は、フライのアイ(糸を通す穴)の目詰まりを取るために使います。
フロータント

出典 TIEMCO
ドライフライは、キャストを繰り返すうちに水分を含み、浮力を失っていきます。フライに付着する水を弾き、浮力を持続させるために使う補助剤をフロータントと言います。
主にゲルタイプ、パウダータイプ、リキッドタイプの3種類に分かれますが、まずはゲルタイプとパウダータイプを用意すればいいでしょう。
ゲルタイプは少量を手に取り、フライのハックルやティペットに薄く塗布して使います。万能に使えますが、CDC(鴨のしっぽ付近のフワフワの羽を使ったフライ)にはベタベタしてしまい不向きです。
CDCやフライのポスト(目印)に噴きかけるパウダーのスプレーもあると便利ですよ。
フォーセップ

出典 TIEMCO
魚の口からフライを外す時に使う針はずし。フライのバーブ(かえし)を潰すときにも使います。
先端がストレートのタイプ、カーブしているタイプがありますが、どちらを選ぶかは好みですね。なんとなく、カーブしている方が取りやすい気がしますが・・・。
サイズはあまり大きいと邪魔になるので、4.5~5インチくらいがおすすめですが、手の大きい方は小さすぎると扱いづらいかもしれません。
こちらも店舗で握って試してみましょう。
ランディングネット
魚を取り込む網。ネットの種類は主にリリースネット、ラバーネット、クレモナ糸の3種類です。
初心者のうちは、魚体にやさしく、比較的値段が安いリリースネットがおすすめ。
ラバーネットは魚にはやさしいけど重たいですし、クレモナ糸はかっこよくて好みの色を選べますが、ハンドメイドのものが多く、値段が高いです。
魚の写真を美しく撮りたいなどのこだわりがあるのであれば、断然クレモナ糸のネットをおすすめします。
ネットのサイズは、対象魚に合わせてください。
イワナやヤマメなどの場合は、ネットが大きすぎると行動しづらいですし、写真を撮っても魚が小さく見えてしまうので、内径が25cmくらいのものがちょうどいいです。
ニジマスなど大きいと50cmを超えてくる魚の場合は、内径40cm以上あると取り込みが楽ですよ。
小さく収納できるインスタネットを使用する人も増えています。ベストやバッグに装着し、マグネットでネットをすぐに取り外せるネットリリーサーも必須アイテムです。
ウェーダー・ウェーディングシューズ
体を濡らすことなく快適な釣りを続けるためには、ウェーダーが不可欠です。
ウェーダーには、ブーツが一体型になったブーツフットタイプ、シューズをネオプレンソックスの上から履くストッキングタイプがあります。
ブーツフットタイプは安価で着脱しやすく、初心者は選びがちなのですが、足もとが安定せず歩きにくいので、ストッキングタイプが絶対におすすめです。
素材はゴアテックスに代表される防水透湿性のものと、保温性が高いネオプレン製がありますが、よほどの寒冷地でなければネオプレンは必要ないでしょう。
ウェーディングシューズは、底がフェルトのタイプとラバーのタイプ、スパイクタイプがありますが、日本の渓流ではフェルトが一般的です。
ウェーダーとシューズは、同じメーカーで揃える必要はありませんが、ウェーダーを履いた上で、シューズの試着を必ずしてくださいね。
フィッシングベスト・バッグ

出典 COLUMBIA
ポケットがたくさん付いたフィッシングベストは使い勝手抜群。
フロントのポケットにはフライボックスや各種フロータント、バックポケットが付いているものは、飲み物やおにぎりなどの軽食も入れておけます。
しかし、ベストはおじさんぽいから着たくない・・・という人も中にはいるでしょう。渓流釣りだからといって、必ずしもベストを着る必要はありません。
利便性はベストに負けますが、ショルダータイプのスリングバッグや、クラシックなハンティングバッグならおしゃれですね。
バックパックスタイルの人もいます。要はフライボックスと飲料が入り、クリッパーやフロータントをまとめて掛けておくピンオンリールが取り付けられるバッグなら何でもOK。
自分の好みのスタイルに合わせて選びましょう。
偏光サングラス
サングラスは日差しやフライの針、藪漕ぎの際に枝などから目を守ってくれる大切なアクセサリー。
水面の光りの反射を抑えてくれ、水中が見やすくなる偏光レンズのものを選んでください。
川の中を歩行するときは水中が見えないと危険ですし、浮いている魚を見つけることができると、楽しさは何倍にもなりますよ。
サングラスはよく、釣りの最中に落として失くしがちなので、ストラップを付けておくことをおすすめします。
眼鏡屋で好みのフレームに偏光レンズを入れることもできますが、ユニクロなどでも安価で売っているようです。
キャップ・ハット

出典 patagonia
帽子を装着する理由は、熱中症や日焼けを防ぐためだけではありません。上から入り込む日差しを防ぐことで、偏光サングラスの性能を十分に発揮することができます。
つばがあるかないかで、かなり視界の鮮明さが変わってきますので、試してみてください。寒い時期は、つば付きキャップの上にニットキャップを重ねている人もいますよ。
見た目が気になる人は、イヤーフラップ付きのつば付き帽はいかがでしょうか。
レインウェア

出典 Goldwin
釣りをしていると、天候の変化は必ず付いてまわります。小さくパッキングできるタイプのレインウェアを携帯するようにしましょう。
ウェーダーは防水ですが、上から水が入ってしまったら意味がありません。ウェーダーの上から羽織れるように、サイズに余裕を持って選んでくださいね。
タックル編はこちらをご覧ください。
ここで紹介したものは基本の道具です。自分のスタイルに合わせて吟味してみてくださいね。